介護ロボット編

◆連載◆ 教えて! ICT&ロボットのギモン <第13回> 
【介護ロボット編(5)】  

Q 介護ロボットを導入する際の失敗事例を教えてください。

2020-1-15


Q 介護ロボットを導入する際の失敗事例を教えてください。

回答者・社会福祉法人善光会サンタフェ総合研究所

A 介護ロボットを導入したら、逆に手間が増えてしまったことがあります。

●介護ロボットを導入したのに、楽にならない!?
●機器の性能は日々進化している!
●PCも同じ!? 使い続けることで良さに気づける!?

詳しく解説!

●介護ロボットを導入したのに、楽にならない!?

介護ロボットをご紹介すると、「人がやった方が速いのでは?」「逆に手間が増えるのでは?」という質問をいただくことがよくあります。「介護ロボットを導入するのだから、楽になるはずだ!」と思って導入したのに、逆に手間や時間がかかるようでは意味がないと感じるのは理解できます。確かにマットセンサーなどは、コールが鳴るたびに見に行く必要がありますが、1回の夜勤で200回以上コールが鳴ってしまい、逆に手間が増えたという事例があります。また、一般社団法人日本ノーリフト協会が普及を進めているノーリフト活動などでよく使用される移乗支援機器についても、「人がやった方が速いので、結局使っていません」という話がよく聞かれます。

●機器の性能は日々進化している!

しかし、そのような話を聞いただけで、「やっぱり介護ロボットは使えない」と考えてしまうのは、もったいないと思います。次の2点から、もう一度介護ロボットを検討してみてはどうでしょうか。

まず1点目は、機器の性能は日々進化しているということです。
例えば、前述のマットセンサーは、徘徊の防止が目的であれば、居室内の映像を確認することができるような介護ロボットが数多く発売されています。映像の種類(静止画、動画、シルエット)や見守りの範囲(ベッド上のみ、居室内全体)、通信環境の要否(Wi-Fiが必要、単独で通信可能など)、設置工事の要否などについてさまざまなタイプがあり、目的と施設環境に合わせた機器を選ぶことができます。現在も機器の改良が重ねられていますから、来年にはもっと良い機器が発売されているかもしれません。

●PCも同じ!? 使い続けることで良さに気づける!?

そして2点目は、導入当初は作業効率が落ちるものだということです。
これまで使っていなかったものを導入した際は、使い方がわからないことなどから作業効率はどうしても落ちてしまいます。しかし、そうなった時にすぐに使用をやめてしまうと、いつまでたっても使いこなせるようにはなりません。

事務職にPCが導入される前は、手書きですべての業務が行われていました。そんな中、PCが導入された当初は、おそらく手書きでやった方が速く、PC導入に対する反対意見が多くあったのではないかと思います。しかし現在では、ほとんどの作業はPCで行った方が速いと思います。実際にみんなで使ってみて「良いものだ」と気づくと、それがない生活には戻れないですよね。同様に、介護ロボットもみんなで使ってみることで、良さに気づくことができれば、より使いこなすことができるのではないでしょうか。

 

*今回教えてくれたのは*
社会福祉法人善光会サンタフェ総合研究所
社会福祉法人善光会は、「オペレーションの模範となる」「業界の行く末を担う先導者となる」という理念を掲げ、東京都内で6か所の福祉施設を経営。特に、介護ロボットなどを活用した生産性向上に積極的に取り組み、2017年には社会福祉法人として初めてシンクタンク機能を持った総合研究所を設立し、サンタフェ総合研究所と名付けた。介護業界の人材不足や生産性向上に対する先進的な取り組みを内外へ向けて発信しており、高齢化社会に対する解決策を示す姿勢は、日本国内だけでなく国外からも多くの注目を集めている。

*「教えて! ICT&ロボットのギモン」とは?*
介護でのICTやロボットの活用について、「興味はあるけどよくわからない」というギモンから、「ぜひ使いたい! どうすればいいの?」というギモンまで、現場のみなさんが抱く“素朴なギモン”に、専門家がわかりやすく答えます。
介護ロボット・システム、訪問看護システムへのご質問も募集中!
こちらのメールアドレスまでお送りください。
edit-carevision@innervision.co.jp


TOP