CTCによる大腸スクリーニング ziostation2(CT大腸解析ソフト最新バージョン) の使用経験

ホーム の中のザイオソフトの中のNew Horizon of 4D Imagingの中のziostation2 CT大腸解析 CTCによる大腸スクリーニング — ziostation2(CT大腸解析ソフト最新バージョン)の使用経験

ziostation2 CT大腸解析
CTCによる大腸スクリーニング
 — ziostation2(CT大腸解析ソフト最新バージョン)の使用経験

わが国の大腸画像診断においてもCT Colonography (CTC)は急速に普及し、すでに実際の臨床へ導入する施設が急増している。CTCではさまざまな大腸三次元表示が可能であり、診断目的に適した表示法による読影が可能である。これまでわれわれは、CTCスクリーニング診断におけるVirtual Gross Pathology(VGP)1)の重要性を報告してきた。VGPは短時間に大腸粘膜面全体を盲点なく観察でき、診断効率に優れた大腸スクリーニング法として有用である。今回、現在開発中であるziostation2のCT大腸解析ソフトウェアの最新バージョンによる大腸スクリーニング診断を紹介する2)3)

s 国立がん研究センターにおけるCTCスクリーニングシステムの開発

当センターでは、術前診断の経験に基づき、CTCによるスクリーニングへの応用をめざした診断システムの開発を進めてきた。前処置ではバリウムを用いたtagging法を重視し、検査食と下剤投与法を含めて改良を行い、恒常的に良好な結果を得るに至った4)。また、従来の大腸解析ソフトを全面的に改良し、新たな画像表示法の開発を進めるとともに、特にCTCの基本2体位(仰臥位・腹臥位)を同時にVGP表示可能で、tagging部分のデジタルクレンジングおよびCAD機能(W.I.P.)を搭載したziostation2の大腸解析ソフトの開発を行っている5)

▲ページトップへ

s ziostation2を用いた大腸スクリーニングの実際と展望

ワークステーション画面上の被検者リストから、仰臥位と腹臥位の2シリーズを同時に選択すると、各々の腸管中心線(pass)を伴うair enema像が数秒で表示される(図1)。従来バージョンと比べて高速で正確に腸管が抽出され、air enema表示でpassを修正する必要もほとんどなく、スムーズな画像処理により診断画像へ即座に移行する。診断画像表示では、仰臥位と腹臥位の2体位におけるVGP表示、仮想内視鏡表示やMPR表示が上下、左右に対比して効果的に配置されている。ワンクリックでtaggingされた残便・残液の高濃度部分が消去され、盲点のない腸管内の観察が達成されている(図2)。さらに、CAD解析結果を診断画像に表示することができる(図3)。ziostation2をサーバー化し、従来の術前診断で構築したCTネットワークに接続することで、すべての画像処理過程が高速化し、実際のCTCスクリーニングに応用可能なシステムが完成した4)

図1  腸管中心線(pass)を伴うair enema表示 a:仰臥位,b:腹臥位
図1 腸管中心線(pass)を伴うair enema表示 a:仰臥位,b:腹臥位

図2  a:デジタルクレンジング前,b:デジタルクレンジング後 バリウムによって高濃度化した残便・残液部分が画像処理によって消去され、デジタルクレンジングが達成されている。
図2 a:デジタルクレンジング前,b:デジタルクレンジング後
バリウムによって高濃度化した残便・残液部分が画像処理によって消去され、デジタルクレンジングが達成されている。

図3  下行結腸のUa+Uc型早期浸潤癌(12mm大)
図3 下行結腸のUa+Uc型早期浸潤癌(12mm大)
通常大腸内視鏡により、下行結腸に中心陥凹を有する発赤平盤状隆起を認める(a)。ziostation2におけるデジタルクレンジング後のCAD解析では、仰臥位と腹臥位のVGP表示と仮想内視鏡表示において、病変が正確に検出されている(b)。

当センターでは2010年11月にCTCによる大腸スクリーニングを開始し、被検者も徐々に増加している。今後はtagging法の改良を進めるとともに、ziostation2のデジタルクレンジング機能のさらなる診断精度の向上を進め、またCADにおいても、新たな検出アルゴリズムの開発が必要と考えられる。しかし、この半年間でCTCの各種診断技術は著しく進歩しており、ziostation2によって、大腸スクリーニングにおけるCTCの診断能は確実に向上するであろう6)

▲ページトップへ

●参考文献
1) 富松英人・他 : 伸展する3D画像〜大腸3D画像の有用性〜3D表示ソフトを用いて.新医療, 10, 97〜100, 2005.
2) Lefere, P.A., et al. : Dietary fecal tagging as a cleansing method before CT colonography; Initial results –Polyp detection and patient acceptance. Radiology, 224, 393〜403, 2002
3) Summers, R.M., et al. : Automated polyp detection at CT colonography; Feasibility assessment in the human population. Radiology, 219, 51〜59, 2001.
4) 鈴木雅裕・他 : 実践CTCシリーズ─CT Colonographyによる大腸がん診断クリニカルリポート(4). INNERVISION, 26・1, 64〜67, 2011
5) 神林麻里:「ZIOSTATION」CT大腸解析ソフト. INNERVISION, 25・3, 4〜5, 2010.
6) 飯沼 元:CT colonography の現状と将来展望.Medical Practice, 27, 1357〜1360, 2010.

【使用機器】
CT装置:東芝メディカルシステムズ社製Aquilion CX(64列)
3Dワークステーション:ザイオソフト社製ziostation2
ガス注入:メディックサイト社製CTC用CO2自動注入器(国内薬事未承認)

(インナービジョン2011年2月号掲載)

ziosofotトップへ

●販売代理店
アミン株式会社
http://www.hi-amin.co.jp/
〒103-0033 東京都文京区本郷2-27-20
tel:03-5689-2323 fax:03-5804-4130
●製造販売元
ザイオソフト株式会社
http://www.zio.co.jp/
〒108-0073 東京都港区三田1-2-18