AIの導入で脳梗塞患者の血管内治療率が有意に向上─英NHSの研究(2026/1/4)

2026-3-2


AIの導入で脳梗塞患者の血管内治療率が有意に向上─英NHSの研究(2026/1/4)

虚血性脳卒中患者では,いち早く診断を付け,高度専門病院での血管内治療(EVT)に繋げることが重要である。しかしイギリスでは,検査機器などの制約から,専門施設への搬送遅延が問題となっており,EVT治療率の低さが課題であった。これに対し,英NHSの研究チームが,AI画像処理ソフトの導入による状況変化を評価することを目的に,大規模な前向き観察研究を実施し,その成果をThe Lancet Digital Healthに掲載した。
本研究では,英国全土107病院におけるAIソフト導入前後でのEVT実施率の変化をアウトカムとした。AIソフトは頭部単純CTやCTA(CT Angiography)を基にリスク評価を行うもので,導入前の2019年1月~2020年2月と,導入後の2022年1月~2023年2月の452,952人のデータを用いて,EVT実施率を比較した。その結果,実施率は2.3%→4.6%と上昇し,また,非導入施設と比較して,導入施設では有意に高い増加傾向(交互作用オッズ比1.24)が見られた。一次脳卒中センターでの導入の効果はより大きく,AIを使用することで治療を受けるオッズが2.34倍になった。加えて,専門施設への患者搬送までの時間は64分(中央値)短縮されていた。
研究チームは「AIソフトの導入で,一次脳卒中センターがより大きな効果を得たのは望ましいことだ。本研究は,リアルワールドで行った研究の中で最大のものであり,今後は予後と関連するアウトカムの探索を行いたい」と述べている。従来の臨床試験同様,こうしたAIソフトの導入(介入)による効果を測る「臨床試験」の結果が今後も公開されていくことが望まれる。

【参照論文】
Artificial intelligence imaging decision support for acute stroke treatment in England: a prospective observational study


TOP