RSNA2008スペシャル

FUJIFILM Medical Systems USA, Inc(富士フイルムメディカル)
 

■SYNAPSEの新バージョンや新開発の直接変換方式FPDでデジタル化を加速

RSNA2008期間中の12月2日(火),日本国内でデジタルマンモグラフィ「AMULET」を発表した富士フイルム。この装置に採用されている新開発のFPDが,米国でも展示されていた。このFPDは直接変換方式。パネルは,アモルファス・セレン(a-Se)を,同社の真空蒸着技術とデバイス開発技術を用いて2層構造にしている。世界に先駆けて実用化したDirect Optical Switching技術によりSNRが良いまま,50μmの画素サイズを実現。FCRで培った画像処理技術を移植することで,高画質画像が得られる。会場内には大型化したFPDも展示しており,今後の製品展開が広がっていくことが考えられる。同社では,マンモグラフィ装置としてはCRを用いた「FCR PROFECT CS」があるが,「AMULET」は,より高級機を求めるユーザーに向け提供していくとしている。

富士フイルムブース
富士フイルムブース

AMULETに使用される直接変換方式FPD
AMULETに使用される直接変換方式FPD

また,主力製品であるPACSについても,大きな進歩があった。数年来,循環器や内視鏡,超音波などの部門システムメーカーの買収を進めてきた。昨年買収した米国Prosolv社の循環器部門システムを「SYNAPSE」に組み込んだシステムを近く発売する予定である。それに加え,今回のRSNAでは,米国のRISメーカーであるEmpiric社の買収を発表した。Empiric社の手がけるRISは,Webベースのもので,従来からSYNAPSEとともに展開してきた。サーバがアプリケーションを持ち,クライアントはWebブラウザでそれを利用することになる。日本では,当面従来の「F-RIS」を販売するが,将来的には日本導入も検討しているという。

富士フイルムが買収したEmpilic社のブース
富士フイルムが買収したEmpilic社のブース


RSNA会場内では,今年日本でも発表され話題を呼んだ同社発の3Dワークステーション・サーバとなる「SYNAPSE VINCENT」のデモンストレーションも行われていた。日本国内の販売も好調で,ネットワーク利用のサーバタイプのユーザーが増えている。SYNAPSEバージョン4.0以降,いずれかのバージョンで,骨抜きなど一部の3D処理技術を行う予定である。なお,バージョン4.0では,インターフェイスを改良し,パワージャケット機能などのポジションを変えている。MIP・MPR像やフュージョン画像なども容易に作成できるようになるとしている。ほかにも米国で展開しているPACSの外部保存サービスである「Manage Services」を紹介していた。データセンターで画像保存をすることでランニングコストを抑えることができる。

このほか,日立メディコ社と共同で開発したポータブルX線撮影装置の「FCR GO」も展示した。米国では,富士フイルムブランドで販売している。2008年4月にFDAの認可を受けてからすでに40台以上販売している。

このようにPACSやDR,マンモグラフィなどデジタル化がさらに加速し,トータルでのソリューションを提供して同社の方向性がうかがえた。

サーバタイプが好調なSYNAPSE VINCENT
サーバタイプが好調なSYNAPSE VINCENT

SYNAPSEのバージョン4.0の画面
SYNAPSEのバージョン4.0の画面

Manage Servicesの紹介
Manage Servicesの紹介


40台以上を出荷したFCR GO
40台以上を出荷したFCR GO

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