日立メディコ

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Technical Note

2009年7月号
特集1−ボーダレス時代のPACS & WS選び−PACS最新技術

WS−ユーザビリティにこだわった汎用画像診断ワークステーション

香西 和久
USマーケティング本部

2008年の診療報酬改定以降,フィルムレス化の動きが活発化し,さまざまな形の製品が数多く使われるようになってきた。1日に数多くの診断を行う読影医の先生方にとって,より見やすく,疲れない画像診断装置が望まれてきていることをよく耳にする。そこで,当社の疲れにくい,自分流の見方の実現をめざした診断画像ワークステーションについて述べる。


●ねらい

従来より数多くのPACS製品が使われている中で,OPEN-PACS Series画像診断ワークステーション「NV-1000」は,クリニックから大学病院,健診施設まで幅広いユーザー層に使用していただける読影環境の提供をめざした。特にフィルムレス化の動きの中で,多数の読影を行う医師の疲労を少なく,また,医師それぞれに合ったビューワのレイアウトなど使い勝手を重視したフレキシビリティについて考えた。そのためNV-1000は,ユーザーごとに快適な読影環境が設定できるよう,“ワンクリックの質”に重点を置き,画面のユーザビリティを追究している。この品質が認められ,NV-1000は日立読影レポートシステム「Natural Report」と組み合わせた統合読影環境で,2007年度グッドデザイン賞を受賞した(図1)。


図1 NV-1000とNatural Reportを組み合わせた総合読影環境
図1 NV-1000とNatural Reportを組み合わせた総合読影環境

●読影効率の追究

ユーザーは,NV-1000の読影プロトコール機能を用いることで,画像配置,画像レイアウト,画像ソート条件,画像処理条件など,自分のこだわりの読影環境をモダリティごとに自由に構築することができる。また,同一スライス断面を自動判定し,画像ページング操作の際も,スライス断面がずれないように同期画像送りを実装している。このほかにも,FOV同期,Pan操作同期,Window L/W同期など,比較読影向けの機能が充実している。
NV-1000はマウスの操作性にもこだわっている。読影時に頻繁に使用するページング操作やWindow L/W操作,Pan操作,ズーミング操作などの機能をユーザーごとにマウスの各ボタンに割り当てることができるため,機能切り替えのためのアイコンクリックが不必要となり,読影に集中できる。また,他のシステムからのリプレイスの際にも,使い慣れた操作性をそのままNV-1000上で再現可能である。


●長時間の読影への配慮

NV-1000は,暗所での長時間読影においても,目の負担を軽減するために黒を基調とした配色で画面を統一している。また,読影画面では多くの情報を表示せず,必要なときに必要な情報を表示することで,画像表示領域を広く確保しつつも情報不足にならないよう配慮している。そのほか,サムネールを利用した直感的な画像選択に加え,「詳しい撮影条件を確認しながら画像を選択したい」というユーザー向けには,撮影条件リストから画像を選択する機能も搭載している(図2)。これにより,MRI検査の複雑な撮像シーケンスの把握も,画像選択時に可能となる。


図2 NV-1000の画像選択画面
図2 NV-1000の画像選択画面

日立メディコは,人間中心設計の概念を取り入れ,ユーザビリティを追究した画面設計を行っており,NV-1000では使い勝手の良い読影環境の提供を実現している。また,日立Web画像システム「WeVIEW」と組み合わせることにより,NV-1000とほぼ同様の画像参照環境を電子カルテ端末等にWeb配信でき,院内のフィルムレス化をサポートすることができる。



【問い合わせ先】 メディカルIT戦略本部  TEL 03-3526-8311