ブレインスリープ × NTT東日本 × 太田睡眠科学センター,診断データとAIにより問診数を大幅に削減
~閉塞性睡眠時無呼吸診断の判定活用結果を日本睡眠学会にて発表~

2021-10-21

AI


(株)ブレインスリープ(以下「ブレインスリープ」)と東日本電信電話(株)(以下「NTT東日本」)ならびに,太田総合病院記念研究所 太田睡眠科学センター(以下「太田睡眠科学センター」)は,閉塞性睡眠時無呼吸症候群※1の診断の際に利用する問診の負担を軽減することを目的に,機械学習モデルの開発を進め,問診数の削減及び判定精度確保に成功した。

閉塞性睡眠時無呼吸症候群に関して,全国でも有数の症例数を誇る太田睡眠科学センターの保有する診断データを基に開発された機械学習モデルによる問診数削減は,他に類を見ない成果であり,今後,診断時の問診負担の最小化に向けた活用をめざしていく。

なお,これらの研究成果については,日本睡眠学会第46回定期学術集会(福岡で2021年9月開催)にて,「問診票と機械学習モデルによる閉塞性睡眠時無呼吸診断の検討(発表者:柳原 健一,千葉 伸太郎)」という題目で発表され,睡眠学会からも大きな期待を寄せられた。

※1 睡眠時無呼吸症候群とは,その名の通り,「睡眠」中に「無呼吸」状態が繰り返され,睡眠が妨げられる病気。英語名であるSleep Apnea Syndromeの頭文字をとって,「SAS(サス)」。最新の睡眠障害の国際分類では,正式な疾患名は閉塞性睡眠時無呼吸症(OSA)。

【研究経緯】

日本はOECD加盟国の中で睡眠時間が最も短いことが知られており,かつそれが年々短くなる傾向にある。
その中で,特に問題視されている睡眠障害である睡眠時無呼吸症候群に関しては,現状日本で治療を受けている患者数は40~50万人とも言われており,この数字は年々増加傾向にある。また,睡眠障害に伴う疾病リスクや労働生産性の低下が問われている中,睡眠障害の早期発見及び早期治療の重要性と睡眠障害診断の患者負担低減を行うことで,日本の睡眠における課題の解消に寄与できる取り組みと考え,最新テクノロジーである機械学習を用いた研究を実施した。

【研究方法と成果について】

本研究では,説明変数と目的変数を下記のとおり選定した。

◆説明変数※2(合計117項目)
(1)アンケート項目:111問
  - 独自問診表:79問
  - 日本語版エプワース睡眠尺度※3(JESS):8項目
  - ピッツバーグ睡眠質問票※4(PSQI):24項目

(2)終夜睡眠ポリグラフ検査※5(PSG検査)のうち簡易に計測可能な検査項目:6項目

◆目的変数※6

閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)の診断結果
診断結果として「重度なOSAであるか否か」を判定する機械学習モデルを作成,その判定結果を確認する方法で実施した。
被験者データとして,合計3,160名のデータをもとに,機械学習の実施ならびに判定結果の精度を判定し,5つの評価モデル(正解率,適合率,感度(再現率),F値(適合率と感度のバランス),AUC(学習性能))から高い精度の判定が確認できた。

※2 機械学習の学習において,目的変数に作用する変数
※3 日中の眠気を評価する問診項目
※4 自記式で睡眠の質について回答し,評価する質問票
※5 脳波や眼球運動など夜間の生体反応を測定する検査
※6 機械学習の学習において,求めたい変数

【各社の役割】

各社の役割

 

【今後の活用】

今後は,本研究によって開発されたアルゴリズムをより多くの人が使用できるよう,サービス展開を検討している。
本研究成果を世の中に実装し,睡眠障害の早期発見ならびに患者負担軽減に努めていく。

 

●問い合わせ先
(株)ブレインスリープ
https://brain-sleep.com/

NTT東日本
https://www.ntt-east.co.jp/

太田睡眠科学センター
https://www.ota-sleep.com/

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