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RSNA2011

RSNA2011
■ Philips Healthcare(フィリップス)
  dStream技術のMRI:Ingenia 1.5T & 3.0T

RSNA2011 [第1日目:11月27日(日)]

  MRIは,RSNA2010で発表され,dStream技術によってチャンネルフリーを実現して大きな注目を集めた,「Ingenia」の1.5T,3.0Tを展示した。世界市場ではインストールベースで100台,2011年中に200台の受注を得ているという。日本では,2011年5月に,国内第1号機が東海大学に導入されたほか,年内10台の稼働を予定している。

  Ingeniaは,アナログデジタル変換器(ADC)をワンチップ化することでフルデジタル化を実現し,SNRを40%向上したが,今回の展示では特に腫瘍(オンコロジー)をターゲットとして,Ingeniaの実力を実証する世界の導入施設からの臨床画像を数多く提示した。日本からは,1号機が導入された東海大学での臨床画像が紹介されていた。また,ブース内では,Ingeniaのワンチップ化されたADCと,Interaの6チャンネル,Achievaの4チャンネルのADCのボードを展示し,高集積化技術によって実現された小型化が一目で実感できるようになっていた。

  従来,全身の腫瘍検査の拡散強調画像(DWI)では,20〜30分かかっていたが,Ingeniaでは半分以下の時間で検査が可能になっている。また,“インテグレーション”としては,同社のPACSのアプリケーションで,CT,MR,核医学などのマルチモダリティの画像データをトータルに扱うことができる「IntelliSpace Portal」(日本国内薬事未承認)に,MRIの新しい機能として“Tumor Tracking”が搭載された。Tumor Trackingは,腫瘍の治療後の経過観察を,腫瘍の大きさやADC値などによって自動的に行えるソフトだが,IngeniaのSNRの良い画像によってコントラストが向上し,より精度の高いトラッキングが可能になった。そのほか,オンコロジーにフォーカスして解析が可能なソフトをそろえた。

  また,MRIのソリューションとして,超音波治療装置(HIFU)を展示した(日本国内薬事未承認)。従来は,子宮筋腫のみの対応だったが,骨転移の疼痛緩和治療の機能を追加した。HIFUでは,MRIで撮像し温度管理をしながら,テーブルに埋め込まれたコイルを使って治療を行う。アジアでは韓国などでも導入されるなど実績を伸ばしているが,今後は乳腺への対応を含めてさらなる拡大を図っていく予定だ。

Ingenia 3.0T。左のテーブルが超音波治療装置(HIFU)
Ingenia 3.0T。左のテーブルが超音波治療装置(HIFU)
Tumor Trackingなどアプリケーションや臨床画像を紹介
Tumor Trackingなどアプリケーションや臨床画像を紹介
ADCの進歩。左からInteraの6チャンネル,Achievaの4チャンネル,Ingeniaのチップ
ADCの進歩。左からInteraの3チャンネル,
Achievaの4チャンネル,Ingeniaのチップ
dStream技術を可能にしたIngeniaのADCチップ
dStream技術を可能にしたIngeniaのADCチップ

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