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RSNA2009

■Siemens Healthcare
まったく新しい画像診断ワークフローを実現する「syngo.via」を発表

RSNA2009 [第3日目:12月1日(火)]

Siemens Healthcareは今回,従来にない新しい発想から生まれた新製品としてwebベースの画像解析サーバ「syngo.via」(薬事申請中)を発表し,syngo.viaそのものをブース全体のコンセプトとして象徴的に掲げ,ブース展開を行った。syngo.viaの“via”とは英語で,「〜経由で,〜を通って」という意味を持つ。もともと同社は,syngoプラットフォームによって,すべてのモダリティの操作性を共通にしているが,さらにsyngo.viaによって,CTやMRIなどの大量に発生する画像データをより効率良く処理し,画像診断ワークフローを大幅に改善することをねらいとしている。各モダリティのコーナーでもsyngo.viaでワークフローがどのように改善されるかがアピールされ,ブース全体がsyngo.viaに集約された内容となった。

 
Siemens Healthcareブース ブース中央で展開されたsyngo.viaのイメージ映像
Siemens Healthcareブース ブース中央で展開されたsyngo.viaのイメージ映像

syngo.viaについて,同社では,3DワークステーションでもPACSでもない,“New Imaging Software”と位置づけている。“モダリティとの親和性”,“大量のボリュームデータを十分に生かしきるためのソリューション”,“わかりやすいサービス”の3つが大きな特長であり,既存のインフラを何も変えることなく,syngo.viaを追加するだけで,画像診断ワークフローの全体最適化および部分最適化を図ることが可能になる。

まず,大量のボリュームデータを十分に生かしきるためのソリューションという点だが,画像解析サーバであるsyngo.viaは,RISとのインテグレーションにより,その患者がどの領域のどのような目的の検査を行ったかを判断することができる。そのため,CTやMRIなどのモダリティからシンスライスデータが送信されると,診断に必要な画像解析が高速に行われ,例えば心臓CTであれば,ワンクリックするだけで,血管抽出,MPR,MIP,Curved MPR,Volume rendering(VR)などの診断に必要な画像がすべて自動で表示される。つまり,従来の“3Dを作る”という考え方とは概念をがらっと変え,2Dと同じように“3Dを表示する”時代への進化をめざしたものと言える。一方,画像解析のクオリティはワークステーションに匹敵するものであり,2D,3D,4Dの表示はもちろん,CTフュージョン,MRフュージョン,超音波のマルチフレーム画像に関するフュージョン,CADなどにも対応している。また,画像参照は,RIS端末,汎用PC,iPhoneなど,すべての端末をクライアントにして行うことが可能であり,放射線科だけでなく,診療科の医師の診断ワークフローを大幅に向上することができる。

2つ目は,モダリティとの親和性だが,例えばMRIなどのスキャンプロトコールの設定は,従来はコンソールからしか行うことができなかった。しかし,syngo.viaでは,“Direct Protocol Transfer”機能によって,すべてのクライアント端末からスキャンプロトコールが入力できるようになった。この機能は,特に経験が要求されるMRI検査でメリットが大きく,例えば夜間などにMRI専任の診療放射線技師が不在の際には,離れた場所にいる放射線科医などが,撮像方法をクライアント端末上で指定することができるのはもちろん,その情報をプロトコールの入力ページごとモダリティ側に送れるため,コンソールでのプロトコールの再入力の手間が省け,技師の技量によらない検査が可能となる。

3つ目のわかりやすいサービスだが,ITシステムは通常,導入するとランニングコストは右肩上がりとなり,保守契約をしても将来のコストの上昇が予想しづらいことが課題となっていた。しかしsyngo.viaでは,アップグレードやサーバの保守管理をリモートで行うことでコストを抑制し,5年契約である一定の範囲内での保守契約料の設定が可能となった。


