インナービジョン

平成18年度 診療報酬改定に対するアンケート調査報告 回答
インナービジョン6月号(21巻6号)より抜粋

【Q6】次の平成20年度改定の争点は何でしょうか。
厚生労働省に何をどのように訴えていくべきでしょうか?
 
【回答】
300床未満
・療養型病床群の削減とDPCの推進。今回の改定にも包括化を前提とした簡素化が散見される。日本の医療サービスはコストパフォーマンスに優れていることを訴えるべき!…無駄かな? (38床,診療放射線技師)
・EMR(電子カルテ)とPACSの促進。ペーパーレス・フィルムレス化。ジェネリック薬品(造影剤も)の促進。DPC(包括)。CT・MRIの計算方法の変更。CR加算の減→変わるもののアップ。 (76床,診療放射線技師)
・機種性能別のみならず,施設のスタッフの専門性を評価すべき。 (120床,診療放射線技師,磁気共鳴専門技術者)
・高額医療の見直しやIVR(冠動脈インターベンション)の医療費削減。世界と比較すると日本では患者一人あたりの医療費は安いと言われている。今まで高額機器などのハード面(CTやMRIの保有台数は世界一であり,その1/3は日本にある)ばかりにお金を掛けてきたがもっと患者に対する手厚いおもてなし(過酷な労働に対する医療スタッフの増員)などのソフト面の充実。 (175床,診療放射線技師)
・現状の把握をできる環境を作る必要があると考えられる。 (無床,医師,消化器外科)
・フィルムレスの時代になっているので,それにどう対処すべきか (100床,医師,放射線腫瘍学)
・まずは部位別点数制度の復活。次に磁場強度およびSDCT,MDCTでの装置の差別化の撤廃と新たな基準による点数区分の新設。具体的には磁場強度ではなく性能(診断能)を見るDWIやperfusion等をおこなった場合の点数区分による性能評価。SDCTと2列MDCTは明確な診断能の差を認めているエビデンスがない。また,MDCTも列数ではなくperfusionやCTA,fusionなどの機能別点数制度への移行。この点をなんとしてでも訴えていくべきではないかと考える。(実名希望:江端清和氏,30床,診療放射線技師)

300床以上
・エビデンスを示しつつ,医療費を削減できる検査法の臨床的価値をしっまり認めてもらうことが必要。またPETによるアルツハイマー病の早期診断,鑑別診断新しい分野についてもぜひ適用をみとめていただくような運動を示す必要がある。 (956床,医師,核医学診療科)
・技術の難易度,安全管理対策の評価。量産経営が余儀なくさせる医療政策を改め,医療職種の専門性が生かされ,医療機関への人の雇用が促進できる医療政策に転換していただきたい。 (620床,診療放射線技師)
・読影料の増加。MRIなら,1.5Tは古い機種も多く,3T以上は別にすべきと思う。 (1100床,放射線科医)
・診療録の電子化とレセプト電子化を絡めた問題が出てくると思いますが…良くは判りません。 (約1000床,診療放射線技師)
・実態に見合った加算を要求します。 (300床,放射線科医)
・装置ではなく,検査内容による点数決定の要求(800床,放射線科医)
・もっと,病院の事や患者の事を理解していただきたく,放射線技師もエビデンスや現状を詳しく説明しなくてはいけないと思います。 また,訴える内容等は速めに提出しなくてはいけないと思います。 (320床,診療放射線技師)
・今回の件を踏まえて,診断・検査精度の評価が論点になり,高精度の診療施設のみ生き残るような形になると思われる。 (500床,診療放射線技師)
・画像診断料をすべて放射線診断医の画像診断管理料に移行させないと,放射線診断医がいない病院などでの過剰検査,国民のX線被曝抑制につながらない。 (1300床,放射線科医)
・一時的な高級装置(マルチCT・1.5TMR)の需要拡大により好調となるが,その後の供給先の減少(倒産・規模の縮小),価格競争の激化(メンテナンス費用も含む)などで産業自体の縮小が考えられる。 (343床,診療放射線技師)
・電子カルテを推進しているなら,それに対して,設備投資しても十分元がとれる点数 (381床,診療放射線技師)
・昭和30年代人口政策の二の舞にならぬよう体力の温存を。20年,30年後に効いてくる医療停滞。 (824床,診療放射線技師)
・検査の質の管理を保証するような保険点数を。 具体的には放射線科医による読影,管理。専門資格のある技師による撮影,管理。 (1000床,放射線科医)
・DPC係数の廃止(民間病院と大規模病院との機能評価を明確にすることを訴える) (804床,放射線科医)
・1,高性能の装置と技術認定の組み合わせ。(テクニカルフィーの評価),2,PACSも含む病院情報システムの評価の差別化と高い評価点。 (616床,診療放射線技師)
・全面的に自由診療を認めてほしい。 (1200床,診療放射線技師)
・わからない。 (700床,放射線科医)
・自民党政府を変える。 (556床,放射線科医)
・放射線検査業務に限っていえば,検査の質を重要視していただきたい。 (616床,診療放射線技師,医療情報技師)
・根拠のある資料を提出して,技師の技術の適正な評価を訴える。CT/MR検査では先進画像加算等を訴える。 (600床,診療放射線技師)
・全面的に自由診療を認めてほしい。施設間で自由競争をさせるべきである。 (1200床,診療放射線技師)
・保守や精度管理,専門制等の評価 (350床,診療放射線技師)
・性能評価の再考と特殊検査(技術) (1000床以上,診療放射線技師)
・読影システムの充実に加算を (500床,放射線科医)
・診療報酬の決定と最策方針が一致した上で,どのような医療機関を設けて行きたいかの指針,運営存続できるビジネスモデルの提言との一体化した改訂を望む。個別企業努力のみに任せるのではなく,護衛船団的な運営の良い点も導入する意図に加えてほしい。 (300床,診療放射線技師)