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RSNA2009

■Shimadzu Medical Systems USA(島津製作所)
回診用装置の充実化とsafireシリーズのアプリケーションを強化

RSNA2009 [第3日目:12月1日(火)]

島津製作所の今回の展示は,“The Power of Safire. Evolving the Science of Imaging”がテーマ。需要が伸びている回診用X線撮影装置を7台展示したほか,従来からある一般撮影,X線テレビ,血管撮影システムのsafireシリーズでは,アプリケーションの紹介を行った。同社は,直接変換方式FPDを自社で開発しており,そこにアプリケーションを加えることで,装置の性能を最大限に生かせる強味がある。RSNAでは,診断だけでなく,予防医療や治療など,幅広くカバーするアプリケーションをとりそろえた。
Shimadzu Medical Systems USAブース
Shimadzu Medical Systems USAブース

まず,回診用X線撮影装置では,アナログ型のMobileArt Evolutionとデジタル型のMobileDaRt Evolutionを展示した。MobileArt Evolutionには,最大出力が12.5kWと32kWの2機種があるが,32kWタイプは,FPDにアップグレードすることが可能だ。日本では人気アニメ「ポケットモンスター ダイヤモンド・パール」をデザインした製品があるが,今回のRSNAでは,小児向けに,ボディ全面に動物のイラストを施したモデルを展示していた。一方,MobileDaRt Evolutionは,日本国内でも11月に発表された2種類のFPDを搭載できるタイプが今回紹介された。FPDは,大視野サイズ(35cm×43cm)とコンパクトサイズ(23cm×28cm)がある。大視野FPDは軽量化が図られており,3.4kgとなっている。撮影後3秒で画像を表示するスループットの良さが特長で,撮影後に画像を確認してさらに取り直すような場合にも検査効率を改善できる。また,最高出力が32kWというハイパワーのため,撮影スピードも速く,動きが出やすい小児の撮影にも適している。

回診用X線撮影装置のニーズは非常に高く,救急や手術,災害医療のほかに,新型インフルエンザ流行時の検査にも有効だという。デジタル型は全世界で400台以上が出荷されている。

小児向けのイラストを施したMobileArt Evolution(海外向け)
小児向けのイラストを施した
MobileArt Evolution(海外向け)

2種類のFPDを搭載できるMobileDaRt Evolution
2種類のFPDを搭載できる
MobileDaRt Evolution

safireシリーズは,17インチの直接変換方式FPDを搭載したX線テレビシステムのSONIALVISION safire 17と血管撮影システムBRANSIST safire,一般撮影システムRADspeed safireを展示した。

SONIALVISION safire 17は,大型のFPDを搭載し,トモシンセシスや歪みのない長尺画像を撮影できるスロットラジオグラフィが可能である。トモシンセシスは,ブースの別のコーナーで,その最新技術が紹介されており,国立がんセンターと共同で研究を進めている肺がん検診への応用についても説明を行っていた。この研究では,胸部単純撮影よりも結節陰影の判別が容易であることが明らかになっており,CTよりも低被ばくで有効な検診ができる可能性がある。同社では,さらに共同開発を進めている胸部のCADについてもその成果を披露していた。また,トモシンセシスについては,より高分解能の画像が得られるための研究や4Dのトモシンセシスについても紹介をしていた。

BRANSIST safireでは,アプリケーションとして,3DロードマップとCTライクイメージングのデモンストレーションを行っていた。3Dロードマップは,先に3D画像によるマップを作成し,途中で観察する角度を変えても透視画像に3D画像が追従するというもの。Cアームの動きやFPDからX線管球までの距離,視野サイズに連動して画像が動くという。もう1つのCTライクイメージングは,17インチFPDでは初めてのもので,26cmのボリュームデータを撮影できるため,肝臓全体を1回でカバーする。撮影時間は10秒と20秒があり,Cアームの回転開始から60秒で画像を表示することが可能である。TAEなどの評価に有効だとしている。

SONIALVISION safire 17
SONIALVISION safire 17

BRANSIST safire
BRANSIST safire

RADspeed safire トモシンセシスでの肺がん検診のプレゼンテーション
RADspeed safire トモシンセシスでの肺がん検診のプレゼンテーション
   
3Dロードマップのデモンストレーション CTライクイメージングのデモンストレーション
3Dロードマップのデモンストレーション CTライクイメージングのデモンストレーション

このほか,同社では米国向けに販売している300kg程度の大きな被検者の検査にも対応できる寝台を持つX線テレビシステムのSONIALVISION DRやFLUOROSPEED DRを展示していた。

 
SONIALVISION DR FLUOROSPEED DR
SONIALVISION DR FLUOROSPEED DR

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