ITEM in JRC 2010

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ブースリポート
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お問い合わせ先:
株式会社フィリップスエレクトロニクスジャパン
東京都港区港南2-13-37
TEL 0120-556-494  03-3740-5011

CT検査の大幅な被ばく低減を実現する新技術「iDose」や新製品をPR

  フィリップスエレクトロニクスジャパンは,“People focused.Healthcare simplified.”をテーマに展示を行った。CT検査で最大80%の大幅な被ばくを低減する新技術「iDose」を大々的にアピールしたほか,年内にも100台の納入を達成する「Achieva 3.0T」,新製品のFPD搭載X線乳房撮影システム「Mammo Diagnost DR」とPACS「IDS7」などを出展した。プレスツアーの冒頭に挨拶したダニー・リスバーグ代表取締役社長は,今回のテーマについて,「ユーザーのことを中心に考えて取り組んでいく」という同社の姿勢を示したものだと説明。また,ユーザーの声を迅速に本社に吸い上げ,開発部門や工場までその情報をスムーズに伝達できる体制を構築するために4月に同社の組織変更を行ったと述べており,ユーザーを中心に考えるという同社の方向性に則った取り組みが進められている。(4月9日取材)

ダニー・リスバーグ代表取締役社長
ダニー・リスバーグ代表取締役社長

  フィリップスエレクトロニクスジャパンブース
フィリップスエレクトロニクスジャパンブース

● Computed Tomography:CT検査で最大80%の被ばく低減を可能にする新技術「iDose」を紹介

  “Philips CT Innovation”をテーマに掲げたCTコーナーでは,最大80%の被ばく低減を可能にする画像再構成ユニット「iDose」を展示の中心に据えた。iDoseは,従来の画像再構成とはまったく異なる逐次近似法を応用した画像再構成により,画質を維持した大幅な被ばく低減に加え,高分解能画像でのノイズ低減を従来と変わらない処理スピードで実現する。逐次近似法を用いた画像再構成の場合,秒間最大20枚,従来のフィルターバックプロジェクションであれば,秒間最大50枚の画像再構成が可能。iDoseは,既存装置を含め,256スライスCT「Brilliance iCT」,128スライスCT「Brilliance iCT SP」,64スライスCT「Brillianse CT64」に搭載可能である。

  また合わせて,CT用ワークステーション「Extended Brilliance WorkSpace」を紹介した。“ゼロクリック”をキーワードとしており,頭部・体幹部の骨抜き,心臓解析,肝臓の区域分け,バーチャルコロノスコピーなどの自動処理が可能である。

  iDoseが実現する被ばく低減を視覚的に訴えるため,Brilliance iCTのモックアップを半分にカットして展示した
iDoseが実現する被ばく低減を視覚的に訴えるため,Brilliance iCTのモックアップを半分にカットして展示した

Extended Brilliance WorkSpace
Extended Brilliance WorkSpace
Brilliance iCTの1000mA を実現したi-MRC管球(右)と0.27秒回転を可能としたAir Bearingの展示
Brilliance iCTの1000mA を実現したi-MRC管球(右)と0.27秒回転を可能としたAir Bearingの展示

● Magnetic Resonance:3T MRI「Achieva 3.0T TX」の臨床的有用性をアピール

  国内の受注100台達成を発表した3T MRI「Achieva 3.0T」の中から,昨年発売された最高機種の「Achieva 3.0T TX」を展示した。Achieva 3.0T TX は,国内で約10台稼働しており,ブースでは,臨床画像を掲示して同装置の実績と臨床的な有用性をアピールした。次のバージョンでは, MRマンモグラフィの撮像において,容易な脂肪抑制を可能にするSmartExam Breast機能をオプションで搭載することが可能になる。これは,患者さんの乳房の形に沿ったシミングを自動でかける技術で,撮影者のスキルによらず,安定した画像の取得を可能にする。またAchieva 3.0T TXは,従来装置からデザインが一新されており,アンビエントリングと呼ばれる光のリングを前面カバーに配することで,患者さんの不安を軽減させるための工夫が施されている。

