Vol.6 MRI:体幹部領域におけるVolumeアプリケーションの臨床応用

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line JRC 2008
よりよい放射線医療を求めて ─ナノからテラまでの戦略─
  • 第67回 日本医学放射線学会総会(JRS)
  • 第64回 日本放射線技術学会総会学術大会(JSRT)
  • 第95回 日本医学物理学会学術大会(JSMP)
  • 2008 国際医用画像総合展(ITEM in JRC 2008)
会場


 みなとみらい周辺の桜が満開を迎えた4月4日(金),JRC2008が,パシフィコ横浜で幕を開けた。企画・運営の日本ラジオロジー協会(JRC)は昨年設立20周年の節目を迎えており,今回のJRCは新たな歴史の始まりとも言える。

  1987年に日本医学放射線学会(JRS),日本放射線技術学会(JSRT),(社)日本画像医療システム工業会(JIRA)の3団体によって設立された日本ラジオロジー振興協会(JMCP)は,2002年に,現在の有限責任中間法人日本ラジオロジー協会(JRC)となった。その後2005年には,日本医学物理学会(JSMP)が社員に加わり,現在に至っている。

  回を重ねるごとに発展を続けてきたJRCの歩みは,放射線医療の進歩とともにあった。それはJRCの基本理念「放射線科学の協調と発展」のもとに産学が連携し,より良い放射線医療をめざしてきたということでもある。JRC2008では,メインテーマに「よりよい放射線医療をめざして」が掲げられたが,この言葉はこれまでのJRCの歴史を表すとともに,次の20年に向けられたメッセージとも言えるだろう。

会場内

オープニングイベント

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 初日4日の9時からは展示ホールでITEMの開会式,また10時からはメインホールで合同開会式が行われた。合同開会式では,JRCの遠藤啓吾代表理事,第67回日本医学放射線学会総会の松井 修会長(金沢大学),第64回日本放射線技術学会総会学術大会の真田 茂大会長(金沢大学),第95回日本医学物理学会学術大会の村山秀雄大会長(放射線医学総合研究所),ITEMを運営するJIRAの猪俣 博会長(当時)が出席した。合同開会式では恒例となった横浜市消防音楽隊の演奏が行われ,JRSの松井会長が挨拶に立った。松井会長は,社会から医療現場の品質管理とも言うべき医師の専門性や倫理が問われている」と述べ,学会に求められているものは何かという観点でプログラムを構成していると説明した。続いて挨拶を行ったJSRTの真田大会長はプログラムについて,国際化・学際化を意識したものとなっており,基礎と臨床,産学の連携を図るため,合同シンポジウムなどの企画を多くしたと述べた。また,JSMPの村山大会長は,JRC参加以降,学会員が3割増え,演題数も増加していると挨拶した。

  村山大会長の挨拶にもあったように,JSMPの演題数はJRC参加以降増えている。JRC2007では,口述が108題,CyPosが24題であったが,JRC2008では,口述が128題,CyPosが10題の計138題となった。参加した2005年が口述が79,展示が28題だったことを考えると,その数は順調に伸びていると言える。  そのほかの演題数を見てみると,JRSは口述が434題,CyPosが738題,教育展示が71題だった。また,JSRTは口演が379題,CyPosが348題。CyberRAD 2008は,一般演題が12題だった。

遠藤啓吾 JRC代表理事
松井 修 JRS会長
真田 茂 JSRT大会長
村山秀雄 JSMP大会長
猪俣 博 JIRA会長(当時)
遠藤啓吾 JRC代表理事
松井 修 JRS会長
真田 茂 JSRT大会長
村山秀雄 JSMP大会長
猪俣 博 JIRA会長(当時)

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 JSRTの真田大会長の挨拶にもあったとおり,JRC2008では例年より合同企画が数多く設けられた。4日には,メインホールにおいて2つの合同特別講演が行われた。まず,シカゴ大学の土井邦雄氏が「過去50年における画像診断の飛躍:医用画像のサイエンスと技術」と題して講演した。それに引き続き,合同特別講演2として,名城大学の飯島澄男氏が「ナノカーボン材料とナノメディスン」をテーマに講演した。

