ITEM2021 伊藤忠商事 取材速報 
MRIとリニアックが一体化しMR画像による治療計画,モニタリングが可能な「MRIdian Linac」を紹介


2021-4-18


伊藤忠商事ブース

伊藤忠商事ブース

伊藤忠商事は,米国ViewRay社のMRリニアックシステム「MRIdian Linac」をPRした。MRIdian(メリディアン)は,MRIとリニアックを組み合わせて画像誘導放射線治療(IGRT)を可能にする治療装置で,現在,世界41施設で稼働している。国内では国立がんセンター中央病院(照射装置がコバルト60)と江戸川病院の2施設で稼働中だ。江戸川病院では,2021年1月にコバルト60からリニアックにアップグレードして国内初のMRIdian Linacの稼働が始まった。

MRIdian Linacは,リニアック(直線加速器)部分をMRIのマグネット2つが挟み込むように設置されている。MRIは,超伝導で0.35Tという低磁場で治療の照射線への磁場の影響を抑え,照射中のリアルタイム撮像も可能になる。リニアックはフラットニング・フィルター・フリーの6MeVで,IMRT,SGRTなど通常行われる照射法が採用できる。

MRIdian Linacは,“SEE〜MRI-IGRT”“SHAPE〜On-line Adaptive RT”“STRIKE〜Real Time Gating”の3つのコンセプトで開発されている。MRI-IGRTのメリットはMR画像によって軟部組織の描出が上がり,より正確な照射が可能になることだ。また,On-line Adaptive RTでは,位置合わせのMR画像を利用して再計算を行い,当日の患者の状態に合わせた治療が可能になる。Real Time Gatingでは,治療中にMR画像によってリアルタイムに撮像を行い,腫瘍の状態を確認できるほか,照射野から腫瘍がはずれた場合には照射をストップする自動認識機能を搭載する。MRIベースでの画像の自動認識による治療ビームの制御を行う機能を搭載しているのはMRIdianだけだ。

治療対象は前立腺がん,肺がん,乳がんなど全身のがんに適応可能で,膵癌に対しての好成績の論文,前立腺がんに対して有害事象が障害が出てないという論文が発表され,世界各国での導入にはずみがついた。

ブースでは,製品のプレゼンテーションのほか,国立がん研究センター中央病院が監修したMRIdianによる治療のワークフローをビデオで紹介した。

MRリニアックシステム「MRIdian Linac」

MRリニアックシステム「MRIdian Linac」

 

2つのMRマグネットをリニアックを挟んで設置

2つのMRマグネットをリニアックを挟んで設置

 

MR画像を最大限に生かして治療計画,モニタリングを行う。

MR画像を最大限に生かして治療計画,モニタリングを行う。

 

国内1号機が稼働している国立がん研究センター中央病院監修のビデオでMRIdian Linacのワークフローを紹介

国内1号機が稼働している国立がん研究センター中央病院監修のビデオでMRIdian Linacのワークフローを紹介

 

●お問い合わせ先
社名:ViewRay, Inc.
住所:2 Thermo Fisher Way, Oakwood Village, OH 44146
URL:http://viewray-japan.com/contact/


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