  Achieva 3.0T TX
Achieva 3.0T TX

● Radiography:新製品,FPD搭載X線乳房撮影システム「Mammo Diagnost DR」などを展示

  新製品の直接変換タイプの高性能FPDを搭載したX線乳房撮影システム「Mammo Diagnost DR」を展示した。Mammo Diagnost DRは,一般X線撮影装置Digital Diagnostシリーズにも搭載されているマルチ周波数処理UNIQUEアルゴリズムを適用することにより,わずかなコントラストも描出できるため,微小石灰化なども見つけやすいという。また,コンソールで患者さんを選択すると,撮影条件が自動で設定されるほか,撮影終了後6秒以内に画像が表示されるなど,効率的な撮影フローを実現する。

  一般X 線撮影装置では,実機の展示はなかったが,4月に発売したコンパクトな汎用デジタルX線システム「Essenta DR Compact」を紹介していたほか,ユーザーインターフェイスを向上し,タッチパネルで操作できるようになった新たなコンソールや「Digital Diagnost」にオプションで付けられるWireless Portable Detector(WPD)を展示した。


Mammo Diagnost DR
Mammo Diagnost DR
Wireless Portable Detector
Wireless Portable Detector

● Interventional X-ray:3DやCTライク画像でインターベンションをサポートする「Allura Xper FD20」

  Interventional X-rayコーナーでは,血管造影X線診断装置「Allura Xper FD20」を展示した。Allura Xper FD20は,シングルプレーンとバイプレーンの2タイプがあり,それぞれ,頭腹部用の大口径と心臓用の小口径搭載するFPDを搭載した装置がある。ブースでは,大口径FPDを搭載したシングルプレーンのAllura Xper FD20を展示した。アームを回転させながら撮影したデータを元に,3Dの血管画像やCTライク画像を構築することが可能であり,これらの3D画像やCTライク画像を透視画像と重ね合わせることで,インターベンションのサポートツールとしての利用もできる。また,大容量かつ長寿命のMRC X線管の搭載により,厚いフィルターで軟X線を除去できる。これにより,低被ばくな検査を可能にしている。

  Allura Xper FD20
Allura Xper FD20

● Healthcare Informatics:新製品のPACS「IDS7」の4つの特徴をアピール

  4月に発売を開始した,Sectra Imtec AB社製PACS「IDS7」を展示し,その特徴を“Anytime Anywhere”,“System Workflow”,“Clinical Application”,“Safety Solution”の4つのキーワードでアピールした。

  “Anytime Anywhere”は,いつでも,どこでも同じ操作環境で高画質の画像を表示できることを表している。院内だけでなく,例えば,自宅などの院外やグループ病院間でも同じ操作環境を実現することができる。“System workflow”は,使い勝手を徹底的に追求した製品により,快適なフィルムレス環境を実現することを表現。“Clinical Application”は,3Dボリュームレンダリングをはじめとした豊富な臨床アプリケーションを取りそろえていることを,“Safety Solution”は,フィリップスのサービス網を活用し,安全・安心に利用してもらうためのサポート体制を構築していることを表している。

  また,今回の展示では,三菱電機情報ネットワーク(株)のセキュアなVPNを使用して,フィリップスの本社に近い天王洲アイル(品川区)の倉庫に設置したサーバと会場の端末を接続して画像を表示させるデモンストレーションを行い,IDS7は,病病・病診連携や,グループ病院間の情報共有,さらには遠隔読影のツールとしても有用であることを説明していた。

  IDS7
IDS7

● Augmented Reality:3Dのバーチャル映像という新しい展示方法を採用

  Augmented Reality(強調現実)のコーナーは,装置のミニチュアを3Dのバーチャル映像で表示し,装置の外観だけでなく,動きまで自由なアングルから立体的にみることができるというもの。これまでにない新しい展示方法が来場者からの注目を集めた。

  Augmented Realityコーナー
Augmented Realityコーナー

● Customer Services:ダウンタイムの削減などを実現するリモートサービスを紹介

  Customer Servicesの,今年のコンセプトは「リモートサービスの充実による患者様への貢献」。医療機関へのサポートを通して,患者さんのケアに貢献していきたいとの考えに基づいたコンセプトであるという。ブースでは,Philips Remote Services(PRS)について紹介した。PRSの1つであるProactive Support(事前監視サービス)は,装置に不具合が発生した場合に,装置から同社のコールセンターへ信号を発信することで,医療機関が不具合に気付いていなくても,同社のエンジニアが対応できるというもの。これにより,ダウンタイムを削減することができる。このほか,エンジニアとユーザーが同じ画面を見ながらアプリケーションのサポートを行うRemote Desktop(リモートデスクトップ)などのサービスがある。

  Customer Servicesコーナー
Customer Servicesコーナー

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