位置情報付き胸部X線データセット:PadChest-GR(2026/2/10)

2026-4-1


位置情報付き胸部X線データセット:PadChest-GR(2026/2/10)

現在開発されている放射線レポート生成AIモデルは,診断所見の視覚的な根拠(画像のどこを見てそう判断したか)を明示できないことが多く,AI特有の「ハルシネーション(画像にない所見のでっち上げ)」を防ぐうえで課題があった。こうした課題を背景に,スペインの研究チームは,胸部X線画像における所見の位置情報と文章を組み合わせて学習できるAI,グラウンデッド放射線レポート生成モデル(Grounded Radiology Report Generation; GRRG)の開発に必要なデータセット「PadChest-GR」を作成し,NEJM AIに公表した。
本論文によると,既存のPadChestデータセットから4,555例の胸部X線画像を選択した後,GPT-4を用いて所見を抽出し,所見ラベル・位置ラベルと紐づけた。さらに,14名の放射線専門医が陽性所見にバウンディングボックスを付与し,各所見の位置・種類・進行度を体系化した。最終的に,陽性所見7,037文と陰性所見3,422文を含むデータセットが完成し,従来のラベルのみのデータに比べ,画像と文章,位置情報を統合した精緻な対応関係が実現した。
研究者らは「PadChest-GRは,胸部X線画像,文章所見,位置情報を統合しており,AIによるグラウンデッド放射線レポート生成の開発と評価において,信頼性と説明可能性が担保される」と述べている。将来的には,複数の医療機関からのデータ収集やDICOM形式画像の利用,側面像や他モダリティの追加による包括的評価が期待される。

【参照論文】
PadChest-GR : A Bilingual Chest X-Ray Dataset for Grounded Radiology Report Generation


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