技術解説(日立製作所)

2020年6月号

US Today 2020 超音波検査・診断最前線

「ARIETTA 850」における“RTE”の新たなアプローチと「ARIETTA 65LE」への展開

脇  康治/長谷川遼太[(株)日立製作所ヘルスケアビジネスユニット超音波診断事業部]

当社のプレミアムクラス超音波診断装置「ARIETTA 850」は,最新技術による高画質化(Pure Image),検査者の負担軽減をめざしたワークフロー改善(Seamless Workflow),特徴的なアプリケーション(Your Application)を製品コンセプトとして,シリーズ展開している(図1)。CMUTを搭載したリニアプローブ「SML44」,フォーカス依存が少なく,高分解能画質を構築する“eFocusing”,ノイズレスでクリアな組織構造を描出する“Carving Imaging”など,独自の技術を搭載することにより,高空間分解能,高コントラスト,高ペネトレーションを兼ね備えた画質を提供している。
また,アプリケーションに関しては,当社がstrain elastographyとして初めて製品化した“Real-time Tissue Elastography(以下,RTE)”や血流の低流速高分解能表示“Detective Flow Imaging(DFI)”の追加により,検診から診断まで幅広く活用可能な装置となっている。
近年,プレミアムクラスで培った技術をより多くの検査者に活用いただくため,ARIETTA 850における「画像性能」「ワークフロー」「アプリケーション」を踏襲した汎用機として超音波診断装置 「ARIETTA 65LE」を製品化し,効率性の高い検査を提供可能となっている(図2)。
本稿では,ARIETTA 850とARIETTA 65のシリーズにおいて,乳腺検査の効率性向上の一つとして開発したRTEの新機能“HI Strain”に関して紹介する。

図1 ARIETTA 850

図1 ARIETTA 850

図2 ARIETTA 65LE

図2 ARIETTA 65LE

 

●RTEの新機能:HI Strain

RTEは,継続した技術改善により,現在ではno manual compressionでの画像描出など,手技依存性が少なく撮像可能になっており,広く活用いただいている。しかしながら,no manual compressionは手技依存性が少ない反面,検査者が自発的に加圧を行わないため,プローブの垂直方向に向かう変位の取得がランダムになり,質の高い歪みフレームを連続的に得ることが難しい。結果として,RTE画像がフラッシュ状に表示(フレームリジェクション処理)される傾向にあった。これは,従来の2フレーム間のみの変位から歪み画像を構築するアルゴリズムでは,組織変位を適切に拾い上げることに限界があったからである。
今回,開発したHI Strain機能は,現在のフレームを起点とした複数フレームの相関演算から複数の変位フレームを同時算出し,その中から演算タイミングが適切なフレームを抽出し,歪み画像を構築するアルゴリズムである。このアルゴリズムを適用することにより,no manual compressionであってもリジェクトされるフレームが大きく減少し,従来の空間・時間分解能を維持したまま連続性高く表示することが可能となった(図3)。この機能はRTE画像取得の再現性を向上するため,RTEをこれから始める検査者であっても容易にRTEの使用が可能になったと考える。

図3 HI Strainのアルゴリズムと効果

図3 HI Strainのアルゴリズムと効果

 

当社のARIETTAシリーズは,最新の高画質化技術やアプリケーションを展開し,「形態/性状情報」「血流情報」「硬さ情報」から組織構造や病態イメージを簡便かつ的確に表現するアプローチを続け,検査スピードの向上と検査者負担の軽減に貢献していく。

*‌ALOKA,ARIETTA,Real-time Tissue Elastographyは株式会社日立製作所の登録商標です。
*ARIETTA 65は,ARIETTA 65LEと呼称する。

販売名:超音波診断装置 ALOKA ARIETTA 850
医療機器認証番号:第228ABBZX00147000号
販売名:超音波診断装置 ARIETTA 65
医療機器認証番号:第230ABBZX00050000号
販売名:CMUTリニア SML44 プローブ
医療機器認証番号:第228ABBZX00154000号

 

●問い合わせ先
ヘルスケアビジネスユニット
http://www.hitachi.co.jp/healthcare

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