介護システム編

◆連載◆ 教えて! ICT&ロボットのギモン <第26回> 
【介護システム編(9)】  

Q 科学的介護推進体制加算とはなんですか?

2021-4-15

介護システム編


Q 科学的介護推進体制加算とはなんですか?

回答者・社会福祉法人善光会サンタフェ総合研究所

A 令和3年度介護報酬改定で新設された、「科学的介護情報システム(LIFE)」を用いた厚生労働省への情報提供・フィードバックの活用によって取得できる介護報酬加算のことです。

令和3年度介護報酬改定で「科学的介護情報システム(LIFE)」が新設
●LIFEの利用には介護記録システムの活用が重要に
●自治体の補助金の活用も検討しよう!

詳しく解説!

●令和3年度介護報酬改定で「科学的介護情報システム(LIFE)」が新設

今年(2021年)4月に、令和3年度介護報酬改定となりました。今回の介護報酬改定では、介護サービスの質の評価と科学的介護の取り組みの推進の一環として、「科学的介護情報システム〔LIFE(Long-term care Information For Evidence:ライフ)〕」を通して厚生労働省に情報を提供し、そのフィードバックを活用することによって得られる「科学的介護推進体制加算」が新設されました(2021年1月18日。第199回社会保障審議会介護給付費分科会https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000727135.pdf

LIFEとは、令和3年度4月1日より運営されるデータベースシステムのことです。これまで運用されてきた通所・訪問リハビリテーションデータ収集システム「VISIT(monitoring & eValuation for rehabIlitation ServIces for long-Term care:ビジット)」と、高齢者の状態やケアの内容などのデータ収集システム「CHASE(Care、 HeAlth Status & Events:チェース)」を統合し、一体的な運用を図ることを目的としています。

本シリーズでは、第20回 介護システム編(7)第23回 介護システム編(8) で、国により、データを活用しエビデンスに基づいた介護を実践する「科学的介護」の推進が掲げられていることに触れましたが、この4月より、LIFEに情報を提供し、科学的介護に取り組むことで、介護報酬に一定のインセンティブが得られることになりました。さらに、個別機能訓練加算(Ⅱ)や褥瘡マネジメント加算、排泄支援加算などの算定においてもLIFEの活用などが要件になることが公表されており、まさに、科学的介護に基づいて介護の質を向上させていくことが、本格的に求められることになりました。

●LIFEの利用には介護記録システムの活用が重要に

なお、科学的介護推進体制加算の算定のためにLIFEへ提出する情報は、利用者の属性情報〔日常生活動作(Activities of Daily Living:ADL)、年齢、既往歴など〕、服薬、口腔・栄養、認知症に関する情報など、多岐にわたります。利用者ごとの詳細なデータの提供が必要になるため、利用者基本情報のデータベースへの入力や、介護記録システムの活用がよりいっそう求められていくことになります。これらの情報は,LIFEのWebサイトに直接入力することも可能ですが、業務効率を考慮すると、通常利用している介護記録システムからCSV形式で自動的に書き出したデータを、LIFEへアップロードする方法が望ましいでしょう。なお、LIFEを利用するためには、事前に利用申請手続きが必要です。手続き後、厚生労働省から送付されたはがきに記載されているID・パスワードを入力することで、システムの利用が開始できます。はがきが送付されるまでにはある程度の日数がかかるため、注意が必要です。

●自治体の補助金の活用も検討しよう!

これからLIFEに対応した介護記録システムの導入を検討されている事業者の皆さんにとっては、補助金の活用も一つの手段になるでしょう。各自治体では、ICT導入支援事業など、介護用のソフトウエアや端末、Wi-Fi整備などに使用できる補助事業が実施されています。自治体ごとに補助内容は異なりますので、申請条件や期限などを確認した上で、活用してみてはいかがでしょうか。

 

*今回教えてくれたのは*
社会福祉法人善光会サンタフェ総合研究所
社会福祉法人善光会は、「オペレーションの模範となる」「業界の行く末を担う先導者となる」という理念を掲げ、東京都内で6か所の福祉施設を経営。特に、介護ロボットなどを活用した生産性向上に積極的に取り組み、2017年には社会福祉法人として初めてシンクタンク機能を持った総合研究所を設立し、サンタフェ総合研究所と名付けた。介護業界の人材不足や生産性向上に対する先進的な取り組みを内外へ向けて発信しており、高齢化社会に対する解決策を示す姿勢は、日本国内だけでなく国外からも多くの注目を集めている。

*「教えて! ICT&ロボットのギモン」とは?*
介護でのICTやロボットの活用について、「興味はあるけどよくわからない」というギモンから、「ぜひ使いたい! どうすればいいの?」というギモンまで、現場のみなさんが抱く“素朴なギモン”に、専門家がわかりやすく答えます。
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