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取材報告

2011
フィリップスエレクトロニクスジャパン
CT/MRの新製品と臨床応用を紹介する「Philips Imaging2.0」を開催

大阪会場の様子
大阪会場の様子

大阪会場の展示コーナー。CTやMRIのコンソール,PACSなどを展示
大阪会場の展示コーナー。
CTやMRIのコンソール,PACSなどを展示

東京サテライト会場の様子
東京サテライト会場の様子

東京会場でもPACSなどの展示が行われた
東京会場でもiDose4などの展示が行われた

  (株)フィリップスエレクトロニクスジャパンは,CTの新製品である「Ingenuity CT」とMRIの「Ingenia 3.0T/1.5T」の発表と,その技術と臨床応用を紹介するイベント「Philips Imaging2.0〜CT/MR新製品発表と最新テクノロジーの臨床応用」を,7月9日(土),毎日新聞社オーバルホール(大阪府大阪市)で開催した。同イベントは,東京,沖縄,福岡のサテライト会場にインターネット中継され,全国で500名以上が参加した。
  開会の挨拶を行ったマーケティング本部本部長の笠原哲治氏は次のように述べた。
  「今年は,震災の影響で,4月のJRC/ITEMがWeb開催に変更になり,フィリップスが毎年開催しているParallel Imaging Symposiumも中止になった。今回,この“Philips Imaging2.0”を,われわれの最先端技術を発信する場として企画した。Imaging2.0は,フィリップスのラジオロジー分野での基本姿勢を象徴したもので,インターネットの世界で情報のあり方を変革した“Web2.0”に発想を得たものだ。企業の側から製品や技術を一方的に発信するのでなく,“臨床面での協調・融合”“患者中心”“経済的価値の向上”の3つを基本として,ユーザーとの協調のもとに放射線科学領域全体の付加価値を高めるコンセプトである。今回は,その最新の成果としてCTとMRの新製品と技術,臨床応用を紹介する」

  第1部では,「CT/MR新製品の紹介」として,Ingenuity CTとIngenia 3.0T/1.5Tの製品の概要と技術的なポイントを紹介した。Ingeniaについては,高原太郎氏(東海大学)が解説し,2004年から取り組んだ拡散強調画像による全身撮像法であるDWIBSの取り組みから,Ingeniaの開発にかかわるようになった経緯と,DWIBSなど今後の臨床での期待を症例画像を含めて紹介した。
  第2部は,三木幸雄氏(大阪市立大学)を座長として「脳神経領域における3T MRIの臨床応用」が行われた。「3T MRI〜最近の臨床経験」では平井俊範氏(熊本大学)が,新しい撮像法の経験として非造影でMR-DSAのような血行動態を描出する“CINEMA-FAIR”と,位相情報を利用して画像を再構成する“PADRE”について講演した。「3T MRI:脳微小病変診断への試み」では,吉浦 敬氏(九州大学)が,Motion-Sensitized Driven-Equilibrium(MSDE)法を3D TSE法に適用した微小な脳転移の診断への適用の評価と,small FOV法による海馬体の高分解能拡散テンソル画像の取り組みを紹介した。
  第3部は,CTの最新技術として「被ばく低減&画質向上を可能にするiDose4最前線」が,粟井和夫氏(広島大学)を座長として2題の講演が行われた。最初に,「iDose4がもたらす心臓CT検査の新時代〜被ばく低減とクリニカルインフォメーションの増加」を小山靖史氏(桜橋渡辺病院)が発表した。桜橋渡辺病院では,2台のBrilliance iCTが稼働しているが4月からiDose4が導入され800例以上の検査を行った。小山氏は,心臓領域でのiDose4の被ばく低減と画質を評価し,ノイズ除去(DeNoise)の効果が大きく冠動脈解析で血管抽出の精度の向上しワークフローの短縮になること,また,高速再構成により従来と変わらないスキャン数を維持できるなど心臓CTでの効果は大きく,iDose4はすべてのCTに標準装備されるべきだと述べた。続いて,「iDose4を用いた躯幹部CTの進歩」について,片平和博氏(熊本中央病院)が講演し,iDose4は腹部では低電圧CTの画質向上への寄与が大きいとして臨床画像とともに紹介した。
  第4部は,「3T MRI 最新の臨床応用とMultiTransmit技術」について,中村 仁信氏(彩都友紘会病院)を座長として3名が講演した。「3.0T MR 装置による短時間撮影の問題点 −MultiTransmitを導入して」 では,川光秀昭氏(神戸大学)が2チャンネル2ポートのフィリップスのMultiTransmitの方法が,体幹部においてSAR制限を緩和し画質を向上したと述べた。「MultiTransmitを用いた3T MRI〜上腹部領域での臨床応用」を講演した西江昭弘氏(九州大学)は,Gd-EOB-DTPA造影MRIでの肝細胞がんの検出能の検討,高分解能DWIの最適化などの取り組みを紹介した。また,最後に乳腺領域での有用性について「16ch乳房専用コイルを使用したPHILIPS 3.0T 乳房MRIの臨床的意義」を植松孝悦氏(静岡県立静岡がんセンター)が講演し,MultiTransmitを用いた超高分解能MRIはマンモグラフィや病理に近い画像が得られていると評価した。

  各会場には展示コーナーが設けられたが,東京会場でもIngenuity CTのコンソールやiDose4の機能の紹介,sectraとの連携による新しいPACSである“IDS7 PACS Viewer + iReport”などが展示された。


●問い合わせ先
(株)フィリップスエレクトロニクスジャパン
ヘルスケア事業部
お客様窓口
TEL 0120-556-494
http://www.healthcare.philips.com/jp/


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