RSNA2016 日立 - MRI 
新しい定量化技術QPM,QSMによりMRI検査・診断を強力にサポート

2016-11-30

富士フイルムヘルスケア

MRI


QPMで取得できる多彩なコントラスト画像(W.I.P.)

QPMで取得できる多彩なコントラスト画像(W.I.P.)

日立のMRIでは大きなトピックスとして,「QPM(Quantitative Parameter Mapping)」と「QSM(Quantitative Susceptibility Mapping)」(共にW.I.P.)が,映像とナレーションで最新の定量化技術を紹介するQuantitative Technology Theater(定量技術シアター)にて展示された。

このうちQPMは,多様なコントラスト画像の作成に必要なT1,T2*,B1といったパラメータを一度にまとめて取得することで,T1強調画像,T2強調画像,FLAIR,プロトン密度強調画像などを得ることができる技術。これまで,短時間で撮像できる定量化技術は2Dの画像のみであったが,今回,初めて3Dでの撮像を可能とした。撮像時に,FAやTR,TE,RFパルスの位相といったパラメータを変化させることで複数の信号を取得する。そして,独自のMRIシミュレータ技術を用いてパラメータフィッティングをピクセルごとに行うことでパラメータマップを得て,各種画像を作成する。従来,頭部の2Dルーチン検査の撮像には20分程度を要していたが,QPMでは5分程度の撮像で必要な信号をすべて取得できるため,検査効率を劇的に改善できると期待される。また,ルーチン画像だけでなく,B1マップやQSM,水画像,脂肪画像の取得も可能だ。

QSM(定量的磁化率マッピング)は,物質固有の磁化率を推定し,化学組成などを類推する技術である。例えばT2*強調画像では出血と石灰化の鑑別は困難だが,QSMでは異なる輝度で表示され鑑別が可能になる。また,高精細な画像も取得でき,脳静脈のMIP画像では脳表の血管まで明瞭に描出することができる。さらに,従来はPETでしか測定できなかった酸素摂取率(oxygen extraction fraction:OEF)を非侵襲的に測定する簡便な指標として利用できると期待されており,RSNA 2016日立ブース内のQuantitative Technology Theaterではもやもや病の臨床画像が例示された。

MRIのモックアップとしては,横幅74cmの楕円形ボアや“DKI” “Selective MRA”といったアプリケーションが特徴の「OVALシリーズ Type ORIGIN5」や,米国を主なターゲットとした超電導オープン1.2T MRI「OASIS」,そして,日本国内でも2016年9月に発売された0.4T MRI「APERTO Lucent O5」(日本国内での製品名は「APERTO Lucent type ORIGIN 5」)が展示された。APERTO Lucent O5は,超電導MRIに搭載されている頭部検査の位置決めを支援する“AutoPose”を移植したことが大きな特徴で,MRI操作に慣れていない操作者の負担を軽減できると多くのユーザーから好評を得ている。また,カラーデザインも一新し,特徴であるシングルピラーに銀色,ガントリの上下部にパールホワイトを採用し,ペイシェントフレンドリーかつスタイリッシュなシステムとなっている。海外では,北米以外の地域で展開している。

T2*強調画像で出血と石灰化の鑑別が可能になる「QSM(Quantitative Susceptibility Mapping)」(W.I.P.)

T2*強調画像で出血と石灰化の鑑別が可能になる「QSM(Quantitative Susceptibility Mapping)」(W.I.P.)

高画質化が可能なQSMでは脳表の静脈も明瞭に描出される。(W.I.P.)

高画質化が可能なQSMでは脳表の静脈も明瞭に描出される。(W.I.P.)

   
QSM(W.I.P.)は簡易的なOEFが計測に有望と考えられる。

QSM(W.I.P.)は簡易的なOEFが計測に有望と考えられる。

AutoPose が可能になった0.4T MRI「APERTO Lucent O5」

AutoPose が可能になった0.4T MRI
「APERTO Lucent O5」

   
モックアップを展示した超電導3T MRI「TRILLIUM OVAL」

モックアップを展示した超電導3T MRI
「TRILLIUM OVAL」

 

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