介護ロボット編

◆連載◆ 教えて! ICT&ロボットのギモン <第16回> 
【介護ロボット編(6)】  

Q これからの介護ロボットの展望を教えてください。

2020-5-14


Q これからの介護ロボットの展望を教えてください。

回答者・社会福祉法人善光会サンタフェ総合研究所

A 進化を遂げることで、介護士にとって、いなくてはならないパートナーになっていくのではないでしょうか。

●介護ロボットは身体的な介助ができない?
●これからは「認識」や「判断」ができるロボットへと進化!?
●いずれは自動歯磨きなど、身体的介助ロボットも実現!?

詳しく解説!

●介護ロボットは身体的な介助ができない?

「ロボット」と言われると、人型のものを想像される方が多いのではないでしょうか。しかし、現在販売されている介護ロボットの多くは、単独の業務を補佐する役目しかなく、身体的な介助を行ってくれるものはありません。

これは、今後も大きく変化することはないと考えられています。その証拠に、人工知能(AI)が開発され、多くの仕事が代替されると予想される中で、AIに代替されにくい職種として介護士が挙げられています。これは、AIによって「認識」や「判断」などの部分は再現できても、AIは体を持っていないため、身体的な業務はできないことが主な理由です。もちろん体を持つロボットも開発されていますが、実用化には至っていません。

●これからは「認識」や「判断」ができるロボットへと進化!?

それでは、これから介護ロボットがどのように進化するのかというと、まさに、認識や判断が高度化していくことによって、介護士の業務をサポートしてくれて,いなくてはならない存在になっていくのではないかと思います。

例えば、リビングに被介護者の方がいる状態で、介護士が居室に介護に入ってしまうと、リビングの様子を確認することはできません。そのため、リビングから介護士が離れている場面で、転倒や転落の発生を防ぐことはかなり難しいと思います。

しかし、画像認識が可能な介護ロボットが開発され、リビングで見守りが必要な被介護者が立ち上がったことを検知し、介護士に教えてくれるようになれば、事故が起こる前に対応することができます。

ここで、進化のポイントとなるのは、「リビングで『見守りが必要な』被介護者が」という点です。これまでの介護ロボットでも、「立ち上がったら知らせる」という機能を持つものはありました。しかし、(1)複数人の中で、立ち上がった人を認識する、(2)その人が、見守りが必要な人かどうか判断する、という「認識」と「判断」をロボットが行うことができれば、介護業務のサポートにつながっていきます。

このように、今後の介護ロボットの進化は、まずは認識と判断ができることをメインに進んでいくものと考えられます。

●いずれは自動歯磨きなど、身体的介助ロボットも実現!?

「介護ロボットは、まだ身体的な介助ができないのか」とがっかりされた方のために、身体的な介護に関するトピックスを一つご紹介します。(株)Genicsは、次世代型全自動歯ブラシを開発しています(https://genics.jp/product/ )。これは、ブラシをくわえるだけで、自動で歯磨きを行うもので、歯磨きを手助けしてくれます。まだ介護士の支援を目的としたものですが、いずれは自動で歯磨きをしてくれるロボットが開発されるかもしれませんね。このような進化によって,介護士にとっていなくてはならないパートナーになるでしょう。

 

*今回教えてくれたのは*
社会福祉法人善光会サンタフェ総合研究所
社会福祉法人善光会は、「オペレーションの模範となる」「業界の行く末を担う先導者となる」という理念を掲げ、東京都内で6か所の福祉施設を経営。特に、介護ロボットなどを活用した生産性向上に積極的に取り組み、2017年には社会福祉法人として初めてシンクタンク機能を持った総合研究所を設立し、サンタフェ総合研究所と名付けた。介護業界の人材不足や生産性向上に対する先進的な取り組みを内外へ向けて発信しており、高齢化社会に対する解決策を示す姿勢は、日本国内だけでなく国外からも多くの注目を集めている。

*「教えて! ICT&ロボットのギモン」とは?*
介護でのICTやロボットの活用について、「興味はあるけどよくわからない」というギモンから、「ぜひ使いたい! どうすればいいの?」というギモンまで、現場のみなさんが抱く“素朴なギモン”に、専門家がわかりやすく答えます。
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