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別冊付録

■ 第9回 日本脳神経外科術中画像研究会
■ 日立MRユーザー会が名古屋,盛岡で開催

第9回 日本脳神経外科術中画像研究会

会場風景
会場風景

伊関 洋 会長(東京女子医科大学先端生命医科学研究所教授) 
伊関 洋 会長
(東京女子医科大学
先端生命医科学研究所教授)

Hee-Won Jung 氏(Seoul National University College of Medicine)
Hee-Won Jung 氏
(Seoul National University
College of Medicine)

村垣善浩 氏(東京女子医科大学)
村垣善浩 氏
(東京女子医科大学)

第9回日本脳神経外科術中画像研究会が6月6日(土),東京女子医科大学弥生記念講堂において,“世界にはばたく 診断と治療の融合”をテーマに開催された。東京女子医科大学先端生命医科学研究所教授の伊関 洋氏が会長を務め,特別講演2題,一般演題25題,製品紹介1題が行われた。

特別講演1では,Hee-Won Jung氏(Seoul National University College of Medicine)が,「Present Situation and Future Prospective of Intraoperative(i-op)Imaging Device in Neurosurgical Hospitals in Korea」と題して発表した。同氏は,韓国では,術中MRIや術中CTなどの最新の術中画像装置の普及は発展途上の段階にあると説明。病変の状態をリアルタイムで確認できるなど,術中画像の有用性を挙げた上で,韓国での術中MRIや術中CTの普及に期待を示した。

特別講演2は,村垣善浩氏(東京女子医科大学)が「神経膠腫治療の今」と題して講演した。神経膠腫治療の動向のほか,脳神経外科手術における術中MRIの有用性や医師主導治験の取り組みなどについて幅広く紹介。その上で,神経膠腫治療における腫瘍の摘出度と予後との関連について,エビデンスレベルが上がっているため,脳神経外科医は合併症を抑える方法を用いて摘出度の向上をめざすべきだと述べた。また,インテリジェントオペ室における術中MRIの使用経験を報告し,同装置は画像の歪みが少なく,ナビゲーションに適していると評価した。

このほか,一般演題でも術中MRIに関する多くの講演があった。

富川盛雅氏(九州大学)は,同院の0.4TオープンMRI「APERTO」による“Open MRI下リアルタイム・バーチャルリアリティ・ナビゲーションシステム”の有用性に関する検討結果を発表した。超音波のみでは描出不良な肝がんの穿刺が容易であることや,超音波では病変の範囲が同定困難な乳がんに対して正確な切除が可能であることなどを挙げ,同システムは正確かつ低侵襲な治療を実現する有用なツールであると述べた。

梶田泰一氏(名古屋大学)は,名古屋工業大学などと連携して進めている,神経膠腫の100%摘出をめざした低侵襲型内視鏡統合手術機器(インテリジェント手術機器)の開発について発表した。

藤井正純氏(名古屋大学)は,白質の直接刺激を含むMEPモニタリングを併用し,MEPの刺激強度と錐体路の術前,術中トラクトグラフィとの位置関係を検討した結果を発表した。錐体路の位置は,Brain siftとともに変位するため,術前の画像をBrain siftに合わせて変形した上で重ね合わせる“変形フュージョン技術”を用いることで,錐体路の変位を推定できる可能性を示唆した。
林 雄一郎氏(名古屋大学)は,変形フュージョン技術を用いて術前のMRI画像から術中の錐体路の位置を推定した結果と,術前のメチオニンPET画像と術中MRI画像の融合を試みた結果を示した。変形フュージョン技術により,術前のさまざまな画像情報が術中に利用可能になるとの見通しを述べた。

八代一孝氏(鹿児島大学)は,2009年3月に0.3TオープンMRI「AIRIS Elite IOP」を導入した鹿児島大学病院のMRI手術室の概要を説明した。実稼働前であるものの,AIRIS Elite IOPは開口部が43cmあるため,手術台からの患者の移動が比較的容易であると評価した。

鈴木孝司氏(東京女子医科大学)は,「疾患動物を用いた新規医療機器評価用プラットフォームの構築」と題して発表した。MRIや超音波診断装置などを備えたインテリジェント動物手術室では,疾患動物を用いて新規医療機器を評価することで,実験動物を減らすと同時に高度医療を求める飼い主のニーズにも応えることができる。講演では具体例として,術中MRIを用いたイヌの脳腫瘍摘出術の結果などが報告された。

製品紹介では,(株)日立製作所の尾藤良孝氏が,「MR Spectroscopic Imagingの計測技術開発」をテーマに発表した。同社MRI装置の特長である,Spectroscopyの計測・解析がワンボタンで可能な機能を紹介し,Spectroscopic Imaging(SI)についてもワンボタン計測・ワンボタン解析を採用して,真に臨床で役立つ機能にしていきたいと述べた。このほか,高速SIの脳虚血解析への応用や拡散SIについて,現在の研究成果を述べた。


■特別講演
「Present Situation and Future Prospective of Intraoperative(i-op)Imaging Device in Neurosurgical Hospitals in Korea」
Hee-Won Jung(Seoul National University College of Medicine)
「神経膠腫治療の今」 村垣善浩(東京女子医科大学)

