技術解説(日立製作所)

2019年11月号

放射線治療の技術動向

日立の粒子線治療システム

当社は陽子線治療システム,重粒子線治療システム,さらには,両方を照射可能なハイブリッドシステムを提供可能な世界唯一の粒子線治療システムベンダーである(図1)。上記以外にも,粒子線治療に必要な診断装置や治療計画ソフトウエアなどの装置・システムに加え,粒子線治療システムの据え付けサービス,引き渡し後の保守サービスを提供している。当社は,2018年6月に三菱電機社の粒子線事業を統合し,その結果,国内の納入・契約数は19施設(うち18施設は治療開始ずみ)となり,海外では11施設と契約して,うち5施設が治療を行っている。当社の治療システムで治療を受けた患者数は,累計5万3000人を超え(2017年末),年間でも7000人を超えており,いずれもベンダー別で世界2位となっている(2017年のデータ)〔PTCOG(Particle Therapy Co-Operative Group)のWebサイトから当社まとめ〕。

図1 粒子線治療システムラインアップ図

図1 粒子線治療システムラインアップ図

 

当社は,シンクロトロン加速器を用いたスキャニング照射を中核としたシステムを提案・運用しており,その高精度な照射を生かす患者位置決めに必要な位置決め用イメージングシステムとして,さまざまなマッチング(2D/2D,3D/2D,3D/3D)を可能とするソフトウエアやガントリ搭載のコーンビームCTを備えている。移動性臓器への対応については,北海道大学と共同開発した動体追跡システムが2014年より臨床適用されており,国内外の施設へ導入予定である。

今後は,粒子線治療システムの普及に向け,陽子線治療システムの小型化,特に,治療室1室タイプの小型化に注力しつつ,重粒子線やハイブリッドシステムも拡販を続ける。また,粒子線治療のみならず,放射線治療,がん治療含めた広い範囲でソリューションを提供し,より粒子線治療システムを導入・運用しやすくすることを日立の先進的なデジタル技術を活用し,推進していきたい。

 

【問い合わせ先】
粒子線治療営業部
http://www.hitachi.co.jp/healthcare

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