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RSNA2009

■HITACHI Medical Corp
“be [unlimited]”をテーマに,医療環境改善に貢献する最新技術を紹介

RSNA2009 [第2日目:11月30日(月)]

HITACHI Medical Corpは,“be [unlimited]”−あなたの医療環境改善の取り組みに,どこまでも貢献し続けます−をテーマに,特に“patient comfort”,“imaging excellence”,“clinical applications”の3つに焦点を絞って展示を行った。MRIや超音波診断装置,X線テレビに新しい技術が搭載されたほか,医療者の使いやすさや患者さんへのやさしさに配慮した,同社ならではの優れた製品デザインがアピールされた。

 
HITACHI Medical Corpブース
HITACHI Medical Corpブース
MRIコーナーでのデモンストレーションの様子
MRIコーナーでのデモンストレーションの様子

最も来場者の注目を集めたMRIコーナーには,1.5T MRI「ECHELON」1台と1.2T 高磁場オープンMRI「OASIS」2台の計3台が展示された。2008年に米国内,2009年に日本国内での販売が開始されたOASISは,超電導型オープンMRIとしては世界最高の静磁場強度を誇る。アプリケーションはECHELONと同じものをすべてカバーしているほか,垂直磁場方式を採用しており,米国ではオープンタイプの装置でありながら1.5T MRIに匹敵する優れた検査性能が高く評価されている。体格の大きな被検者から高齢者,小児まで,フリースタイルでの“磁遊撮像”が可能なため,米国では今後,“Bore-Less High Field MRI”として強力にアピールしていく方針だ。また,ECHELONは,ガントリ長160cmのショートボア,強力な傾斜磁場性能(33mT/m,150T/m/s),高機能撮像シーケンスに対応した基本性能,さまざまなアプリケーションによって,患者さんへのやさしい検査環境の提供と将来の高い拡張性,高画質画像の提供を実現してしており,世界ではすでに70台以上が出荷されている。

さらに,この高磁場MRIに,最新アプリケーションとして,非造影MRA専用シーケンスの“VASC-ASL”,ワンボタンでの解析が可能なクリニカルMRSである“CSI(Chemical Shift Imaging)”,3D TOFシーケンスの画質改良により,末梢血管などの描出能を大幅に改善した高精細頭部MRA“NewFITT”,微小出血描出能に優れた“VASC-EPI”の4つが搭載された。また,ブース内では,共同研究サイトである東京慈恵会医科大学附属柏病院,神戸大学医学部附属病院,岩手医科大学附属病院で現在開発中の新技術なども紹介され,今後の機能向上に強い期待感を抱かせる内容となった。

OASIS
OASIS

ECHELON
ECHELON

CTコーナーでは,今年の日本の国際医用画像総合展示(ITEM 2009)で発表された64列マルチスライスCT「SCENARIA」(シナリア)が展示された。SCENARIAとは,筋書きを意味する「SCENARIO」と自然の風景を意味する「SCENERY」を組み合わせた造語で,優れた検査能力と医療者および患者さんへのやさしさを両立した装置であることを示している。デザインは,ガントリのリング外側にグレーがかったセレーナホワイト,リング内側はつや感のあるセレーナホワイトライトを採用し,患者さんに明るい印象を与えるよう配慮されているほか,ガントリは開口径75cm,奥行き88cmと大開口径かつ薄型であるため開放感があり,検査に対する不安感の軽減に貢献している。さらに,寝台には47.5cmの幅広の天板を採用したほか,寝台のマットの両端には内側に折りたたまれたフラップがあり,必要に応じて引き出して患者さんの身体全体を包み込むことも可能である。このほか,ガントリ前面上部には多目的液晶モニタを搭載。10か国語に対応した検査の流れを説明するガイダンスや,かわいらしい動物のアニメーションなどが表示され,患者さんと操作者のコミュニケーションにも役立っている。

SCENARIA
SCENARIA

SCENARIAガントリ上部の多目的液晶モニタ
SCENARIAガントリ上部の多目的液晶モニタ

超音波診断装置は,探触子から装置のハードウエアやソフトウエアなどすべてを一新して高画質化を図った「HI VISION Preirus」を中心に展示された。高精度な超音波ビーム形成や高度な画像処理を可能とする最新のデジタル信号処理回路“Ultra BE(Ultra Broadband Engine)”,従来型の圧電セラミックスよりも高感度かつ広帯域な単結晶を採用した循環器用の探触子などによりさらなる高画質を実現したほか,検査姿勢に合わせて操作パネルとモニタの高さを1回の操作で同時に動かすことができるようになり,操作者が従来よりも楽な姿勢で検査を行うことが可能となった。このHI VISION Preirusの優れたデザインは,日本で「2009年グッドデザイン金賞」にも選ばれている。また,同社が世界ではじめて製品化した,組織の硬さの情報を映像化する機能である“Real-time Tissue Elastography”に,新たにストレイングラフ表示機能が搭載され,検査中の圧迫によるストレインの変化がリアルタイムに操作者にフィードバックできるようになった。

HI VISION Preirus
HI VISION Preirus

X線装置は,2008年のRSNAでも展示された,治療支援を含む多目的な検査に対応するX線テレビ「CUREVISTA」が今年も展示された。“最適な多目的検査環境の提供”,“安全な検査の実現”,“充実した治療支援機能の搭載”をコンセプトに開発されたCUREVISTAは,テーブルをシフトするオフセット機構と,長手移動および横移動が可能な2ウェイアームによって,テーブルの奥側のワークスペースを広げられることが大きな特長となっている。FPDを動かすだけで天板を動かさずに任意の視野が得られるため,内視鏡やカテーテルなどを体内に挿入した状態でも安全に検査が行えるほか,CUREVISTA用に開発されたFPD「VISTAパネル」によって,FPD上の1画素を1データとして,撮影画像と同様に透視画像を表示する詳細表示が可能になり,マイクロカテーテルやステントなどの視認性が向上した。

また新たに,3枚もしくは4枚の画像を1枚に合成し,かつ合成部分も含めてフィルムサイズへの切り出しも可能な長尺撮影機能“ハイパービュー”と,ERCP(内視鏡的逆行性膵胆管造影検査)時の内視鏡画像と透視画像が同時に1画面で表示して記録できる「ハイビジョン透視録画」機能が搭載された。CUREVISTAは米国内での販売は未定だが,アジア各国からの注目度が高く,市場の拡大を見据えての展示となった。

CUREVISTA
CUREVISTA

ハイパービューによる長尺撮影画像
ハイパービューによる長尺撮影画像

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