ITEM in JRC 2010

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株式会社島津製作所
医用機器事業部マーケティング部販売促進グループ
京都市中京区西ノ京桑原町1
TEL 075-823-1271 FAX 075-811-8185


safireシリーズを中心に, “やさしく快適な検査環境”を実現する技術をアピール

  島津製作所は,患者さんと医療従事者双方にやさしく快適な検査環境を提供するために,低被ばくの検査で,かつ高画質な画像が得られる装置を提供することが同社の務めであるとの思いを込めて,“THE POWER OF safire―やさしい医療へのアプローチ”をテーマに掲げた。ブースでは,直接変換方式FPDを搭載したsafireシリーズを中心に展示。また,同シリーズのアプリケーションを紹介するSafire Galleryを設けて,その有用性をアピールした。(4月11日取材)  
ブース

● 「SONIALVISION safire17」ではトモシンセシスなどのアプリケーションを紹介

  17インチの直接変換方式FPDを搭載したX線テレビシステム「SONIALVISION safire17」では,1回の断層撮影で任意断面の画像が得られるトモシンセシス,歪みのない長尺撮影が可能なスロットラジオグラフィ,エネルギー値の違いにより骨と軟部組織を分離することで,肋骨に隠れた腫瘍などの発見が可能なデュアルエナジーサブトラクションを紹介していた。トモシンセシスは現在,国立がん研究センター(旧国立がんセンター)と共同で肺がん検診への応用について研究が進められており,4月9日(金)には,産学連携セミナー「トモシンセシスの胸部がん検診に関する可能性」が行われ,森山紀之氏(国立がん研究センターがん予防・検診研究センター長)による「低線量トモシンセシスによる肺がん検診の有用性」と清水 薫氏(国立がん研究センター東病院放射線部)による「SONIALVISION safireによる低線量トモシンセシスの技術的評価」と題した講演が行われた。また,さらなる高画質を実現するとともに,環境にも優しい新FPDを紹介していた。

  X 線テレビシステムでは,Cアームテーブル「Cvision safire 17」も展示した。SONIALVISION safire17同様,17インチの直接変換方式FPDを搭載した装置で,多方向からのアプローチを可能とし,上部・下部消化管領域検査をはじめ,腹部・下肢領域のDSA,非血管系IVRまで幅広く対応する。

  現在,上記2機種の直接変換方式FPD搭載X線TVシステムの納入実績は合計で440台を突破しており,ユーザーからの高い評価が実績として表れている。


SONIALVISION safire17
SONIALVISION safire17
Cvision safire 17
Cvision safire 17

safireシリーズのアプリケーションを,臨床画像と合わせて紹介していたSafire Gallery
safireシリーズのアプリケーションを,臨床画像と合わせて紹介していたSafire Gallery
Safire Galleryに展示されたスロットラジオグラフィの画像
Safire Galleryに展示されたスロットラジオグラフィの画像

● 全肝をカバーするCTライクイメージングが可能な「BRANSIST safire」を展示

  血管造影システム「BRANSIST safire」は,17インチと9インチの直接変換方式FPDを搭載した2種類の装置があるが,ブースでは,9インチFPDを搭載した装置を展示して,小回りのきく9インチサイズが心臓,頭部,腹部などの多目的検査に適していることをアピールした。9インチFPDでも,対角線表示で約12インチの視野を有するため,腹部のインターベンションにも適しているという。さらに,頭部側面の検査においては,患者さんの肩に干渉することなく頭部にFPDを密着させることができるため,被ばく低減や鮮鋭度の高い画像が取得できるなどのメリットもある。

  アプリケーションでは,収集した画像からCTのような断層画像を再構成できる CTライクイメージングや脳血管内治療をサポートする3Dロードマップの機能について,有用性をアピールしていた。17インチFPD搭載装置でのCTライクイメージングでは,体軸方向においても17インチの収集視野を有し,これにより,すべての患者さんで肝臓全体をカバーしたCTライクイメージングが可能となっている。また,3Dロードマップ機能とは,先に画像再構成した脳血管全体の3D画像と透視画像を重ね合わせることでニューロインターベンションを支援する機能で,Cアームの角度を変えても透視画像に3D画像が追従するというものである。