■一般演題
1.血栓溶解/血流画像撮像用治療モニタリング一体型超音波プローブの開発
   東  隆(株式会社日立製作所)
2.集束超音波治療のための術中MRI・超音波複合ナビゲーション
   荒井 修(東京女子医科大学)
3.画像誘導手術のための特定マーカを利用しないナビゲーションシステムの構築
    浅野武夫(東京女子医科大学)
4.マルチモダリティを用いた腹部外科領域におけるリアルタイムナビゲーション
   富川盛雅(九州大学)
5.診断・治療一体型インテリジェント手術機器の開発:脳腫瘍手術ラストワンマイルの挑戦
    梶田泰一(名古屋大学)
6.術中トラクトグラフィー及び白質直接刺激によるMEPの有用性
   藤井正純(名古屋大学)
7.術中画像と術前画像の融合による画像誘導手術の支援
   林 雄一郎(名古屋大学)
8.位置センシング技術による手術状況分析
    和泉 潔(産業技術総合研究所)
9.脊髄外科における術中CTの有用性
    齋藤孝次(釧路孝仁会記念病院)
10.頭蓋底腫瘍手術における320 row area detector CT(TOSHIBA Aquilion One)による術前3次元画像の有用性についての検討
   我那覇 司(藤田保健衛生大学)
11.神経内視鏡手術におけるバーチャルナビゲーションの使用経験:5症例
   伊藤英治(福島県立医科大学)
12.頸動脈ステント留置術における過灌流症候群の予知?123I-IMP SPECT,rSO2モニタリング(INVOS)を用いて
   入江恵子(藤田保健衛生大学)
13.高磁場術中MRIナビゲーションシステム・蛍光診断システムを用いた脳神経外科手術
    櫻田 香(山形大学)
14.鹿児島大学MRI手術室のコンセプト
    八代一孝(鹿児島大学)
15.日本の手術室事情にFITした小型術中MRIシステムの開発(第3報)
   大黒俊樹(株式会社吉田製作所)
16.内耳奇形症例へのナビゲーション下人工内耳埋込み術
   松本 希(九州大学)
17.疾患動物を用いた新規医療機器評価用プラットフォームの構築
   鈴木孝司(東京女子医科大学)
18.マウスピース型レジストレーション用テンプレートを用いた手術ナビゲーション
   洪 在成(九州大学)
19.Hemangioblastoma摘出術におけるICG蛍光血管造影の有用性
   弘田祐己(大阪医科大学)
20.Glioblastomaに対する5-ALAによる蛍光ガイド下手術
   木村 泰(筑波大学)
21.脳外科手術における術中蛍光脳血管撮影の有用性
   溝口昌弘(九州大学)
22.術中indocyanine green蛍光血管撮影の使用経験
   地藤純哉(滋賀医科大学)
23.MRIとメチオニンPETのfusion画像の手術利用
   平野宏文(鹿児島大学)
24.Eloquent area近傍の神経膠腫に対するNeuronavigation,Tractographyを利用した戦略的Fence Post配置の検討
    及川光照(中村記念病院)
25.松果体近傍腫瘍に対するoccipital trans-tentorial approach時のvisual evoked potentialモニタリングの試み
    山崎文之(広島大学)

■製品紹介
「MR Spectroscopic Imagingの計測技術開発」 尾藤良孝(株式会社日立製作所)

日立MRユーザー会が名古屋,盛岡で開催

東海・北陸MRPユーザー会会場風景
東海・北陸MRPユーザー会
会場風景

東北地区日立MRユーザー会会場風景 
東北地区日立MRユーザー会
会場風景

特別講演:大日方 研氏(東北)
特別講演:大日方 研氏(東北)

■ 第20回東海・北陸MRPユーザー会

「第20回東海・北陸MRPユーザー会」が6月13日(土),栄ガスビル(名古屋)において開催された。

〈技術講演〉
「日立MRI最近の技術動向」

〈ユーザー発表〉
「0.3T装置での各種脂肪抑制法の比較」
山本啓孝氏,吉田睦規氏
(医療法人整友会 豊橋整形外科 鷹丘クリニック)

〈特別講演〉
「もの忘れ外来におけるMRIの有用性」
奥村 歩氏(おくむらクリニック)

■ 2009年東北地区日立MRユーザー会

「2009年東北地区日立MRユーザー会」は6月20日(土),マリオス(盛岡)において開催された。

〈メーカー講演〉
「日立MRI5000台の歴史と今後の展開」
「良い画像を得るためのテクニック〜MRIのアーチファクトとその対策」

〈ユーザー講演〉
「スポーツ整形におけるAIRIS Eliteの有用性〜脂肪抑制を中心に」
齋藤良太氏
(医療法人社団石史山会 札幌スポーツクリニック)
「東北大学医学部保健学科でのOPEN MRI導入報告」
島田一生氏
(東北大学大学院医学系研究科先端放射線診断技術学分野)

〈特別講演〉
「脂肪抑制活用法について〜AIRIS APERTOとECHELON Vegaの比較」
大日方 研氏(大日方医院)

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