介護ロボット編

◆連載◆ 教えて! ICT&ロボットのギモン <第7回> 
【介護ロボット編(3)】  

Q 介護ロボットに興味があります。導入に向けて、どのように考えればよいですか?

2019-9-4


Q 介護ロボットに興味があります。導入に向けて、どのように考えればよいですか?

回答者・社会福祉法人善光会サンタフェ総合研究所 

A 介護ロボットは道具の一つです。まずは、道具を使う「目的」を明確にしましょう。

●介護ロボットは現場の課題を解決するためにある
●導入の目的を明確にして、最大限の効果を得よう!
●導入自体を目的にしない。まずは「何のために?」と考えよう

詳しく解説!

●介護ロボットは現場の課題を解決するためにある

「いよいよ、うちの施設でも介護ロボット機器を導入することになったんです。まずは、何から使えばよいでしょうか?」
このように、介護ロボットを入れるということを先に決めてから、相談を受けるケースは多いです。しかし、介護ロボットは道具の一つです。介護ロボットを導入するに当たって最も大切なことは、「何をするために導入するのか」ということです。その意味で、介護ロボットはほかの福祉用具と同様に、道具の一つにすぎません。うまく道具を使いこなすことができれば、効果は最大限に発揮されます。そのためには、介護現場の課題を考え、その課題を解決するために何がふさわしいのかを考えましょう。

●導入の目的を明確にして、最大限の効果を得よう!

例えば、職員の負担軽減を図りたいのであれば、睡眠の状態を可視化することができる見守りセンサーは有効です。「眠りSCAN」(パラマウントベッド)のリアルタイムモニターでは、睡眠状態が一覧表示されている画面を確認するだけで、各居室の入居者の状態をすぐに確認できます。つまり、熟睡されている入居者のお部屋にわざわざ行く必要はなくなるので、職員の夜間巡回時の負担軽減が大きく期待できます。
しかし、見守りセンサーを導入していても、その目的が不明確な場合は、未導入時とまったく同じオペレーションを行っているケースもあります。「状態はわかっていますが、定時巡回の際は各居室を必ず見て回ることになっているので、一部屋ずつ確認しています。」これでは、何のために導入したのかがわかりません。だからこそ、目的を明確にした上で、その目的を達成するため、道具の効果を最大限に得られるように、「オペレーションも併せて変更する」など、導入以外の事柄についても検討すべき点はないかどうかを意識してみましょう。

●導入自体を目的にしない。まずは「何のために?」と考えよう

介護現場は人材不足で、その状況は今後ますます加速することが予測されています。そんな中、介護ロボットには大きな期待がかかっています。「人手が不足する分を、きっとロボットが補ってくれるだろう」、そんな期待が先行しがちですし、行政や関連団体も介護ロボットの普及には積極的で、補助金などの種類も少なくありません。そのような状況を背景に、介護ロボットを導入すること自体が目的となってしまうケースが後を絶ちません。しかしながら、介護ロボットは道具の一つです。まずは、導入する前に、介護現場の課題を明確にし、何のために導入したいのかをよく考えてみてはいかがでしょうか。

「眠りSCAN」(パラマウントベッド)のセンサーとリアルタイムモニター

「眠りSCAN」(パラマウントベッド)のセンサーとリアルタイムモニター

 

*今回教えてくれたのは*
社会福祉法人善光会サンタフェ総合研究所
社会福祉法人善光会は、「オペレーションの模範となる」「業界の行く末を担う先導者となる」という理念を掲げ、東京都内で6か所の福祉施設を経営。特に、介護ロボットなどを活用した生産性向上に積極的に取り組み、2017年には社会福祉法人として初めてシンクタンク機能を持った総合研究所を設立し、サンタフェ総合研究所と名付けた。介護業界の人材不足や生産性向上に対する先進的な取り組みを内外へ向けて発信しており、高齢化社会に対する解決策を示す姿勢は、日本国内だけでなく国外からも多くの注目を集めている。

*「教えて! ICT&ロボットのギモン」とは?*
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