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ソニー,高速・高精度な細胞分取が可能な閉鎖型セルアイソレーションシステム「CGX10」を2022年秋に発売GMPに適合する細胞治療分野での活用に期待

2022-1-28

セルアイソレーションシステム「CGX10」

セルアイソレーションシステム「CGX10」

ソニー(株)は2022年1月26日(水),閉鎖型構造のセルアイソレーションシステム「CGX10」を2022年秋に発売することを発表した。CGX10は,細胞を高速・高精度,かつ滅菌状態での分取が可能な装置で,研究開発に留まらず,近年注目されているCAR-T細胞治療法などの細胞免疫療法などへの活用が期待される。発表当日にはオンライン記者発表会が開催され,メディカルビジネスグループライフサイエンス事業部長川崎泰介氏や同事業部商品企画室課長の林 義治氏らが,新製品について紹介したほか,同日午後には同社のソニーシティみなとみらい(神奈川県横浜市)で製品内覧会も行われた。

CGX10は,体内から採取した細胞に4種類のレーザーを照射して細胞表面の抗原タイプや大きさを検出,細胞を解析し,対象の細胞を分取する。解析・分取を行うチップには,ブルーレイディスクなどに用いられるマイクロ加工技術が応用されている。林氏は,CGX10の特徴として滅菌状態を維持する閉鎖構造設計を挙げ,1回の分取ごとに消毒ずみのチュービングキット一式を使用するため,検体の相互混入を防ぐことができるとした。また,分取した細胞の生存率は高く,かつ約97%の高純度,約10万細胞/秒の高速分取を実現したほか,クリーンルームでの設置を想定してタッチパネルを搭載,グローブ越しでも直感的な操作が可能になったと述べた。林氏は,「ソニーはB to Cの多くの製品ラインアップを持っており,そこで培われた“使い勝手の良さ”を求める姿勢が新製品にも生かされている」とアピールした。

さらに,CGX10は遺伝子治療を含む細胞免疫療法や再生医療のGMP(医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理の基準)に準拠した製造で使用するように設計され,分析証明書(CoA)や製品情報ファイルなど,GMPに適合する細胞製造に必要なドキュメントを提供する。免疫細胞療法の領域では,がん患者から抽出した免疫細胞(T細胞)に対し,がん細胞の表面に発現する特定の抗原を認識,攻撃するキメラ抗原受容体(CAR)を作り出すよう遺伝子改変を行って体内に戻すCAR-T細胞治療法がすでに実臨床で行われている。また,制御性T細胞(Treg)を用いて免疫を抑制する手法も研究が進められており,Ⅰ型糖尿病や関節リウマチなどの自己免疫疾患への応用が期待される。川崎氏は,現在多くの免疫細胞治療法が臨床開発中であり,2025年前後に産業化のフェーズに至るとの予測を示した上で,より効果の高い細胞の分取や治療薬の製造に向け,CGX10に注目が高まることが期待されると展望を示した。

チップ内で高精度に細胞を解析・分取する

チップ内で高精度に細胞を解析・分取する

 

消毒ずみのチュービングキット一式。セッティング後は自動で分取が行われる。

消毒ずみのチュービングキット一式。セッティング後は自動で分取が行われる。

 

タッチパネル上で直感的な操作が可能

タッチパネル上で直感的な操作が可能

 

林 義治 氏(ライフサイエンス事業部商品企画室課長)

林 義治 氏
(ライフサイエンス事業部商品企画室課長)

 

川崎泰介 氏(ライフサイエンス事業部長)

川崎泰介 氏
(ライフサイエンス事業部長)

 

●問い合わせ先
ソニー(株)
https://www.sony.co.jp/

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