ITEM in JRC 2010

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Images, my way - syngo.viaがつなぐ,まったく新しい画像診断ワークフロー

  新世代の画像解析処理システム“syngo.via”を発表したシーメンスブースでは,syngo.viaそのものをブース全体のコンセプトとして象徴的に掲げ,syngo.viaの先進性を強調するブース展開を行った。各製品を単独でアピールするのではなく,syngo.viaによって製品一つひとつを線でつなぐことで,ワークフローをいかに改善するかを具体的に提案。ブース中央で行われるプレゼンテーションもsyngo.via一色となり,多くの来場者の注目を集めていた。(4月9日取材)

  シーメンス旭メディテックブース
シーメンス旭メディテックブース

● Healthcare IT:従来の画像診断にはない,まったく新しいカテゴリーの製品として「syngo.via」を発表

  同社は今回,3DワークステーションでもPACSでもない,新世代の画像解析処理システムとして「syngo.via」を発表した。従来,画像診断は,1)モダリティ,2)PACS,3)ポストプロセッシングシステムの3つのカテゴリーで成り立っていたが,syngo.viaはこのいずれにも属さない第4番目の新しいカテゴリーと位置づけている。PACSの画像表示機能を進化的にカバーし,画像診断ワークフローに組み入れることが可能な自動画像処理(Auto Processing)や,モダリティとの親和性やさまざまなITシステムとの連携性(Accessibility)を有することで,いつでも,どこでも(Anytime, Anywhere)必要な画像を最適なアプリケーションで表示できることが特長となっている。これにより,既存のインフラを何も変えることなく,syngo.viaを追加するだけで,画像診断ワークフローの飛躍的な改善が可能となる。

  具体的には,syngo.viaでは,HISやRISとの連携により,患者ごとの検査領域や検査目的を判断し,CTやMRIなどのモダリティが生成する画像データがsyngo.viaに送信されると,画像診断に必要な画像解析や比較読影に必要な過去画像取得と最適なレイアウト表示などが,自動的にかつ高速に行われる。電子カルテの画像呼び出しボタンと連携可能なインターフェースを有していることで,画像を呼び出すと必要なアプリケーションが処理ずみ画像を自動で表示するため,従来はワークステーションなどを使って手動で行っていた3D画像作成のワークフローが大幅に改善されることになる。この結果,画像診断に取り掛かる時間が改善されるのはもとより,例えば,救急患者の搬送後の「検査実施から画像表示まで」の時間を短縮でき,担当医師がいつでも自由に必要な画像を閲覧することが可能となる。つまり,従来の“3D画像を作る”という考え方から“3D画像を自動表示する”時代への先進性をめざしたものと言える。また画像参照は,既存の汎用PCをクライアントにして行うことができる。

  さらに,従来はコンソールからしか行うことができなかったスキャンプロトコールの設定を他の端末から行うことが可能となったほか,システムの維持管理面においては,ソフトウエアのバージョンアップやサーバの状況監視をリモートで行うことでコストを抑制し,導入後に増加傾向となる費用を一定の範囲内で保守契約を設定することで,TCO(Total Cost of Ownership)の抑制にもつなげることが可能となった。また,システムを停止することなくバージョンアップが可能なように工夫されていることも,大きな特長となっている。

 

ブース中央に設置されたsyngo.via
ブース中央に設置されたsyngo.via

より直感的な操作が可能になったsyngo.viaのGUI
より直感的な操作が可能になったsyngo.viaのGUI


● MRI:優れた操作性を実現する新技術を搭載した3T MRI「MAGNETOM Skyra」を展示

  MRIは新製品として,デザインが一新された3T MRI「MAGNETOM Skyra」と1.5T MRI「MAGNETOM Aera」の2機種が発表された。ブースにはMAGNETOM Skyraの実機が展示され,注目を集めた。

  MAGNETOM Skyra は,MAGNETOM Verioと同じマグネットを採用し,70cmのオープンボアを継承しつつも,新たに搭載された最先端技術によって,より高性能な装置となっている。第4世代Timテクノロジーである“Tim4G”では,コイルのチャンネル数が従来のハイエンド装置の32チャンネルから,48,64,128チャンネルから選べるようになったほか,コイルエレメントは最大204個と大幅に拡張。この高密度コイルによって,従来の1.5T装置と比べてSNRが4倍に向上したことで,超高分解能撮像やより高速な撮像が可能となった。

  また,syngo.viaと同じユーザーインターフェイスを採用した新しいコンソールには,患者さん一人ひとりに合わせたMRI検査を容易に可能にする新機能,“Dot(Day optimizing throughput)エンジン”が搭載された。読影医の検査ストラテジーや患者さんの年齢や体格などに応じて,FOVや息止め時間,ハートレートの設定をコンソールが自動で行うほか,コンソール上にガイドが表示されており,その手順に沿って設定を行っていくだけで,誰でも質の高い検査を簡単に行えるようになる。プロトコールの事前登録も可能であり,例えば,以前に行われた検査と同じプロトコールを翌日の検査予約に反映させておけば,検査当日にはすべての準備が整っているため,検査時間の短縮や作業効率の向上に貢献する。

