結核高有病率地域におけるAI読影支援:活動性結核識別の実装可能性(2026/1/25)
2026-3-2
結核は依然として世界的な公衆衛生上の重要課題であり,特に高有病率地域においては活動性結核(Active Tuberculosis:ATB)の早期診断が感染拡大防止に不可欠である。胸部X線検査はスクリーニングとして広く用いられているが,特異性に限界があり,精密検査としてCT検査が行われることも多い。しかし,放射線科医の不足や作業負荷により診断の遅延が生じやすい。中国の研究チームは,こうした課題を背景に,CT画像からATBを自動検出するAIシステムの実装可能性を検証し,その成果をScientific Reportsに発表した。
本研究では,中国の結核専門病院3施設から収集した1,741件の胸部CT画像を用いた後ろ向き多施設検証を実施した。対象にはATB,肺炎,肺結節および正常例が含まれ,AIシステム(I-Sight v2.0)はU-Netに基づく病変検出および3D統合解析を用いて画像を評価した。学習に使用していない独立施設のデータによる外部検証の結果,ATBと正常肺の識別においてAUCが0.95を超える高い性能を示した。一方で,ATBと肺炎・肺結節との鑑別では精度がやや低下(AUC 0.76〜0.90)し,画像所見の重複による診断の難しさも浮き彫りになった。
研究チームは,このAIシステムを「一次読影者(First reader)」としてスクリーニングに用いるか,あるいは放射線科医の診断後に「二次読影者(Second reader)」としてダブルチェックに用いることで,診断精度の向上と業務効率化に貢献できると提案している。研究者らは「今後は,より代表的な集団を対象とした前向き試験や放射線科医の臨床ワークフローへの統合など,実運用下での有効性検証が必要である」と述べている。
【参照論文】
Using AI system to detect active tuberculosis in a high-prevalence setting on CT scans : a multi-center study