(動画)

syngo.Viaによる心臓解析

syngo.Viaによる心臓解析

syngo.Viaによる心臓解析
上の3点はsyngo.Viaによる心臓解析

syngo.viaのCAD表示
syngo.viaのCAD表示

MRIは新製品として,使い勝手の良さと優れた検査スループットをコンセプトに開発された,1.5T MRI「MAGNETOM Aera」(マグネトムアエラ)と3T MRI「MAGNETOM Skyra」(マグネトムスカイラ)の2機種が発表された。いずれの装置もデザインが一新され,カラフルなイルミネーションを用いることで患者さんへのやさしさに配慮したほか,チャンネル数が従来のハイエンド装置の32チャンネルから,48,64,128チャンネルから選べるなど大幅に拡張しており,同社MRIで最もハイエンドな装置となる。どちらの装置も70cmのオープンボアを実現し(MAGNETOM SkyraのマグネットはMAGNETOM Verioと同じ),さらに「Tim 4G」と「Tim+Dot」という2つの新技術が搭載された。

Tim 4Gは,4代目のTimを意味しており,Flexibility,Accuracy,Speedの向上がキーワードとなっている。コイルエレメントが102個から204個と倍増し,Head and Neckコイルは20チャンネル,bodyコイルは18チャンネル,スパインコイルは32チャンネルが標準搭載となったことで,画質と撮像スピードが大幅に向上する。また,「Tim+Dot」のDotは,“Day optimizing throughput engine”の略であり,“Personalized”,“Guided”,“Automated”をキーワードに,従来のMRI検査の課題を解消することで,1日あたりの検査スループットの向上が可能となった。具体的には,患者さんの年齢や体格などに応じて異なる息止め時間やハートレートの設定をコンソールが自動で行うほか,コンソール上にガイドが表示されており,その手順に沿って設定を行っていくだけで,最適化された撮像を行うことが可能となる。これにより,MRI専任の技師が不要になるほか,ベテランの技師のプロトコールを事前に登録して検査を行うこともできるため,検査のクオリティを底上げして平均化することにも貢献する。中でも特に,検査に難しい技術が要求される心臓MRIへの貢献が期待されている。

このほか,寝台は取り外して容易に移動することが可能な“Dockable Table”が採用された。

1.5T MRI MAGNETOM Aera
1.5T MRI MAGNETOM Aera

3T MRI MAGNETOM Skyra
3T MRI MAGNETOM Skyra

CTは,1管球の128スライスCTと同じユニットが2基と100kWのX線発生器が2基搭載された,非常にハイパワーなデュアルソースCT「SOMATOM Definition Flash」が展示された。SOMATOM Definition Flashは,同社独自の技術であるフラッシュスパイラルによって,ガントリ回転スピード0.28秒,テーブルピッチは秒間46cmを実現し,また,1回の撮影あたりの被ばく線量を1mSv以下に抑えられることが大きな特長となっている。今回の展示では,この2つの特長が強くアピールされる内容となった。

撮影スピードの速さについては,寝台にデモンストレーション用のLEDが設置され,色の動きと変化によって,実際の各部位の検査における撮影スピードが実感できるよう工夫されていた。また,低被ばく撮影については,1900年代から行われてきた同社の研究成果がブース内に大きな年表で示されたほか,壁面には世界中のSOMATOM Definition Flashとオンラインで接続されたDose Counterが設置され,2000例以上の実臨床における撮影ごとの被ばく線量の平均値が刻々と表示され,来場者に実臨床でも1mSv以下での撮影が行われていることをアピールした。さらに,新しいアプリケーションとして,逐次近似法を用いた画像再構成法「IRIS(Iterative Reconstruction Image Space:アイリス)」が紹介された(日本では2010年初頭に投入予定)。従来と同じ線量であれば画質を大幅に向上し,従来と同じ画質であれば被ばく線量を最大60%低減することが可能となる。画質の向上という点では,例えば冠動脈では,石灰化の強い箇所でもブルーミングアーチファクトが抑制され,よりシャープな画像が得られほか,ステント内腔が明瞭に評価できるようになる。またIRISは,心臓検査はもちろん,パーフュージョンやデュアルエナジーなどにも適応することができるほか,同社の64列以上のCTに搭載することができる。

SOMATOM Definition Flash
SOMATOM Definition Flash

X-Rayは,臥位のワイヤレスFDと立位のディテクタを組み合わせた1管球2ディテクタシステムの一般撮影装置「Ysio」と,多軸血管撮影装置「Artis zeego」が展示された。

