MR古今東西 
自由自在! 日立のMRユーザーインターフェイス

2017-4-25


MRI検査におけるユーザーインターフェイス(以下,UI)は,ポジショニングや撮像シーケンス,パラメータに注意して検査を進める操作者にとって重要な機能です。操作者にわかりやすい画面や操作サポートは,操作者の負担を軽減すると同時に,操作時間の短縮化による被検者の負担軽減につながる可能性があります。今回は,操作性を追究した日立のUIについて,アンケートのQ&Aも含めてご紹介するとともに,その活用方法を解説します。

検査ウインドウ上の日本語表記(図1)

日立のUIでは,プロトコール名,スキャンタスク名の両方において日本語表記に対応しています。

図1 検査ウインドウ上の日本語表記

図1 検査ウインドウ上の日本語表記

 

パラメータ全表示(図2)

全パラメータの一画面表示が可能です。基本パラメータは検査ウインドウ上に常時表示されています。

図2 パラメータ全表示

図2 パラメータ全表示

 

Suggestion Parameters表示(図3)

パラメータ変更時の操作サポート機能です。操作者がパラメータを変更する際に,選択可能なパラメータ候補を表示します。

図3 Suggestion Parameters表示

図3 Suggestion Parameters表示

 

スライスライン設定時のコツ

1.スライスラインの設定(図4)

脊椎のアキシャル断面撮像時には,椎間板や椎体の角度に平行にスライスライン設定を行うことが多く,それぞれのスタック(スライス群)角度が異なります。そのため,サジタル像,コロナル像においてスタックごとの設定が必要になりますが,下記の方法により,マウスクリックやドラッグなどの操作を省略することが可能です。

●方法(バージョン4.0以降,図4左
(1) サジタル像でのスライスライン設定後,脊髄が確認できる画像を表示します。
(2) a:【画像に垂直】,b:【画像中心に移動】ボタンをクリックします。
(3) コロナル像上で各スタック中心が椎間板の中心に移動し,サジタル像に対して垂直になります。

●方法(バージョン4.0未満,図4右
(1) サジタル像でのスライスライン設定後,脊髄が確認できる画像を表示します。
(2) 【画像中心に移動】をクリックします。
(3) サジタル像をクリックします。
(4) 【画像に垂直】ボタンをクリックします。
(5) サジタル像をクリックします。
(6) コロナル像上で各スタック中心が椎間板の中心に移動し,サジタル像に対して垂直になります。

※コロナル像上で椎体が真っすぐではなく側彎している場合には,いずれのバージョンもスタックごとの微調整が必要です。

図4 スライスラインの設定(左:バージョン4.0以降,右:バージョン4.0未満)

図4 スライスラインの設定(左:バージョン4.0以降,右:バージョン4.0未満)

 

2.スライスNo.の自動修正(図5)

複数スタックを設定するような場合に,スタック順の入れ替え,スタックの追加・削除などの操作を行うと,スライスNo.が自動修正されます。そのため,追加する箇所の考慮や,削除後の採番などの操作は不要で,自由に入れ替え,追加,削除が可能です。

図5 スライスNo.の自動修正

図5 スライスNo.の自動修正

 

3.スタック・プリサチュレーションの追加と削除(スタック:図6,プリサチュレーション:図7)

1クリック,1ドラッグで任意の箇所にスタック・プリサチュレーションの追加が可能です。また,2クリックで任意のスタック・プリサチュレーションの削除が可能です。

●追加方法
(1) 【スタック追加】,【プリサチュレーション追加】(任意の場所)をクリックします。
(2) それぞれ追加したい箇所をドラッグします。

※全パラメータの「Stacks」,「Pre Sat.」の数値を増加することでも,追加が可能です。ただし,この場合スタックは最後のスタックの次に,プリサチュレーションは最初のスタックの上に追加されます。

●削除方法
(3) 削除したいスタック・プリサチュレーションをクリックします。
(4) 【スタック削除】,【プリサチュレーション削除】をクリックします。

図6 スタックの追加と削除

図6 スタックの追加と削除

 

図7 プリサチュレーションの追加と削除

図7 プリサチュレーションの追加と削除

 

4.出力画像の表示方向設定(図8)

被検者の姿勢や体位にかかわらず,出力画像の表示方向の設定が可能です。この方法は,手関節を撮像する際にたびたび使用されます。例えば,一般撮影で手関節を撮影する場合,指先を図8aのように上向きに出力することが多いですが,MRI(仰臥位,ヘッドファースト)で撮像すると図8bのように画像の向きが異なります。MRIでは図8cに示すように,△の指す方向=画像が出力される際に上方向となるため,図8d-1のように撮像すると,一般撮影と向きが異なります。しかし,図8d-2のようにスライスラインをドラッグして180°回転することで,一般撮影と同方向の画像を出力することが可能です。
図8eに被検者姿勢と出力画像の向きの関係を示します。

図8 出力画像の表示方向設定

図8 出力画像の表示方向設定

 

5.ショートカットキー

キーボードにショートカットキーを設定しています。ショートカットキーを使用することで,マウスのクリック操作を省略することが可能です。

スタック全選択/全解除:【A】
スタック選択:【S】
プリサチュレーション選択:【P】
リージョナルシム選択:【R】
IRパルス選択:【I】
ナビパルス選択:【N】
※リージョナルシム,ナビパルスについては超電導MRI装置のみで使用可。


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