フィリップスでは，Women’s Health Care Cycleにおける乳腺MRI検査において，コイルやアプリケーションなど多角的な開発に取り組んでいます。今回は，ワークフローを大きく改善するユニークなアプリケーションが登場したので紹介します。

●SmartExam Breast

“SmartExam”は，撮像プランニングから撮像，後処理までを自動的に行うことができる，撮像アシスト機能です。“SmartExam Breast”は，これに自動シミング機能を追加しました。
両側乳腺撮像では，周波数選択的反転パルス（SPAIR，SPIR）を用いる場合，磁化率の影響で脂肪抑制が不均一となる現象が見受けられます。SmartExam Breastは，Surveyとして得られた画像から自動セグメンテーションを行い，乳房と腋窩部に合わせて自動的にシミングを行います。その際，肺野や心臓などは自動的に除外されます。
このSmartExam Breastにより，高度な技術と経験が要求されていたシミングと，それに伴う脂肪抑制の安定性が高まりました。広範囲のシミングが難しい片側乳房切除後の撮像などにおいても，均一な脂肪抑制を行うことが可能となります（図1）。
なお，このアプリケーションは，1.5Tおよび3Tのいずれにも搭載することができます。3Tにおいては，MultiTransmitによる患者ごとのRFシミングも併用し，画質を著しく向上することができます。