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RSNA2011

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■ Siemens(シーメンス)
  CT:64 & 128スライスのCT2機種が新登場

RSNA2011 [第1日目:11月27日(日)]

  CTでは,エントリークラスの64スライスの「SOMATOM Perspective」と,1管球タイプの最上位機種に位置づけられる「SOMATOM Definition Edge」(ともに日本国内薬事未承認)の2つの新製品が登場した。

  SOMATOM Perspectiveは,64スライスCTで,ガントリの奥行きが68cmとコンパクトになっている。設置面積は,同社の16スライスのSOMATOM Emotionと同等の18平方メートルで,省電力化を図り,16スライスとほぼ同じ電源容量である71kVAでの導入を可能にした。4スライスや16スライスからのリプレイスを視野に入れた,エントリークラスのコンパクトな64スライスCTである。ガントリの回転速度は通常0.6s,心臓検査時に0.48s。

  導入コストと同時にランニングコストを抑えることにもフォーカスしている。シーメンスの遠隔サービスであるシーメンス・リモート・サービス(SRS)には,世界で1万台のCT装置がオンラインされリモート診断されているが,その中から7000件に及ぶCTのランニングデータを解析し,装置の使用状況を検証して,その成果をソフトウエアにフィードバックした安定稼働のための“eモード”を搭載した。安定稼働を製品として担保することで,保守などのメンテナンス費用を低減でき,ランニングコストの面でもコスト削減が期待できる。

エントリークラスの64スライスSOMATOM Perspective
エントリークラスの64スライスSOMATOM Perspective
ガントリの奥行き68cmとコンパクトで16スライスのリプレイスも可能
ガントリの奥行き68cmとコンパクトで4列や16列のリプレイスも可能

  SOMATOM Definition Edge(以下,Edge)は,z-Sharpテクノロジーを採用した128スライスCTで,ガントリ回転速度はSOMATOM Definition AS+より高速化し0.28sになっている。

  Edgeの最大の特長は,検出器に新しく開発した“ステラディテクタ(Stellar Detector)”を搭載したことである。CTのディテクタは,X線をシンチレータで光に変換し,フォトダイオードで光から電気信号に変換する。フォトダイオードからはアナログ信号で出力されるが,この部分でクロストークといわれるアナログ回路上のノイズが常に存在する。低線量撮影の場合,信号の値が下がることでSNRが低下するため,線量低減に限界が生じていた。ステラディテクタでは,アナログデジタル変換を行うADコンバータを,シリコン(シンチレータ)の下に蒸着する技術を開発し,入射したX線をデジタル信号として取り出せるようなICチップ化を図った。これはシーメンスの独自技術であり,デジタル信号として取り出すことでノイズを大幅に低減した。ステラディテクタは今後,SOMATOM Definition Flashにも搭載されていく予定とのことだ。

  また,Edgeでは,1管球ながらDual Energy Imagingを搭載した。ボリュームデータの撮影を異なる管電流で2回行う方法で,心臓など高速な撮影が必要な部位には不適応だが,腎臓結石の性状判定やMonoenergetic Imagingなどには対応できるという。

  さらに,シーメンスの逐次近似法を用いた被ばく低減技術である“SAFIRE”が,11月にFDAの認可を受けた。SAFIREは,米国内では“60%の線量削減”という数値を明示することが唯一認められたとのことだ。

1管球の最上位機種SOMATOM Definition Edge
1管球の最上位機種SOMATOM Definition Edge
Definition Edgeに新しく搭載されたステラディテクタ(Stellar Detector)
Definition Edgeに新しく搭載されたステラディテクタ(Stellar Detector)
シーメンスが独自に開発したAD変換を一体化した検出器の基盤
シーメンスが独自に開発したAD変換を一体化した検出器の基盤
名札にシールを貼ってSAFIREのFDA認可をアピール
名札にシールを貼ってSAFIREのFDA認可をアピール

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