  BRANSIST safire
BRANSIST safire

  またBRANSIST safireでは,よりスムーズな操作を実現するため,従来のグリップタイプのCyberGripに加え,レバータイプのCyberConsoleが新たに装備された。施設の要望に合わせて,どちらか一方もしくは,両方を搭載することができる。


CyberGrip(左)とCyberConsole(右)
CyberGrip(左)とCyberConsole(右)
3D W/SではCTライクイメージングが紹介されていた。
3D W/SではCTライクイメージングが紹介されていた。

● 最長120cmの長尺撮影機能を搭載した「RADspeed safire」

  デジタル式一般撮影システム「RADspeed safire」では,新たに長手方向に最長120cmの画像を取得できる長尺撮影を発表した。FPDを移動させながら,X線管の角度を変えて広い視野をカバーする。約10秒で撮影が終了し,その約10秒後につなぎ合わせた画像を自動で表示。つなぎ目の目立たない高精度な画像を取得できるという。

  また,被ばく低減を可能にするコリメータも新たに発表された。X線の軟線を除去するフィルターを,撮影部位によって最適なものに自動で切り替えることで,被ばくを低減する。

*今春発表予定

  RADspeed safire
RADspeed safire

● 管球引き伸ばし機能で容易な嚥下検査を実現するX線テレビシステム「FLEXAVISION」

  2010年度診療報酬改定で造影剤注入手技に嚥下造影が新設されたことに伴い,デジタルX線TVシステム「FLEXAVISION」による嚥下造影検査の環境を紹介した。FLEXAVISIONは,X線管球を150cm引き伸ばすことができるため,嚥下造影用の車椅子に患者さんが乗った状態で,正面・側面の撮影を容易に行うことができる。

  嚥下造影検査の環境を紹介したFLEXAVISION
嚥下造影検査の環境を紹介したFLEXAVISION

● 回診用X線システム「MobileDaRt Evolution」では,NICU向けのソリューションなどを紹介

  大視野とコンパクトサイズの可搬型FPDを用途に応じて使い分けることが可能な回診用X線システム「MobileDaRt Evolution」の展示では,保育器メーカーとのコラボレーションにより実現したNICU向けのソリューションを紹介していた。保育器内にコンパクトFPDを入れて撮影することができるもので,乳児の位置に合わせてFPDを設置できる。また,撮影後3秒で本体のモニタに画像が表示されるため,気管挿管などでも,素早く画像を確認しながら手技を進めることが可能で,小児科の医師からNICU領域における有用性に対して評価が得られているという。また,大視野FPDは小型・軽量化が図られ,取り扱いがより容易になっている。

  MobileDaRt Evolutionは,海外での評価も高く,国内外合わせて約500台が納入されている。また,バッテリーで稼働し,かつ撮影後3秒で画像が本体の液晶モニタに表示されるメリットを生かして,災害医療などでも高い有用性が認められていると紹介していた。

  保育器メーカーとコラボレーションしたNICU向けソリューション。左がMobileDaRt Evolution
保育器メーカーとコラボレーションしたNICU向けソリューション。左がMobileDaRt Evolution

写真左のようにFPDを最適な位置にセットすることが可能。写真右がFPDをセットして蓋を閉めた状態。
写真左のようにFPDを最適な位置にセットすることが可能。
写真右がFPDをセットして蓋を閉めた状態。
  回診用X線システムのコーナーの壁一面に人気アニメ「ポケットモンスター ダイヤモンド・パール」のキャラクターを描き,同アニメをデザインした装置も展示した。
回診用X線システムのコーナーの壁一面に人気アニメ「ポケットモンスター ダイヤモンド・パール」のキャラクターを描き,同アニメをデザインした装置も展示した。

●Presentation Room

  safireシリーズのアプリケーションの紹介や画像診断に関する2010年度診療報酬改定のポイントなどをテーマに,ショートプレゼンテーションが行われた。

  Presentation Room

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