Spring of 2011—モダリティWeb展示会

根本杏林堂

安全な造影環境の提供やユーザービリティを求め,注入器の未来を切り開いています。

進化を続けるモダリティの性能を引き出すためにも,造影剤注入器の役割は重要になってきています。根本杏林堂では,安全な造影環境の提供とユーザビリティを求めて製品開発を進めています。今回は,CT用自動注入器「DUALSHOT GXV」,一筒式型自動注入器の新製品「Auto Enhance A800」,MRI用造影剤自動注入装置「SONICSHOT GX」,血管用造影剤自動注入器「PRESS DUO」を紹介します。

●CT用自動注入器DUALSHOT GXV
もっと使いやすく,より良い造影検査実現のために
図1 DUALSHOT GXV
図1 DUALSHOT GXV

DUALSHOT GXVでは造影検査の再現性,患者間の造影剤量の適正化,ユーザビリティを優先した造影剤自動注入器です(図1)。

多彩な注入プロトコール ,ユーザビリティの追求

DUALSHOT GXVの特徴として,体重を考慮した注入プロトコールが簡単に選択できます。検査ごとに決められた体重あたりのヨード量と,注入時間が決定していれば,体重と使用造影剤を選択するだけで,自動的に注入条件が設定されます。これによって列数や撮影時間に関係なく,さまざまな造影検査における再現性を得ることができます。また,ICタグ付き造影剤に関しても読み取りができる仕様となっており,造影剤種別,用量,造影剤濃度などをインジェクタで自動認識できるようになっています。これによりインジェクタにセットするだけで各製剤を認識し,注入条件設定にも反映することが可能となります。シリンジ着脱に関しても,シリンジサイズに関係なく簡便に着脱でき,効率良く検査できるよう設計を行っています。

●新製品Auto Enhance A800
コンソール一体型一筒式型自動注入器

一筒式型自動注入器も,新たに開発を行いました。新モデルでは電源供給用ボックスがなくなり,コンソールと一体型となっています(図2)。
これにより限られたスペースでも設置できます。プロトコールに関してもGXシリーズ同様に患者体型に応じた注入条件の設定が可能であり,ほかにも多彩なプロトコールも搭載しています。また,ICタグ付きヨード造影剤にも対応可能であり,DUALSHOT GXV同様に造影剤漏れ検知システムやヘッドディスプレイも接続可能となっています。 一筒式型自動注入器においても,安全に検査を行える検査環境を提供します。

図2 Auto Enhance A800
図2 Auto Enhance A800

●MRI用造影剤自動注入装置SONICSHOT GX
非磁性体構造の超音波モーターを採用

SONICSHOT GXは,駆動部に超音波モーターを採用しており,すべてのパーツが非磁性体の部品構成で,MRI室でも安全に使用していただける設計となっています(図3)。ユーザーインターフェイスはCT用インジェクタと同じ画面設計としています(図4)。また,容量の少ないガドリニウム(Gd)造影剤のtime intensity curveの一定化を図るため,生理食塩水との同時注入法も可能となっています。これにより造影剤のピークを逃すことなく検査を行うことができます。

図3 SONICSHOT GX
図3 SONICSHOT GX
図4 肝Dynamic同時注入画面
図4 肝Dynamic同時注入画面
●血管用造影剤自動注入器PRESS DUO
簡便に最適なヨード量の設定を可能とした血管撮影用デュアルインジェクタ

血管撮影装置は,FPDが標準装備され,高品質な画質,線量低減が可能となっています。また,さまざまな撮影法(CT-like image,3D-RA)が開発されており,撮影法に合った注入ヨード量の設定が必要となってきています。根本杏林堂では,さまざまなニーズに応えるべく,簡便に最適なヨード量の設定を可能とした血管撮影用デュアルインジェクタを開発しました(図5,図6)。
本装置の特長は次のとおりです。
(1)濃度の違う造影剤(2種類)シリンジを装着可能
(2)1台のコントロールボックスでさまざまな注入条件(濃度,圧力,混和比率)などが設定可能
(3)シリンジの付け替えがないため,衛生的である。
(4)生理食塩水での混合注入(造影剤),後押しが可能
(5)IVR-CTでも対応可能
消耗品に関しても,さまざまな希釈混合を可能とするDUALTUBE(スパイラルフロー)を用意しています。これにより注入器のスペックを最大限に利用することができます。

図5 PRESS DUO
図5 PRESS DUO
図6 PRESS DUOの注入画面
図6 PRESS DUOの注入画面
●安全な造影環境の提供

CT撮影は年々検査件数が増加しており,造影検査数も10年前と比較しても約2倍となっています。それに伴い,根本杏林堂でも安全に薬液注入を行えるよう造影剤漏れ検知システムをご用意しています。本システムは赤外線を使用することで造影漏れを感知することができます。センサーヘッド部はコンパクトな設計で,セッティング等も簡単にすることができ,造影検査の妨げにならないような仕様となっています。
また,造影検査情報を管理するCE-エビデンスシステムでは,造影情報のPACSへの展開やRISとの通信により,患者情報をインジェクタに展開することが可能となり,ICタグ付き造影剤の情報も有効に使用できます。

インジェクタの安全管理

弊社ではインジェクタの安全管理として,保守点検をお勧めしています。
インジェクタは管理医療機器(ClassII)に分類,さらに【特定保守管理医療機器】に該当しています。画像診断装置同様に点検を必要とする機器となっており,さまざまなニーズに対応できるよう,保守点検のプランをご用意しています。

問い合わせ先:
株式会社根本杏林堂
〒113-0033 東京都文京区本郷2-27-20
TEL 03-3818-3541
E-mail info@nemoto-do.co.jp
http://www.nemoto-do.co.jp/