日立メディコ

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Technical Note

2012年8月号
Women's Imagingにおける質の高い検査・診断を実現する最新技術

DMG−デジタルマンモグラフィの最新技術─デジタルブレストトモシンセシス

乳房の画像診断に画期的な診断能の向上をもたらす,デジタルブレストトモシンセシス(乳房トモシンセシス)技術を搭載した乳房X線撮影装置が発売されました。

トモシンセシスは,組織の重なりを効果的に減少,または排除することができる三次元(3D)撮影法です。図1に乳房トモシンセシスシステムを搭載した「Selenia Dimensions」を示します。トモシンセシスの撮影においても,乳房は通常の方法で圧迫されます。圧迫した乳房に対しX線管を15°回転させます。この間に15回の低線量照射がほぼ1°ごとに行われ,画像を収集します。これに要する撮影時間は約4秒と,非常に高速です。これは全撮影時間をできるだけ短くして,微小石灰化像やスピキュラ像の視認性を劣化させる受診者の動きを減らすことに大きな効果があります。

図1 Selenia Dimensions
図1 Selenia Dimensions

図2に,読影者12人分の平均ROC曲線を示します。読影者のROC曲線下の平均面積は,forced BI-RADS評価を用いて0.83から0.90と0.07増加し,0.0004のp値(有意確率)で高い有意性の増加を示しています。2D撮影に3D撮影を組み合わせた読影に対し,2D撮影のみの読影において,BI-RADSで4および5と評価されたがんの割合は66%から76%に改善され,BI-RADSで1〜3と評価された特異度は84%から89%に増加し,43%の平均再検率の減少が見られました。読影成績は2D撮影に3D撮影を組み合わせて読影した場合,2D撮影のみの読影した場合と比較して著しく改善されました。

図2 ROC曲線
図2 ROC曲線

トモシンセシスは病巣をより明確に表示でき,診断の感度,特異度を向上することができる技術であり,今後の画像診断の新たなスタンダードになるものと期待されています。

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