  また,合同シンポジウムも5つ設けられた。4日には,がん対策基本法の施行や診療報酬改定で放射線治療の医療機器安全管理料2が新設されるといった動向を踏まえた合同シンポジウム1「放射線治療の安全確保とquality control」が行われた。また,合同シンポジウム2は,「バーチャル内視鏡による3次元画像診断─技術と臨床,現状と将来─」と題してCTコロノグラフィなどで注目を集めているバーチャル内視鏡がテーマとなった。なお,CTコロノグラフィに関しては,昨年に引き続き今年も「CTコロノグラフィートレーニングコース」が前日3日に開催された。東海大学の今井 裕氏,国立がんセンターの飯沼 元氏が司会を務め,特別講師として,ハーバード大学の吉田広行氏,ベルギーのStedelijk ZiekenhuisのPhilippe Lefere氏が講演を行った。

  JRC2日目には,合同シンポジウム3「PET装置の校正と定量性の向上」,合同シンポジウム4「最新の3Dイメージング」が開かれた。最終日には,合同シンポジウム5が設けられ,「放射線医療における男女共同参画」と題して,働きやすい病院という視点で施設を評価するホスピレート事業を行っているejnetの瀧野敏子氏が基調講演を行ったほか,女性医師・技師の現場からの意見や病院の取り組みなどが発表された。

学会受付の様子 学会受付の様子 学会受付の様子
学会受付の様子    

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 昨年からCyPosと同じ展示ホールAで行われるようになったCyberRad 2008は,「ワークフロー重視のシステム化の実現─よりよい情報システムを求めて─」がテーマとなった。IHEデモには,2月に行われたコネクタソン2008の結果を踏まえ,27のベンダーが参加した。一方,一般演題では12題の発表があった。今回のCyberRadは,ITEM会場と連動した企画も用意された。ITEM会場では,CD-R等可搬媒体による医用画像データの受け渡し(PDI DEMO)やビューワソフト(Viewer DEMO)体験などが行われた。

  学会併設のITEMでは今回,医療機器・関連商品が132,薬品7,その他(学会)1の計140社が出展した。

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 3日間の会期中は穏やかな晴天に恵まれ,JRC会場のパシフィコ横浜は周辺の観光スポットやショッピングモールに劣らぬ賑わいを見せていた。展示ホールAなどでは,JRS会長とJSRT大会長が金沢大学所属ということで,「ほっと石川」観光キャンペーンが行われ,参加者の息抜きの場となっていた。3日間の参加者数は,JRSが4480名,JSRTが4040名,JSMPが494名,非会員が956名で,全体では9970名となり,1万名に近づいた。一方,ITEMの入場者数は,2万1455名となり,学会とともに盛況であった。

展示ホールAのCyPos会場 展示ホールAの「ほっと石川」観光キャンペーン 展示ホールAのCyberRad 2008会場

展示ホールAのCyPos会場

展示ホールAの「ほっと石川」観光キャンペーン 展示ホールAのCyberRad 2008会場
板井記念教育シンポジウムPart 3司会の森 宣氏(大分大学),松井 修氏 イメージインタープリテーション会場 ITEM会場入口
板井記念教育シンポジウムPart 3司会の森 宣氏(大分大学),松井 修氏 Gイメージインタープリテーション会場 ITEM会場入口

  最終日の15時15分からは,メインホールで合同表彰式と閉会式が行われた(受賞者一覧のURLはhttp://www.j-rc.org/news/jrc2008/prize.html)。閉会式では,遠藤JRC代表理事の開催報告に続き,JRC2009の役員が紹介された。JRS会長を山田章吾氏(東北大学),JSRT大会長を小水 満氏(大阪大学),JSMP大会長を齋藤秀敏氏(首都大学東京)が務める。「輝く放射線医療 今 そして 未来─人と技術のハーモニー」を大会テーマに,2009年4月16日(木)〜19日(日)の4日間の日程で,パシフィコ横浜で開催される。

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GE横河メディカルシステム(株)
担当:松井
TEL 042-585-9249
http://www.gehealthcare.co.jp/

 




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