ボストン・サイエンティフィック ジャパン,発作性心房細動治療における 「POLARx™ 冷凍アブレーションシステム」の段階的販売開始
ボストン・サイエンティフィックの革新的な新製品で,医療従事者へ新たな治療選択肢を提供

2021-10-28

ボストン・サイエンティフィック


ボストン・サイエンティフィック ジャパン(株)は,発作性心房細動の治療法の一つである冷凍焼灼術(冷凍アブレーション)で使用する「POLARx™ 冷凍アブレーションシステム」の薬事承認を2021年7月21日に取得,また,9月1日に保険収載され,段階的な販売を開始した。バルーン形状のカテーテル「POLARx™ 冷凍アブレーションカテーテル」を用いて肺静脈入口部を円周状に冷凍焼灼することで,心房細動を引き起こす肺静脈と心房との電気的なつながりを遮断する冷凍焼灼術の治療を行うことができる。

販売名:POLARx 冷凍アブレーションカテーテル 医療機器承認番号:30300BZX00198000 販売名:SMARTFREEZE クライオコンソール 医療機器承認番号:30300BZX00199000

 

心房細動には,発作性心房細動,持続性心房細動,長期持続性心房細動の3種類があり,今回販売開始された POLARxは発作性心房細動の治療に用いられる。発作性心房細動は,時折出現したり停止したりする心房細動のことで,約90%が肺静脈由来の異常な電気興奮によって引き起こされることが分かっており,その肺静脈入口部をバルーンで閉塞し,マイナス40℃からマイナス60℃程度で冷却して組織を冷凍壊死させることで,肺静脈と左心房の間に流れる不要な電気回路を遮断する。
特定の心筋部分を焼却する高周波アブレーション治療と比べて手技時間が短いため,冷凍アブレーションシステムによる治療は患者の身体的な負担を軽減することが期待される治療法と言える。亜酸化窒素ガスを用いた冷却により,肺静脈周囲の組織とバルーンが固着することでカテーテルの保持が安定されるため,術者の負担も軽減しうる治療法である。また,血栓形成リスクや合併症発生のリスクの軽減にもつながることが期待される。POLARxは冷凍アブレーション中にバルーン内圧を一定に保つよう制御されており,インフレーションからアブレーションまでバルーンのサイズが変わらないことで,冷凍中のバルーン位置のずれが生じにくくなることが期待される。

10月13日には榊原記念病院において日本初となるPOLARxを用いた手技が行われ,成功裏に終えることができた。この症例を担当した新田 順一氏は,「超高齢化を迎えた日本において,心房細動に苦しむ高齢者は年々増えており,カテーテルアブレーションによる治療件数の増加が見込まれます。より早く安全に治療することができるアブレーション焼灼治療の選択肢がさらに増えることで,患者さんの症状や病態に合ったより良い治療法を提供し,患者さんのQOL向上に貢献できるのではないかと期待しています。」と述べている。

また,同社代表取締役社長スティーブン・モース氏は,「当社は,今回日本で新たに販売した冷凍アブレーションシステムに先駆けて,カテーテル焼灼術に使用する高周波カテーテル電極,マッピングシステム,および心房細動に苦しむ患者さんを治療するための「WATCHMAN FLX™左心耳閉鎖システム」などを提供してまいりました。」と述べている。「また,最近ボストン・サイエンティフィックは,心房細動や他の不整脈を治療するための非熱焼灼システムである,Farapulseパルスフィールドアブレーションシステムを買収しました。この買収により,不整脈に苦しむ多くの患者さんの治療を今後支援することが可能になると考えております。これらの革新的な製品は,医療従事者が心房細動に苦しむ患者さんを治療するためのよりよい選択肢になると確信しています。」

ボストン・サイエンティフィック ジャパンでは,RHYTHMIA HDx™マッピングシステム,DIRECTSENSE™テクノロジーを備えたINTELLANAV STABLEPOINT™アブレーションカテーテルなど,心房細動の治療に使用される革新的な製品ラインナップを揃えてきた。今回冷凍アブレーションシステムの領域に踏み込むことで,心房細動治療分野におけるイノベーションをさらに加速させ,医療貢献に邁進していく。

 

●問い合わせ先
ボストン・サイエンティフィック ジャパン(株)
https://www.bostonscientific.jp

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