Ysioは,同社のバイプレーンのX線テレビ「AXIOM Luminos dRF」とのコラボレーション,X線テレビのセカンドプレーンオプションが可能となった。ワイヤレスFDを立位のスタンドに組み込んで,X線テレビ,管球と組み合わせ,1つの検査室内で一般撮影とX線テレビの両方が行えるようになることで,特に一般撮影装置が1〜2台しかないような中規模病院などで検査件数の向上が期待できる。また,多軸血管撮影装置「Artis zeego」は,高圧ケーブルが通っているホースの取り付け位置が従来と変更になり,アームに固定されたほか,ポジション間の動きをより無駄のないよう制御する“Path Planner”が搭載されたことで,よりスムーズなアーム操作が可能となった。さらに,検出器には新たに,非血管系IVR支援3Dアプリケーション“syngo iGuide”を支援するシステムであるレーザーマーカー“Integrated cross-hair light”が搭載されたほか,今後展開予定の新しい機能として,Dyna CTの画像を用いた腫瘍の栄養血管の塞栓術のサポート機能(日本国内薬事未承認)や,脳血流の定量評価を行う“Neuro PBV IR”(W.I.P.)などが紹介された。

Ysio
Ysio

YsioのワイヤレスFD
YsioのワイヤレスFD

Artis zeego Artis zeegoの検出器。右側の黒い四角のところからレーザーマーカーが照射される。
Artis zeego Artis zeegoの検出器。右側の黒い四角のところからレーザーマーカーが照射される。

ボリュームでの画像参照がテーマとなったSP(Special Product)コーナーでは,マンモグラフィ「MAMMOMAT Inspiration」,超音波診断装置「ACUSONS2000」と乳がん検診用超音波自動ボリュームスキャナ「ABVS」(Automated Breast Volume Scanner),外科用イメージ「ARCADIS Orbic」,モバイル一般撮影装置「MOBILETT XP Digital」などが展示された。なかでも日本で2009年10月に発表されたマンモグラフィでの三次元画像収集による断層撮影「トモシンセシス」と,新機能が搭載された「syngo MammoReport」が注目を集めた。トモシンセシスは,1mmスライス厚の画像を動画のように動かしながら観察できることで,二次元画像では病変を見つけることが困難な乳腺密度の高い患者においても腫瘤の辺縁が明確に診断できるようになると期待されている。また,Women’s Healthに特化した読影システムであるsyngo MammoReportでは,マンモグラフィ画像のほか,超音波とMRIの三次元画像表示が新たに可能となり,3種類の画像が1台のシステムで参照できることがアピールされた。


MAMMOMAT Inspiration 乳がん検診用超音波自動ボリュームスキャナ「ABVS」
乳がん検診用超音波自動ボリュームスキャナ「ABVS」
MAMMOMAT Inspiration

syngo MammoReport トモシンセシス画像
syngo MammoReport トモシンセシス画像

MIブースでは,PET・CT「Biograph mCT」とSPECT・CT「Symbia T」が展示された。

2008年のRSNAで発表されたBiograph mCTは,分子イメージングへのさらなる貢献を追究し,PETもCTも同社最高クラスのシステムを搭載している。Ultra HD PET技術によって短時間でより高画質なPET画像が得られるほか,開口径が78cmと大きく,患者さんへのアクセスが容易となっている。CTはSOMATOM Definition AS+が搭載され,40,64,128スライスから選択できる。さらに,新アプリケーションとして,心筋血流PETの定量解析を行うソフトウエアが搭載された。現在はアンモニアをベースとした解析のみとなっているが,今後はルビジウムなどにも対応していく予定である。出荷から1年で,すでに全世界で70台が販売されており,その性能は市場でも高く評価されている。 Symbia Tは,2,6,16列の診断用のCTが搭載されており,1台で病変の位置情報から確定診断までを行うことができる。新設計の天板により,たわみによる位置ずれが抑制され,SPECT画像とCT画像の精緻な重ねあわせが可能となったほか,70cmのオープンガントリによって被検者へのアクセス性が大幅に向上した。また,“IQ・SPECT”では,従来と同じコントラストを維持したまま,以前は約20分かかっていた心筋SPECT検査を約5分で行うことができる。

Biograph mCT
Biograph mCT

Symbia T
Symbia T

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