メドレー,電子カルテ「MALL」への文書作成支援AIのパイロット版提供など,医療分野におけるAIサービスの強化を発表
2025-12-8
電子カルテ「MALL」への文書作成支援AIの
パイロット版の提供
(株)メドレーは2025年12月4日(木),病院・有床診療所向け電子カルテ「MALL」の導入施設を対象に,医療文書作成をAIで支援する新機能「AI文書作成アシスト」のパイロット版の提供開始を発表した。生成AIによる診断書や診療記録などの医療文書作成業務の効率化を図ることで,医師の働き方改革の推進や病院経営の改善につなげる。同日には本社(東京都港区)で報道関係者向けに説明会を開き,新サービスを含めた事業展開などをアピールした。
AI文書作成アシストは,電子カルテに蓄積された患者情報や診療履歴,検査結果,看護記録などのデータから,ワンクリックで医療文書の下書きを自動生成する。パイロット版を導入した医療機関での計測結果では,退院サマリで平均7割以上,退院看護サマリでは最大8割程度の作成時間削減効果が確認されている。退院サマリ,診療情報提供書,主治医意見書,退院看護サマリ,経過要約の5文書に対応。今後,医療・介護連携に必須の文書や労災・自賠責関連の文書などに順次拡大していく。
説明会では,瀧口浩平代表取締役社長が登壇。赤字経営や医師の働き方改革などの医療機関の課題を指摘した上で,文書作成に時間を要して,業務の効率化が進んでいないことが要因だと説明した。一方で,AIなどの技術革新や国を挙げて,医療DXに取り組んでいることから医療業務支援システム市場は成長していると述べた。その上で,同社は「医療ヘルスケアの未来をつくる」というミッションを掲げ,医療従事者,事業者,患者・生活者向けに,SaaSでのサービスを提供していると説明。今年9月には医療プラットフォーム事業のプロダクト群のブランドをリニューアルして,「MEDLEY AI CLOUD」として提供していると紹介した。
瀧口浩平 代表取締役社長
次いで,医療プラットフォーム(PF)本部の宍戸展志CTOがこのMEDLEY AI CLOUDについて解説。MEDLEY AI CLOUDは,患者・生活者向けアプリ「melmo」を中心に,病院・有床診療所向け電子カルテのMALL,診療所向けのクラウド診療支援システム「CLINICS」,調剤薬局向け統合型クラウドソリューション「MEDIXS」,歯科診療所向けクラウド歯科業務支援システム 「DENTIS」,地域連携向けのクラウド型地域包括ケアソリューション「MINET」を展開。病院・診療所・歯科・調剤薬局が,患者・生活者とつながるAI機能を有するサービスを提供していると説明した。さらに,医療PF本部の水谷真樹コンシューマーサービス室長は,melmoについて紹介。医科・歯科・調剤の各領域をシームレスにつなぎ,スマートフォンでのチェックイン機能やアプリ決済により,受付の無人化と待ち時間の解消を実現していると述べた。
説明会では,MEDLEY AI CLOUDのユーザーである松岡歯科の松岡鮎美院長が,患者が来院から治療,帰宅まで待ち時間なくスムーズに受診できるスマートクリニックの事例を報告。医療従事者は業務効率化により患者との対話に集中でき,信頼関係の構築につながっていると語った。
医療プラットフォーム「MEDLEY AI CLOUD」では,患者・生活者向けアプリ「melmo」を中心に,病院,診療所などへAIサービスを提供
●問い合わせ先
(株)メドレー
https://pcmed.jp/
