シーメンス・ジャパン株式会社

別冊付録

巻頭言

64スライス2管球搭載型のDual Source CT「SOMATOM Definition」が北米放射線学会(RSNA)に初めて登場したのは2005年であった。当初から,高い時間分解能を利用したCardiac Imagingと,2X線管による異なるエネルギーの同時撮影を利用したDual Energy Imagingが,Dual Source CTの非常に大きな特色となっていた。そして,その進化版として2008年のRSNAに,128スライス2管球搭載型のDual Source CT「SOMATOM Definition Flash」が登場した。

ここで改めて,Dual Source CTの代名詞とも言える特徴的技術を簡単にまとめてみる。まずCardiac Imagingでは,2X線管それぞれが1/4回転すればハーフスキャンと同等のデータが取得できるため,Definitionで83ms,Definition Flashで75msという画期的な時間分解能を実現した。また,Definition FlashのHigh-Pitch Double Spiral Scan(高速二重螺旋スキャン)(図1)は,2X線管で1/4回転ずつ位相のずれた投影データをつなげるヘリカルスキャン法である。これを用いて,1秒間に46cmの範囲で75msの時間分解能画像が得られ,低被ばくでの超高速撮影が可能となっている。

一方,Dual Energy Imagingは,2つの異なるX線エネルギー照射で得られる情報から,例えば造影剤や骨,軟部組織などの生体構成成分を明確に分離した画像化を可能にする(図2,3)。各社さまざまなDual Energy Imaging技術を開発しているが,実臨床での応用や論文発表は,大部分がDual Source CTによるものである。また,Definition Flashでは,Snのフィルタを使って高管電圧と低管電圧のX線スペクトルの重なりを少なくし,物質の分離精度を上げるような,Selective Photon Shield(図4)という新技術が搭載された。

図1 High-Pitch Double Spiral Scan(高速二重螺旋スキャン)
図1 High-Pitch Double Spiral Scan(高速二重螺旋スキャン)
図2 Dual Energy Imaging:Two-material decomposition
図2 Dual Energy Imaging:Two-material decomposition
図3 Dual Energy Imaging:Three-material decomposition
図3 Dual Energy Imaging:Three-material decomposition
図4 Dual Energy Imaging:Selective Photon Shield
図4 Dual Energy Imaging:Selective Photon Shield

以上のように,Dual Source CTにおける2つの大きなテーマ:Cardiac ImagingおよびDual Energy Imagingへのアプローチは着実に進化している。

第2回を迎えたDefinition Symposium(2010年8月28日開催)では,Session T:Cardiac Imaging で3題,Session U:Dual Energy Imaging で5題の講演が行われる。Definition Flash の最新知見の豊富な紹介を含めた,有意義なシンポジウムとなるものと期待している。

MODERATOR
内藤博昭
国立循環器病研究センター病院 副病院長/放射線部長

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