◆連載◆ 教えて! ICT&ロボットのギモン <第1回> 
【介護ロボット編(1)】 回答者・社会福祉法人善光会サンタフェ総合研究所 

Q 介護ロボットってなんですか?

2019-7-17


介護ロボット編

Q 介護ロボットってなんですか?

A ロボット技術を活用した介護機器です。

●ロボット技術で利用者の自立支援と介護者の負担を軽減
●すでに導入されている介護ロボットも!
●普及はまだまだこれから。国を挙げて新しいロボットを開発中

詳しく解説!

●ロボット技術で利用者の自立支援と介護者の負担を軽減

最近、「介護ロボット」という言葉をよく耳にしますが、実は法的な定義は決まっていません。厚生労働省のホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000209634.html )では、「ロボットの定義とは、以下の3つの要素技術を有する、知能化した機械システム。(1)情報を感知(センサー系)、(2)判断し(知能・制御系)、(3)動作する(駆動系) このうちロボット技術が応用され利用者の自立支援や介護者の負担の軽減に役立つ介護機器を介護ロボットと呼んでいます。」と書かれています。今回は、この内容をもう少しわかりやすくしてみましょう。

介護ロボットと呼ぶには、ロボット技術が応用されていることと、利用者の自立支援や介護者の負担軽減に役立つ介護機器という2つの要件を満たしている必要があります。まずは、ロボット技術についてです。

●すでに導入されている介護ロボットも!

厚生労働省の定義では、ロボットの定義は3つの要素技術が必要となっていますね。例えば、施設にある自動ドアを思い浮かべてください。自動ドアの基本的な機能は、人が近づいてきたことを検知して、ドアを開けることです。3つの要素に当てはめてみると、人が近づいてきたことを検知することは(1)のセンサー系に当たります。もう一つのドアを開けることは、(3)の駆動系に当たります。しかし、(2)の知能・制御系に当たる機能がありませんね。このことから、自動ドアは「ロボットではない」とされます。

続いて、「利用者の自立支援や介護者の負担の軽減に役立つ」ことについて見てみましょう。例えば、車いすであれば、車いすを使うことで、歩行が困難な方であっても交流の幅が広がることによって自立支援に役立つと言えます。また、介護者が利用者をスムーズに移動させることができ、介護者の負担の軽減に役立つと考えられます。これらのことから、車いすは「利用者の自立支援や介護者の負担軽減に役立つ」と言えそうですね。つまり、ロボット技術が応用された車いすがあれば、「介護ロボット」と呼べるということです。周りを見てみると、すでに介護ロボットが導入されているかもしれませんね。

●普及はまだまだこれから。国を挙げて新しいロボットを開発中

しかし、そうは言っても、まだまだ介護ロボットは多くありません。そこで、厚生労働省と経済産業省が共同で、ロボット技術の介護利用における重点分野を設定しています。特に必要と見込まれる分野について、開発支援などを行うことによって、介護ロボットを積極的に生み出そうとしています。具体的には、移乗支援、移動支援、排泄支援、見守り・コミュニケーション、入浴支援、介護業務支援という6分野で13項目が設定されています()。国を挙げて、介護ロボットの開発を進めているのですね。

図 ロボット技術の介護利用における重点領域 2012年に策定され、2017年10月に改訂(追加)されました

図 ロボット技術の介護利用における重点領域
2012年に策定され、2017年10月に改訂(追加)されました
出典 厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000209634.html

 

リハビリをサポートするロボットも!

リハビリをサポートするロボットも!

 

 

*今回教えてくれたのは*
社会福祉法人善光会サンタフェ総合研究所
社会福祉法人善光会は、「オペレーションの模範となる」「業界の行く末を担う先導者となる」という理念を掲げ、東京都内で6か所の福祉施設を経営。特に、介護ロボットなどを活用した生産性向上に積極的に取り組み、2017年には社会福祉法人として初めてシンクタンク機能を持った総合研究所を設立し、サンタフェ総合研究所と名付けた。介護業界の人材不足や生産性向上に対する先進的な取り組みを内外へ向けて発信しており、高齢化社会に対する解決策を示す姿勢は、日本国内だけでなく国外からも多くの注目を集めている。

*「教えて! ICT&ロボットのギモン」とは?*
介護でのICTやロボットの活用について、「興味はあるけどよくわからない」というギモンから、「ぜひ使いたい! どうすればいいの?」というギモンまで、現場のみなさんが抱く“素朴なギモン”に、専門家がわかりやすく答えます。
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