CITA Clinical Finder(富士フイルムメディカル)
統合診療支援システム「CITA Clinical Finder」を活用した診療情報の原本管理機能の強化

2021-7-1

富士フイルムメディカル

診療支援


「CITA Clinical Finder(以下,CITA)」は,電子カルテで発生する各種の診療情報や,部門システムで発生する検査結果・レポート・診療文書などを統合管理し,さまざまな目的に応じて活用することを目的としたシステムである。主な利用シーンとして,患者の容体・経過参照,目的の患者群に対する診療情報の量的点検,検査レポートの見落し防止などがあるが,その運用目的の一つに,主としてスキャンデータを対象とした「診療情報の原本管理」が存在する。これまでもCITAには原本管理機能を搭載していたが,このたび,当社グループの富士フイルムビジネスイノベーション株式会社(旧・富士ゼロックス)が販売していた,「Apeos PEMaster ProRecord Medical」の機能を統合し,その機能を強化した。

診療情報の参照機能を搭載

まず,参照機能として搭載したのは,「ツリービュー」(図1)と「マトリックスビュー」(図2)である。ツリービューは,患者単位の診療データを診療科別・日付別・文書種別などのツリー構造のフォルダに分類し,主には診療情報管理士などによる診療文書・同意書の量的点検などで活用されるビューワとなる。
マトリックスビューは,種別に分類された診療情報を時間軸に沿って表示し,医師が長期間における患者の診療経過を一目で把握するのに役立つビューワとなっている。

図1 ツリービュー

図1 ツリービュー

 

図2 マトリックスビュー

図2 マトリックスビュー

 

診療情報の登録を簡便化

次に,診療情報の登録を簡便化するための機能として搭載したのが,「集中スキャン機能」と「仮想プリンタ機能」である。これまでも集中スキャン機能を搭載していたが,スキャン業務の並列化に対応し,生産性向上につながるよう改善を行った。
仮想プリンタ機能は,他システムからのデータ登録を簡略化し,連携費用を軽減する2つの機能がある。一般的に他社システム間でのデータ連携には,連携用プログラムの開発が発生することが多いが,本機能は他システムから見てプリンタドライバのように機能し,印刷用コマンドでCITAにデータを登録することが可能になる。また,同意書など一度印刷が必要な文書の場合,集中スキャン用のバーコードを付与するための開発が必要となるが,本機能ではバーコードを自動付与して印刷することが可能であるため,他システム側での開発が不要となる。
その他,スキャンの進捗管理をする機能や,簡易的な文書印刷機能となる「帳票印刷オプション」,文書のチェックボックスを読み取りデータ化することができる「チェックマーク解析オプション」を用意しており,必要に応じて導入が可能となっている。

おわりに

同意書をはじめ電子的な原本管理の対象となるデータは増加の一途をたどっているが,医師や病院スタッフの働き方改革が推進されている昨今,その登録業務や参照の効率化も改善が必要な課題ではないかと考える。本機能も含めCITAの活用により,医療の質・安全性を落とすことなく,さまざまな診療業務の効率化が実現できれば幸甚である。

 

●問い合わせ先
富士フイルムメディカル株式会社 マーケティング部
〒106-0031 東京都港区西麻布2-26-30 富士フイルム西麻布ビル
TEL 03-6419-8033
https://www.fujifilm.com/fms

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