ITEM2017 横河医療ソリューションズ ブースレポート 
人やシステムをつなげ,新しい価値の創造を支援する放射線部門システムを展示


2017-4-27


横河医療ソリューションズブース

横河医療ソリューションズブース

横河医療ソリューションズは,「人がつながる 気づきが広がる 新たな価値の創造へ」をテーマとして,放射線部門の読影や検査業務を支援するPACS,RIS(診断,治療),レポートシステムなどの「ShadeQuestシリーズ」を展示した。同社では,ユーザーからの要望を基に既存製品の機能アップを進め,その成果をITEMなどの展示会で紹介して,その反応を再び製品にフィードバックするサイクルで製品開発を行っている。今回は,PACSと電子カルテ,診断と治療などのシステム間の連携を強化すると同時に,人をつなげる新しい機能として,「ShadeQuest/book」に搭載された“bチャット”を来場者に提案した。

●PACSと電子カルテ,診断と治療を連携する機能をさらに強化

横河医療ソリューションズは,2014年から富士通との共同開発を行い,昨年のITEM2016では両社の強みを生かし,電子カルテとの連携を強化したPACS(ShadeQuest/ViewR-DG),RIS(ShadeQuest/RIS),治療RIS(ShadeQuest/TheraRIS)などの新バージョンを紹介した。今年は,さらにシステム間の“連携”を強めた各種の機能を中心に紹介した。
診断のPACS,レポート(ShadeQuest/Report)では,ザイオソフト社の3D医用画像処理ワークステーション「Ziostation2」との連携を強化した。従来,PACSとは別サーバだったZiostation2のデータをPACS側のサーバで管理する。これによって従来のようにPACSからボタンや右クリックメニューでZiostation2が起動できることはもちろんだが,Ziostation2の起動やデータ作成,再構成画像のレポートへの貼り付けなどのスピードがさらに向上した。
また,同社の治療系システムとの連携では,治療計画システムの画像ビューワである「ShadeQuest/ViewRT」との連携を深め,読影中にワンボタンで該当患者の治療計画画像を参照できるようにした。そのほか,電子カルテシステムとの連携も深めており,電子カルテ側の検査情報や患者来院情報などをレポート側に取り込んで表示できるようになった。連携できる電子カルテシステムについても,富士通だけでなく各電子カルテベンダーとの開発を進めているとのことだ。
治療系のShadeQuest/TheraRISでは,診断レポートをワンボタンでWebで参照が可能になったほか,ShadeQuest/ViewRTの画像を登録できるようになった。また,ShadeQuest/ViewRTの画像がbookに貼り付けられるようになり,電子カルテ側で放射線治療の進捗状況を参照できるなど連携強化が進められている。

Ziostation2との連携を強化した「ShadeQuest/ViewR-DG」

Ziostation2との連携を強化した「ShadeQuest/ViewR-DG」

右クリックメニューでZiostation2のアプリケーションを直接起動できるほかスピードも向上

右クリックメニューでZiostation2のアプリケーションを直接起動できるほかスピードも向上

   
治療画像ビューワ「ShadeQuest/ViewRT」もワンボタンで連携

治療画像ビューワ「ShadeQuest/ViewRT」も
ワンボタンで連携

電子カルテなど他のシステムとの連携を強化

電子カルテなど他のシステムとの連携を強化

 

●教育や研究をサポートする画像タグ機能が強化された「ShadeQuest/Report」

ShadeQuest/Reportは,PACSとの密接な連携で所見作成をサポートするが,新機能として“画像タグ”機能を紹介した。1シリーズが何千枚となる最新CT,MRIでは,症例収集などのための画像検索には手間と時間がかかる。画像タグでは,レポートに貼り付けたキー画像に,入力中の所見からキーワードとなるテキストをハイライトして,ドラッグアンドドロップでタグ付けが可能になる。画像にはコメントの入力やフォローマークの追加,タグごとの画像一覧やタグ名による検索などが可能で,症例検討など研究や教育にも活用できる。

「ShadeQuest/Report」の画像タグ機能

「ShadeQuest/Report」の画像タグ機能

所見からキー画像にテキストをドラッグアンドドロップでタグ付け可能

所見からキー画像にテキストをドラッグアンドドロップでタグ付け可能

   
タグ付け画像にはコメントなどを入力でき研究や教育にも活用できる。

タグ付け画像にはコメントなどを入力でき研究や教育にも活用できる。

 

 

●“人がつながる”ための新しいツールとして“bチャット”を提案

ShadeQuest/bookは,放射線科医師や診療放射線技師が日常の診療の中で気になった画像やドキュメントを,簡単にクリップして保存できる放射線部門版Evernoteとして開発された。これまではレポートの拡張機能として提供されていたが,今回,単独のアプリケーションとなり,ビューワ,レポート,RISとのより密接な連携が可能になった。
そのShadeQuest/bookの新機能として紹介されたのが“bチャット”である。今回の展示のテーマでもある“人がつながる”ためのツールとして横河医療ソリューションズが提案するコミュニケーションツールで,お試し版として紹介しユーザーの反応を見てブラッシュアップを進めていくという。bチャットは,一般に広く使われているLINEのようなチャットアプリであり,会話形式のルックアンドフィールで簡単にコミュニケーションができる。画像ビューワから画像を貼り付けることができ,他の医師に相談するといった使い方ができる。着信があればポップアップで通知され,受け取った医師が画像をクリックすると該当画像がビューワで開く。それにキー画像を貼り付けて返事を返すといったコミュニケーションが簡単に行えるようになる。通信は1対1だけでなくグループでも可能で,スタッフ間の情報共有などにも有効に利用できる。

放射線科版Evernoteの「ShadeQuest/book」

放射線科版Evernoteの「ShadeQuest/book」

bチャットの通信画面

bチャットの通信画面

 

着信があるとポップアップで通知

着信があるとポップアップで通知

 

●お問い合わせ先
横河医療ソリューションズ株式会社
住所:〒167-0051 東京都杉並区荻窪4-30-16 藤澤ビルディング
TEL:03-6383-6273
URL:http://www.yokogawa.com/jp-mis/


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