ITEM 2008

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ブースリポート
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シーメンス旭メディテック株式会社
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Innovating every step of your workflow
ワークフローを最適化するイノベーション。
あなたと共に,次のステップへ。

 シーメンス社は今回,ITEM2008のブースコンセプトとして「Innovating every step of your workflow−ワークフローを最適化するイノベーション。あなたと共に,次のステップへ−」を掲げ,トータルソリューションプロバイダとしての取り組みを強く打ち出すブース展開を行った。
  同社では,昨年度まで,ユーザー自身が製品の使用経験に基づいてその有用性を実証し,ユーザーからのコメントをブランドメッセージとする「Proven Outcomes」をテーマに掲げてきたが,本年度からは「Answers for life.」が新しいコーポレートメッセージとなった。これは医療を取り巻くさまざまな問題にシーメンスがどのように貢献できるか、どういったソリューション(Answer)が提供できるか、というこれまでよりも一歩踏み込んだテーマを表している。その象徴として,多軸血管撮影装置「Artis zeego」や128スライスCT「SOMATOM Definition AS」,1.5T MRI「MAGNETOM ESSENZA」などの新製品が紹介されたほか,乳がんに対する予防から診断、治療、ケアに至るまでの一連のワークフロー「Breast Care Solution」が紹介されるなど,各モダリティからのさまざまな“答え”が示された。
(4月4日取材)

  ブース
Don Fowler氏 販売責任者
プレスセミナーで挨拶に立ったシーメンスAGメディカルソリューションズMR副社長のDon Fowler氏(左)と,MAGNETOM ESSENZA販売責任者のStefan Domalski氏(右)

◆AX ロボット技術を応用した独創的な多軸血管撮影装置「Artis zeego」が登場

 ロボット技術を応用して開発された,多軸血管撮影装置「Artis zeego」(アーティス・ジーゴ)は,個性的な外観と独創的な動きを実現するCアームが注目を集めた。8つの駆動パーツによるフレキシブルな動きがもたらす200cmという長いアクセス領域によって,寝台を動かすことなく頭部から下肢までさまざまな部位にアクセスすることができる。また,可変アイソセンターシステムFIS(Flexible Isocenter System)を搭載したことで,アイソセンターをXYZのどの方向にも移動できるほか,術者の身長に合わせて寝台を上げ下げすると,アイソセンターも自動的にY軸方向に追従する機能が搭載されており,治療のしやすさや治療効率の向上,患者さんの負担軽減にもつながっている。

 

Artis zeego

  さらに,高度な治療を実現する,従来の血管撮影装置にはない2つの新技術が登場した。「Large Volume syngo DynaCT」は,FISを応用し,オフセットしたアイソセンターを1回転させて撮影後に,アイソセンターの位置を変えてもう一度撮影することできわめて広いFOVが得られ,全肝をカバーすることが可能となった。また,「syngo iGuide」は,Large Volume syngo DynaCTによって得られた画像上で,ターゲットポイントとエントリーポイントを決めるだけで自動的に穿刺の道筋が表示される新技術であり,この画像に透視画像を重ね合わせることで,きわめて正確な穿刺を行うことができる。チルト用テーブルも用意され,手術室に設置すれば手術と血管撮影の両方を同時に行うことも可能となった。 国内第1号機は,5月初旬から東京で稼働を開始する予定。初年度は40台の販売をめざす。


◆CT Adaptiveテクノロジーを搭載した128スライスCT「SOMATOM Definition AS」

 真のワン・オーガン・イメージングを実現する,従来のCTにはない新しい概念を持つAdaptive Scanner CT(ASCT)として,128スライスの「SOMATOM Definition AS」が登場した。Adaptiveとは「適合」を意味しており,Adapts to any patient,Adapts for new dimension,Adapts for complete dose protection,Adapts to your spaceの4つの特長を持つ。
  最小設置面積18m2という優れた設置性を実現した「SOMATOM Definition AS」は,0.30秒という世界最速のガントリ回転速度と,通常モードで0.33mm,ハイレゾリューションモードでは0.24mmというきわめて高い空間分解能,100kWの高出力によって,高心拍患者や大柄な患者さんなど,あらゆる患者さんに対して優れた検査性能を持つ。開口径は78cmと大きく,生命維持装置をつけた状態での検査にも対応可能であり,200cmの撮影範囲をわずか10秒で撮影できるなど,救急でも威力を発揮する。

 

