ボストン・サイエンティフィック ジャパン,国内リアルワールドデータを活用し適応拡大承認を取得した冠動脈用薬剤コーティングバルーン「AGENT™」が長病変対応ニーズに応え,バルーン長40mmの新サイズを発売
2026-4-1
販売名:
Agent パクリタキセルコーティッド バルーンカテーテル
医療機器承認番号:30400BZX00272000
ボストン・サイエンティフィック ジャパン(株)は,2026年4月1日に,冠動脈疾患におけるPCI治療の一つである薬剤コーティングバルーン「AGENT™」(以下,AGENT)について,医療現場のニーズに対応するため,バルーン長40mmの新サイズを販売開始する。
なお,2026年2月19日に対照血管径3.0mm以上の新規冠動脈病変への適応拡大承認を取得した。今回のサイズ追加と合わせて,より幅広い病変に対応し,病変特性に応じた低侵襲な経皮的冠動脈形成術(PCI)治療の選択肢を提供できるようになる。
同社代表取締役社長 森川智之氏は,「国内実臨床で蓄積された知見をふまえ,AGENTの適応拡大承認およびサイズラインナップの拡充を実現できたことにより,治療選択肢をさらに広げ,より柔軟な治療戦略に貢献できるものと考えています。同社は,今後も確かなエビデンスと医療現場の声に基づいた製品開発と,幅広い製品ポートフォリオを活かして多様な医療ニーズに応え,日本の医療に貢献してまいります。」と述べている。
■AGENTの特徴とサイズラインナップ拡充
AGENTは,疎水性と親水性のバランスの取れたボストン・サイエンティフィック独自のTransPax™(トランスパックス)テクノロジーにより,血管内デリバリー中にバルーン表面にコーティングされた薬剤(パクリタキセル)の流出を低減させるように設計されている。これにより,病変部に適量の薬剤を送達させ血管壁に浸透させることで,再狭窄を抑制する効果が期待されている。
2023年2月の国内販売開始以降,バルーン長15mm,20mm,30mmの3種類を提供していたが,病変が長く複雑化する傾向を背景に,近年は,より長いサイズへのニーズが高まっていた。今回,新たに40mmサイズを追加したことで,長病変への対応が可能となり,治療選択の幅がさらに広がることが期待される。
■適応拡大の概要
これまで,AGENTは,ステント内再狭窄病変および対照血管径3.0mm未満の新規冠動脈病変を対象として使用されてきた。2026年2月19日に,対照血管径3.0mm以上の新規冠動脈病変への使用について適応拡大の承認を取得したことで,血管径による使用制限が緩和され,より幅広い病変に対する治療が可能となった。
今回の適応拡大の承認取得では,新たな取り組みとして注目されているリアルワールドデータの活用が実践された。日本国内で東邦大学医学部循環器疾患低侵襲治療学講座(寄付講座)の中村正人教授を中心に実施された前向きレジストリ「ALLIANCE Registry」(以下,本レジストリ)の結果を踏まえて申請したものである。
本レジストリは,1,800例を超える患者を対象としたオールカマーのデノボレジストリとして実施された。本試験において,パクリタキセル薬剤コーティングバルーン(AGENTを含む)は,多様かつ複雑なデノボ病変に対して評価され,事前に設定された主要評価項目(TLF:標的病変不全)において,1年時点で良好な成績が示された。1年時点のTLFは4.7%であり,事前に設定されたパフォーマンス基準を満たした。これは主に,標的病変再血行再建(TLR)および心筋梗塞(MI)の発生率が低く抑えられたことによるものである。また,本試験には糖尿病患者や石灰化病変など,臨床的に難易度の高い症例が多く含まれており,こうした背景を有する患者集団においても,安定した治療成績が示された。
国内実臨床下で蓄積されたリアルワールドデータ活用による承認取得は本邦初であり,産官学連携の特筆すべき事例としても注目されています。本レジストリに関する追加情報は,試験責任医師より別途発表される予定。
今回の承認に関して,一般社団法人日本心血管インターベンション治療学会の理事長である,帝京大学医学部附属病院 内科・循環器内科科長 内科主任教授 上妻 謙氏は,「冠動脈治療の現場では,高齢化や基礎疾患を有する患者の増加に伴い,病変が長く,かつ複雑化する傾向がみられています。一方でACSを中心に若年発症の患者も多く,異物を残さない治療のニーズも強いです。そのため,患者背景や病変特性に応じた柔軟な治療選択肢を持つことの重要性は,年々高まっています。今回の AGENT の適応拡大と新サイズの追加は,実臨床のニーズに即した治療選択の幅を広げるものと考えています。」と述べている。
■冠動脈疾患について
心臓をとりまく冠動脈の内壁に徐々に沈着したコレステロール(脂肪)などが血管の内腔を狭め,血管に流れる血液量が減少し,十分な酸素や栄養素を心筋に供給できなくなることにより,胸痛や胸部圧迫感を招く。これが一般的な狭心症の症状。また,急に冠動脈が完全に閉塞して血流が途絶えると,急性心筋梗塞に至る。このような冠動脈疾患の治療は,大きく分けて3つある。薬物治療,冠動脈バイパス術,経皮的冠動脈形成術である。
経皮的冠動脈形成術は,カテーテルを用いた治療法。バルーンと呼ばれる特殊な風船やステントと呼ばれる金属の筒を病変部へ進め,血管の中から狭くなった部分を拡げる低侵襲的な治療法である。ステントを留置する治療法は広く行われるようになっているが,ステント留置後にステント内再狭窄(ISR)が起こることがある。薬剤コーティングバルーンは,このようなISRの治療法として考案され,近年ではステント留置が望ましくないと考えられる比較的血管径の小さい新規冠動脈病変でも使用される機会が増えている。
参考:経皮的冠動脈形成術(PTCA) | 冠動脈疾患 | 一般・患者さん | ボストン・サイエンティフィック ジャパン(https://www.bostonscientific.com/jp-JP/health-conditions/cad/cad-03.html )
●問い合わせ先
ボストン・サイエンティフィック ジャパン(株)
コーポレートコミュニケーション
Email: pressroom@bsci.com
https://www.bostonscientific.jp
