フィリップスエレクトロニクスジャパン

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Technical Note

2012年8月号
Women's Imagingにおける質の高い検査・診断を実現する最新技術

MRI−B1磁場とB0磁場の最適化による3T乳腺撮像

3T MRIの乳腺撮像は,B1磁場およびB0磁場の不均一により,画質の低下を招くことがあります。弊社では,両方の不均一を解消すべく2つの革新的な技術を搭載することが可能です。

●MultiTransmit─患者ごとに最適なRF照射を可能にするB1キャリブレーション

弊社では,3T MRIでの乳腺撮像時のRF照射不均一を改善するべく,“MultiTransmit”技術を開発しました。この技術は,患者ごとにB1を最適化する,B1キャリブレーションを可能にしています。これは,患者個々人の乳腺形状に依存するRF照射の不均一を,プレスキャンで把握した後,その不均一が最小限になるようにRFを新たに生成・送信する技術です(図1)。オーダーメードのように,患者ごとにRFを生成するため,乳腺MRIの画質が安定的に高まります。

図1 患者ごとにB1マップを計算し,最適なRFを生成,照射 左:プレスキャンにより得られた患者特有のB1マップ 右:B1キャリブレーション後のB1マップ
図1 患者ごとにB1マップを計算し,最適なRFを生成,照射
左:プレスキャンにより得られた患者特有のB1マップ
右:B1キャリブレーション後のB1マップ

●SmartExam Breast─患者の乳房形状に合わせた自動静磁場シミング

乳房の形状には個人差があり,それが静磁場不均一の原因の1つとなります。“SmartExam Breast”は,乳房形状を自動的に把握して,シミングを行うアプリケーションです。乳房形状の左右差が大きくとも,それに最適なシミングを自動で行い,腋下までの脂肪抑制を安定的に行います(図2)。

図2 SmartExam Breastによる安定した乳腺MRI撮像(画像ご提供:八重洲クリニック様)
図2 SmartExam Breastによる安定した乳腺MRI撮像
(画像ご提供:八重洲クリニック様)

本稿では,乳腺MRI撮像において根本となる部分を改善する技術を紹介しました。弊社では今後もアプリケーション,ハードウエア,コイルなど,高画質かつワークフロー向上にお役立ていただける乳腺MRI技術の開発に取り組んでまいります。

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