SOMATOM Definition AS

 また,新技術として,従来にない次元での撮影を可能にする「Adaptive 4D Spiral」が紹介された。これは,最大27cmの範囲を四次元データ化する新しい撮影モードで,撮影時にテーブルを前後に連続的に動かすことで,一度の検査で全脳や全肝の灌流情報を得ることが可能となった。パーフュージョン以外にCTアンギオグラフィにも対応しており,心拍動や嚥下運動などの機能観察も可能である。このほか,スパイラル撮影の際に発生する撮影範囲前後の不必要な被ばくを,X線管の下に搭載されたDose Shieldで完全にカットする新撮影機能「Adaptive Dose Shield」が紹介された。

◆MRI 究極のルーチンを実現する1.5T MRI「MAGNETOM ESSENZA」

 MRIは,“まったく新しく,導入しやすい”をコンセプトとする1.5T MRI「MAGNETOM ESSENZA」(マグネトム・エッセンザ)が展示された。同社には,3T MRI「MAGNETOM Trio, A Tim System」のほか,1.5T MRIだけで4機種があるが(Rebioというリターナルパーツを利用した製品を含む),MAGNETOM ESSENZAは,それらと同等の高画質でありながら徹底的なコストダウンを図り,大学病院・基幹病院における複数台目の究極のルーチン用MRIとしての位置付けをめざしている。
  MAGNETOM ESSENZAには,従来の1.5T装置と同様にTim(Total imaging matrix)コイルが搭載されており,Timによって実現された独自の技術として,「アイソセンターマトリクスコイル」が紹介された。従来のTimコイルでは,24個のコイルエレメントを持つスパインアレイコイルが寝台に内蔵されていたが,アイソセンターマトリクスコイルでは,ガントリ内にコイルを搭載し,コイルエレメントを9個とすることでコストを大幅に削減した。MRI撮像時には必ずコイルを磁場中心に合わせる必要があるが,アレイコイルを内蔵したため,位置合わせすることなく,いつでも磁場中心での撮像が可能となる。これにより,コイル交換作業を大幅に削減できるほか,コンソールには部位別のプロトコールが設定されているため,撮りたい部位を設定してボタンを押すだけで寝台が自動的に移動し,簡単に全身の撮像を行うことが可能となった。さらに,ガントリ長は145cmであり,下肢などの撮像時には患者さんの頭がガントリの外に出るなど,患者さんの安心感に配慮した設計となっている。 このほか,新開発の「Focus Shoulder Array coil」によって,磁場均一性をオフセットし,コイルの中に設置したシムコイルに合わせてシミングをかけることが可能となり,肩などの撮像でも磁場均一性の高いきわめて明瞭な画質が得られるようになった。

  MAGNETOM ESSENZA



アイソセンターマトリクスコイル

◆MI 臨床用6スライスCTを搭載したSPECT・CT「Symbia T6」を中心に展示

 MIブースには,6スライスCTを搭載したSPECT・CT「Symbia T6」が展示された。Symbia T6では,臨床用CTを搭載したことで,世界ではじめてSPECT・CT検査時のCTの保険請求が可能となった。また,CTのガントリ回転速度は0.60秒で高精細な画像が得られるほか,SPECT撮影に連続して同じ寝台上でCTが撮影できるため,位置ずれのない高精度なフュージョン画像を得ることができる。また,改めてCT検査を行う必要がないため,患者さんの負担軽減と検査効率の向上が図られる。
 世界では,すでにSPECT市場の1/3がSPECT・CTに移行しているとされており,同社では受注の約半数がすでにSPECT・CTに移行している。将来的にはCTの多列化も視野に入れて開発を進めていく。
  このほかパネルでは,6,40,64スライスCTを搭載したPET・CT「TruePoint Biograph」と小動物用のPETとSPECTとCTを統合したPET/SPECT/CT装置「Inveon」が紹介された。

  Symbia T6

◆Women’s Health さまざまなモダリティで乳がんの早期発見をトータルサポート

 Women’s Healthでは,特に乳がんの早期発見にフォーカスした展示が行われた。展示の中心となったデジタルマンモグラフィ「MAMMOMAT Inspiration」は,マンモグラフィに携わる世界中の診療放射線技師から,約5年間にわたって集めた意見を元に開発された。直接変換方式フラットパネルを搭載し,短時間で画像が確認できるため,次の撮影までの時間が短縮され,1時間に約15名の撮影が可能となった。また,撮影前に,患者さんに合わせて撮像角度を設定し,ボタンを1回押すだけで次のポジショニングを可能にする新機能が搭載され,検査効率が向上すると同時に,診療放射線技師が患者さんに余裕を持って対応することが可能になる。また,カラーバリエーションが豊富なMoodLight(オプション)は,患者さんに安心感を与える環境作りに貢献する。

  MAMMOMAT Inspiration

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