「コニカミノルタグループ AIの利活用に関する基本方針」を策定

2021-6-11

AI

コニカミノルタ


コニカミノルタ(株)は,よりよい社会を実現するAI(人工知能)の利活用を目指して,「コニカミノルタグループ AIの利活用に関する基本方針」を策定した。

コニカミノルタは,「Imaging to the People」を経営ビジョンに掲げ,「人間中心の生きがい追求」と「持続的な社会の実現」を目指している。その実現のために,製品・サービスや,研究開発,生産,販売といった事業活動において,AIの利活用を進めている。一方で,AIの誤った利活用はプライバシー侵害や人権侵害などを始め,様々な問題を生じる可能性がある。

そこで,コニカミノルタは,グローバルに事業を展開する企業として,人間中心のより良い社会を実現するAIの適正な利活用についてグループ共通の認識を持ち,一丸となってAIを積極的に利活用していくために,本方針を策定した。

<基本方針の項目>
・人々が生きがいを感じられる社会の実現
・安全/安心の確保
・公平性の尊重
・透明性の追求と説明責任
・ステークホルダーとの共創
・人財の育成

「コニカミノルタグループ AIの利活用に関する基本方針」掲載サイト:
https://www.konicaminolta.jp/about/csr/use-of-ai.html

【コニカミノルタのAI利活用】

1.光学デバイスや画像センシング技術にIoTやAIを組合せた「画像IoT」
コニカミノルタは情報機器や医療機器の画像処理で高速化を追求してきた経験と,メーカーの強みを生かして,エッジ側(組み込み機器やオンプレミスのサーバーなど)に,低消費電力で高速なAI機能を実装している。「人物行動」カテゴリーにおけるAI技術では,静止画像からの人検知や2D姿勢推定において,認識精度の高さと高速処理の両立を実現し,次のように活用している。

介護施設向けサービス「HitomeQ(ヒトメク)ケアサポート」
介護施設の入居者居室の天井に取り付けたセンサーで入居者の行動を分析し,起床,離床,転倒,転落などの行動を認識すると,介護スタッフのスマートフォンへ映像と共に通知する。     

ランニングフォーム改善支援システム「Runalytic(ラナリティック)」
リアルタイムに走行姿勢を推定しランニングフォームを解析することで,市民ランナーのフォームを可視化し,改善を支援する。

ショッパー行動解析サービス「Go Insight」
店舗の天井カメラ画像から,ショッパーの属性,商品接触,滞在などの棚前行動をデータ化し,データを分析することにより,消費者インサイトを推定します。
このようにコニカミノルタは,AIを利活用して多様な価値を創出し,人々が生きがいを感じられる社会づくりに貢献する。また,意図しないAIの作用により社会や人に悪影響を及ぼすことのないよう,安全性の確保を優先し,リスクに配慮した適用と運用に努める。

2.AIを利活用した研究開発・商品開発
コニカミノルタでは,従来は膨大な実験や試作を必要としていた素材や機能性化学物質の開発にも,データサイエンスを活用した効率化や高度化を目指している。高分子複合材料の開発では,必要最低限の実験データを取り,AIを用いてそのデータと化学物質の構造や機能を掛け合わせる「マテリアルズ・インフォマティクス」を積極的に採り入れ,開発期間が大幅に短縮できることを立証した。

また,様々なソリューションの開発において,画像認識にディープラーニングなどの機械学習を活用している。医師の診断をサポートするための,胸部X線画像から鎖骨と肋骨の像を減弱させるソリューション開発では,画像の中から肋骨と鎖骨を認識させるために,独自のデータベースから機械学習を行った。

AIを利活用した研究開発・商品開発

 

ディープラーニングなどの機械学習では,学習させる多くのサンプルデータが必要となる。コニカミノルタでは,それらのデータセットに対しても,個人情報の誤った利用や漏洩などが無いよう努める。また,データセットやそれを学習したAIがバイアスを持ちうることに留意し,社会に差別をもたらさないよう努める。

3.デジタル社員「イエヤス」と「リテラ」
コニカミノルタには,RPA(Robotic Process Automation)システムを使って自動化した業務をヒトに代わって実行する「デジタル社員」がいる。「RPA イエヤス」と名付けられたその社員は,ヒトの社員と同じように社員IDや各種システムIDを持っており,複数の職場を掛け持ちして自動化業務を行っている。また,Microsoft社のサービスを利用したチャットボット「リテラ」は,国内のコニカミノルタグループ従業員からのITサービスの問い合わせに,24時間365日いつでも対応している。さらに,生産現場で進められているデジタルマニュファクチャリングにおいても,データサイエンティストが現場に密着し,工程内でAIを利活用している。
コニカミノルタでは,全ての従業員にAIに係わる機会があると言える。そのため,AIを運用する人財の育成に加えて,本方針の背景にある課題や価値観を広く共有し,公正なAIの利活用を推進し,よりよい社会の実現に貢献できる人財の育成に努める。

コニカミノルタは経営ビジョンステートメント「Imaging to the People」のもと,AIを利活用したビジネス展開をリードするに相応しい企業としての倫理観を持った経営を行っていく。

 

●問い合わせ先
コニカミノルタ(株)
TEL 03-6250-2100
https://www.konicaminolta.com

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