アナウト,手術認識支援AI「EUREKA α」機能追加・適応拡大に伴う薬事承認を取得し,臨床現場で「判断を支える」フェーズへ

2026-1-29

AI

手術支援ロボット


人工知能を活用した外科手術AIシステム「EUREKA」を開発するアナウト(株)は,手術中リアルタイムに構造物の位置や領域を推定し,強調表示することで医師の視覚支援を行う手術用画像認識支援プログラム「EUREKA α (ユーリカアルファ)」*について,既承認製品の機能追加および適応拡大に関する変更承認を,2026年1月28日付で厚生労働大臣より取得した。(承認番号:30600BZX00061000)。販売準備が整い次第,EUREKA α(第2世代)として,本製品の販売を開始する。

本EUREKA α(第2世代)では,2024年4月に日本で初めて医療機器として承認された疎性結合組織の強調表示機能に加え,以下の機能が新たに追加された。

・膵臓の強調表示(胃領域)
・神経の強調表示(大腸領域)
・疎性結合組織の強調表示(婦人科領域への適応拡大)

また,da Vinci XiサージカルシステムのTileproに対応することで,腹腔鏡下手術に加え,ロボット支援手術においても術野内へ自然に情報を統合し,術者の視認性と判断効率の向上を支援する。

*一般的名称 : 手術用画像認識支援プログラム
販売名: EUREKA α 手術認識支援プログラム
製品仕様:ver.2.0.0

EUREKA α

 

「可視化」から「判断を支える」フェーズへ

EUREKA αはこれまで,疎性結合組織の強調表示を通じて,解剖構造理解の支援に貢献してきた。EUREKA α(第2世代)では,神経・膵臓といった温存臓器の認識支援を新たに実現した。これによりEUREKA αは,可視化技術から,術中判断の質の向上を目指す臨床支援AIへと進化する。

膵臓とは
膵臓は消化酵素やホルモン分泌を担う重要臓器であり,上腹部から後腹膜にかけて複雑な解剖構造の中に位置している。膵臓周囲には血管や神経が密に走行しており,消化管手術,特に胃がん手術において,意図せず牽引や圧迫が加わるリスクが存在する。これは,術後膵炎や膵液瘻といった重篤な合併症につながる可能性があり,患者の予後や在院日数に大きな影響を与えることが知られている。術中に膵臓の位置や広がりを適切に把握できることは,膵臓を傷つけない安全な手術を実現するための重要な視覚的手がかりとなる。

神経とは
神経は運動・感覚・自律機能を担う繊細な組織。大腸がん手術,特に直腸手術においては,骨盤内を走行する下腹神経,骨盤内臓神経などが重要だが,認識が難しく,剥離操作中に損傷するリスクを伴う。神経損傷は術後の排尿障害や性機能障害など,患者のQOLに大きな影響を及ぼすため,神経温存は,腫瘍の根治性と並び,直腸手術における重要な要素とされている。術中に主要な神経の走行やネットワーク状に広がる神経の広がりを適切に把握することは,根治性と機能温存を両立するための重要な視覚的ランドマークとなる。

婦人科手術における疎性結合組織とは
疎性結合組織は,臓器・組織間に存在する線維性の構造であり,婦人科手術の子宮周囲においては,膀胱,直腸,尿管,血管などの重要構造の間に存在している。とくに膀胱との境界領域では,疎性結合組織からなる剥離層を正しく認識することが,膀胱損傷や出血の回避につながるため重要。疎性結合組織を意識した操作は,膀胱や尿管といった温存すべき臓器への配慮を伴う婦人科手術を支える要素の一つであり,今後さらに臨床現場での理解と活用が進むことが期待されている。

今後もアナウト(株)は,臨床現場における課題を起点に,解剖への深い理解と人工知能をはじめとする技術を融合し,医師と患者の安全を支える技術の創出に取り組んでいく。

 

●問い合わせ先
アナウト(株)
セールス&マーケティング本部
担当:玉谷
sales-marketing@anaut-surg.com
https://anaut-surg.com/

AI

手術支援ロボット


TOP