 

3T MRI「MAGNETOM Skyra」
3T MRI「MAGNETOM Skyra」

  このほか寝台にも,コイルをスライドさせるだけで簡単にジョイントできる“SlideConnect”方式が採用された。 また,既存装置にも対応する新しくなった乳腺イメージング専用コイルでは,乳房の大きさに合わせたサイズ変更や,4chのバイオプシー対応コイルへの付け替えも可能になった。


● CT:SOMATOM Definition Flashの被ばく低減技術をアピール

  高速撮影と低被ばくが特長の,128スライスCTと同じユニット2基を搭載したデュアルソースCT「SOMATOM Definition Flash」が展示の中心となった。同社独自の技術であるフラッシュスパイラルによって,ガントリ回転スピード0.28秒,テーブルピッチは秒間46cmを実現し,この被ばく時間の短縮によって,心臓CTでは1回の撮影あたりの被ばく線量を1mSv以下に抑えることができる。寝台にLEDが設置され,色の動きと変化によって,実際の各部位の検査における撮影スピードが実感できるよう工夫されていたほか,壁面に設置されたモニタには,世界中のSOMATOM Definition Flashでの心臓検査における実際の被ばく線量の平均値が30分ごとにアップデートされ,実臨床で1mSv以下での検査が行われていることが実証されていた。

  CTは今回,同社がこれまでに取り組んできた被ばく低減技術の研究成果が大きな年表として掲示され,“Low Dose CT”が最大のテーマとなった。中でも最新の被ばく低減技術である,逐次近似法に属した反復画像再構成法の“IRIS(Iterative Reconstruction in Image Space)”では,従来と同じ線量であれば画質を大幅に向上し,従来と同じ画質であれば被ばく線量を最大60%低減することが可能となる。IRISが搭載された新製品として,今年3月に「SOMATOM Definition AS IRIS」の販売が開始された。このほか,スパイラルスキャン時に発生する不要な放射線を遮断する“Adaptive Dose Shield”が展示され,放射線を遮断する際のシールドの動きが見られるようになっていた。

 

SOMATOM Definition Flash
SOMATOM Definition Flash

Adaptive Dose Shield
Adaptive Dose Shield


● MI:同社最高クラスのPETとCTを搭載した「Biograph mCT」を展示

  MIは,PET・CTの最上位機種である「Biograph mCT」が展示された。分子イメージングへのさらなる貢献を追究し,PETもCTも同社最高クラスのシステムを搭載している。CTは SOMATOM Definition AS/AS+が搭載され,40,64,128スライスから選択できるほか,高感度なLSOクリスタルを搭載したPETはtime of flight(TOF)法を採用し,さらには従来よりも病変の画像コントラストを大幅に向上するultra HD・PET技術によって短時間でより高画質なPET画像を得ることが可能となった。CTの単独使用も可能なため,病院経営にも大きく貢献する。

 

Biograph mCT
Biograph mCT


● X-Ray:ルーチンで威力を発揮する一般撮影装置「Ysio」を展示

  X-Rayは,臥位のワイヤレスFDと立位のディテクタを組み合わせた1管球2ディテクタシステムの一般撮影装置「Ysio」が展示された。半切サイズの FDにはワイヤレスLANが内蔵されており,撮影室内での自由な持ち運びが可能なため, CRを使用することなく,FDをスタンドに立てたり,患者さんに抱えてもらうなどして,さまざまな体位で撮影することができる。また,管球がボタン1つで片手でも軽く動かせるほか,プリセット機能によって,本体に登録された位置にボタン1つで自動的にセッティングできるなど,ワークフローを大きく向上する。

  血管撮影装置は,今回は実機は展示されなかったが,コンソールとシミュレータが設置され,実際の動きを体感できるよう工夫されていた。

 

快適なワークフローを提供するYsio
快適なワークフローを提供するYsio


● SP(Special Product):高い臨床実績を誇る各種製品を紹介

  SPは,デジタルマンモグラフィ「MAMMOMAT Inspiration」,超音波診断装置「ACUSONS2000」と乳がん検診用超音波自動ボリュームスキャナ「ABVS」(Automated Breast Volume Scanner),モバイル一般撮影装置「MOBILETT XP Digital」などが展示された。中でも,MAMMOMAT Inspirationの三次元画像収集による断層撮影“デジタルトモシンセシス”と,ABVSが注目を集めた。

  ABVSは,スタンド,アーム,タッチパネル,14MHzのトランスデューサーで構成されたABVS モジュールを,ACUSON S2000と組み合わせて使用する。国内でもすでに臨床稼働を開始しているが,術者の技量に左右されずにボリュームでのデータ収集が可能となり,かつ過去データを残せるようになったことで,超音波が“検査”から,より客観的な評価が可能な“画像診断”に変わったと高く評価されている。また,両側乳房が10分程度で撮影できるため,従来に比べて検査時間の大幅な短縮が可能となる。


MAMMOMAT Inspiration
MAMMOMAT Inspiration

ACUSONS2000とABVS(右)
ACUSONS2000とABVS(右)

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