シーメンスヘルスケアのMRI装置「MAGNETOM Lumina」が,本態性振戦やパーキンソン病の治療向け集束超音波治療器との併用可能に
~集束超音波治療器と併用可能なMRI装置を横須賀市立総合医療センターに国内初導入~

2025-12-11

MRI

超音波

シーメンスヘルスケア


販売名:MAGNETOM ヴィーダ 認証番号:229AABZX00082000

販売名:MAGNETOM ヴィーダ
認証番号:229AABZX00082000

シーメンスヘルスケア(株)(以下 シーメンスヘルスケア)は,インサイテック社の「MRガイド下集束超音波治療器ExAblate 4000」※1と,Siemens HealthineersのMRI装置「MAGNETOM Lumina」を併用することによって,本態性振戦やパーキンソン病による手のふるえの治療のためのMRガイド下集束超音波治療(FUS)が実施可能となったことを発表した。本装置は2025年4月に国内で初めて横須賀市立総合医療センターに納入され,既に10件を超える症例が実施されている。2025年9月にハンガリーで開催されたヨーロッパ定位脳神経外科学会でもその有効性が発表されている。

集束超音波治療(FUS)とは,本態性振戦やパーキンソン病の患者を対象に,MR画像を用いて,脳深部にある標的組織に対して正確に超音波を集束させて照射することで,脳組織を局所的に熱凝固させ,頭部を切開することなくふるえを軽減させる低侵襲な治療方法。本態性振戦に対する治療は2019年6月に, パーキンソン病に対する治療は2020年9月1日より,保険適用となっている。

本態性振戦は,手のふるえを主な症状とした,身体が規則的にふるえる疾患。その原因が明らかにされてはいないものの,高齢者に多くみられ,40歳以上で4%※2,65歳以上で5~14% ※3が本態性振戦の患者であると言われている。また,パーキンソン病は運動機能に障害が現われる神経の疾患で,手のふるえがよくみられる症状のひとつ。発症年齢は50~65歳に多く,高齢になるほど発病率が増加するとされている※4

高齢化に伴い,こうした神経疾患が増加することが見込まれる背景から,Siemens Healthineersは集束超音波治療器のグローバルマーケットリーダーであるインサイテック社の集束超音波治療器へのMRI装置の互換性対応を進めてきた。今回導入されたのは,Siemens HealthineersのMRI装置「MAGNETOM Lumina」と,インサイテック社の「MRガイド下集束超音波治療器ExAblate 4000」を併用した装置。日本国内で初めて2025年3月1日に開院した横須賀市立総合医療センター(神奈川県横須賀市)に導入され,10件を超える症例が実施されている。

MAGNETOM Luminaは,被検者の生理学的な特性を検知して再現性の高いハイクオリティな画像を安定的に提供する「BioMatrix Technology」とDeep Learningを用いた画像再構成技術「Deep Resolve」により,質の高い効率的な検査を実現する3T MRI装置である。

2025年9月にハンガリーで開催されたヨーロッパ定位脳神経外科学会において,横須賀市立総合医療センターの(ふるえ治療センター長)東島 威史氏より,「MAGNETOM Lumina」のFGATIR撮像(高コントラストで灰白質・白質を描出するMRI撮像法)を用いた研究の成果を発表された。この発表では,振戦制御に関与する線維路(DRTT)と感覚情報を伝える重要な線維路(ML)の境界を高コントラストで可視化し,FUSの安全性と有効性が確認されたことが示されている。東島 威史氏は,以下のように述べている。「Siemens Healthineersの装置とのFUSインテグレーションは国内初の試みであったため,ワークフロー部分において様々なチャレンジがありました。10例以上の症例を経験し,当施設スタッフも手技に慣れ,現在ではワークフローを確立し,施設スタッフのみで治療を完遂できるようになりました。MAGNETOM Luminaは画質を高めながら,高速化を実現できており,実際に検査を受けた患者からもワイドボアで検査が快適であったとお声をいただいております。」

2025年12月13日(土)に愛知県で開催される第8回 日本経頭蓋集束超音波治療学会でも,同施設により,「MAGNETOM Lumina」を用いたFUSの成果について3演題が発表される予定。

同社は引き続き,MRI のリーディングカンパニーとして,さまざまなイノベーションにより,顧客と患者のニーズに応える製品やソリューションの提案に邁進していく。

※1 製造販売:パシフィックブリッジメディカル(株)
※2 Dogu O, et al. Neurology. 2003; 61: 1804-1806
※3 Moghal S, et al. roepidemiology. 1994; 13: 175-178およびLouis ED, et al. Mov Disord. 1996; 11: 63-69
※4公益財団法人 難病医学研究財団/難病情報センターによる。
※ 本リリースに掲載されている社名及び製品名は各社の商標または登録商標。

 

●問い合わせ先
シーメンスヘルスケア(株)
https://www.siemens-healthineers.com/jp/

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