核医学画像診断用画像融合システム「FUSION Plus」/ ユーザー事例 琉球大学病院(ジェイマックシステム)
FUSION Plusが実現した,核医学部門画像診断ワークフローの最適化と効率化。
2026-2-27
琉球大学病院
琉球大学病院は,沖縄県唯一の大学病院として,地域の高度医療を支える重要な役割を担っています。1979年10月,医学部の設置に伴い「医学部附属病院」として開設され,2025年1月には宜野湾市の「西普天間キャンパス」へと全面移転を果たしました。
総病床数は620床を数え,ICU(集中治療室)やNICU(新生児集中治療室),救命救急センターなどを完備。県内全域から搬送される重症患者や,難症例に対しても24時間体制で質の高い医療を提供しています。また,島嶼(とうしょ)地域という沖縄の特性を踏まえ,離島を含む広域からの緊急要請にも即応できる体制を維持し続けています。
琉球大学病院放射線部 診療講師 飯田 行氏に聞く
■ 琉球大学病院 放射線部の概要
─琉球大学病院 放射線部の特色についてお聞かせください。
琉球大学病院は沖縄県内唯一の大学病院であり,さまざまな症例の患者が集約されています。特にがん診療に関しては「地域がん診療連携拠点病院」としての役割を担っており,がん診療において当科はなくてはならない存在です。核医学診療科としては,FDG-PET検査を中心に幅広く検査を行っています。
飯田 行 氏
─教育面では,研修医の受け入れや指導をどのように行っていますか?
当院は沖縄県内の放射線科専門医研修プログラムの基幹病院であり,総合症例研修機関として機能しています。核医学分野においても,県内の他施設と比べて検査件数が非常に多く,また扱っている検査の種類も豊富であるため,若い先生方がしっかりと勉強できる環境が整っています。さらに,院内にはアイソトープ病棟(RI病棟)が併設されており,非密封小線源を用いた治療についても,教育・実践の両面で強みを持っています。
─地域医療や離島医療において,貴院が果たしている特別な役割を教えてください。
沖縄は離島が多いという地理的特性があり,地域医療連携が非常に重要です。離島の医療施設では核医学検査ができないため,沖縄本島外の患者が当院に紹介されて検査を受けるケースが多くあります。 具体的には,離島でがんが疑われた際,まず当院でPET検査を行ってステージング(病期診断)を確定させその結果をもとに治療方針を決定してから,離島や地域の病院へ治療を繋いでいくという流れを構築しています。
PET・RI検査室受付
■ PET検査の現状と研究
─PET検査における特徴的な取り組みや,研究について教えてください。
現在はFDG-PET検査が主体ですが,将来的にはPSMA-PETやアルツハイマー病診断のためのアミロイドPETなど,新しい検査の導入も目指しています。新病院への移転直後ということもあり,まずは現在の体制を安定させることが優先ですが,ニーズは非常に高いため県外に行かずとも最新の検査が受けられる体制を整えていきたいと考えています。
研究面では,新しく導入したPET/CT装置を用いて画質の評価や「ホールボディダイナミック撮影(全身動態撮影)」といった新しい撮影手法の検証を行っています。
■ FUSION Plus 導入の経緯と評価
─読影環境として「FUSION Plus」を導入された経緯や,採用のポイントを教えてください。
以前は他社製のワークステーションを使用していましたが,新病院への移転に合わせてPET/CT装置を導入する際,装置メーカーに専用のワークステーションが存在しないため,外部のワークステーションが必要になりました。 採用にあたっては,現場の技師から「再構成や切り出しの操作がしやすい」という意見があったこと,また他大学の先生方からも「使い勝手が良い」という評判を聞いていたことが大きなポイントとなりました。国産メーカーであることの安心感も後押しになりました。
─実際に使用してみて,読影効率やワークフローにどのような変化がありましたか?
まず,動作のスピードが非常に速いことが大きなメリットです。また,自分自身で他モダリティの画像を引用し,フュージョン画像を作成できる点が便利です。例えば,脳外科からの依頼で腫瘍やてんかんの評価を行う際,過去のMRI画像と今回のPET画像を自分で重ね合わせ,最適な断面で切り出して読影に活用するといった操作がスムーズに行えます。技師が作成した画像だけでなく,読影しながら「もっとここが見たい」と思った瞬間に医師側で調整できるため,診断の精度と読影速度が向上しました。
■ 機能性とカスタマイズ性
─よく利用している機能や,カスタマイズ性についての評価をお聞かせください。
「キビキビと動く」リアルタイムの操作感は非常に高く評価しています。カスタマイズ性が高く,自分の好みに合わせて多くの項目を設定できる点も魅力です。核医学とCT,あるいはMRIを融合させるフュージョン機能に関しても,非常に精度良く合致してくれます。他社製のビューアと比べても遜色なく,違和感のないフュージョン画像が得られています。
■ 今後の要望と期待
─製品への改善要望や期待することがあればお聞かせください。
さらなる使い勝手の向上を期待して,いくつか要望があります。 一つはユーザーインターフェース(UI)の洗練です。例えば,タブを切り替えるのではなく,オーバーレイ表示で直感的にメニューを呼び出せるようになると,初心者でもより使いやすくなると思います。
また,マニュアルについても,読影医が最低限必要な操作をすぐに確認できる「読影者向け簡易ガイド」のようなものがあると助かります。最近のトレンドとして,自然言語で操作方法を尋ねることができるAI(LLM)のような検索機能が搭載されれば,さらに活用の幅が広がるのではないでしょうか。
全体的な性能には非常に満足していますので,現場の声を取り入れてさらに使いやすい製品へと進化していくことを期待しています。
医療技術部 放射線部門 福原 恵氏に聞く
■ PET検査の現状
─PET検査の運用状況について教えてください。
現在のPET検査件数は,月間でおよそ200件前後です。基本的には平日のみの稼働で,1台の装置で1日最大12枠の予約を受け入れています。非常にタイトなスケジュールですが,スタッフの協力により30分間隔での連続的な投与・撮影を実現しています。
福原 恵 氏
─技術的な特色や特徴的な運用について教えてください。
当院のPET検査の大きな特色は,全症例において「足先までの全身撮影」を標準としている点です。また,一般的に行われる「遅延像(ディレイ撮影)」を原則として行わない運用を採用しています。これは,医師の判断により現在の撮影プロトコルで十分な診断情報が得られるという方針に基づいています。
さらに,技術的には「デバイスレスでの呼吸同期撮影」が可能な体制を整えています。以前のように患者の腹部にセンサーを装着する手間がなく,撮影後の再構成処理で呼吸の動きを補正できるレトロスペクティブな対応が可能ですが,現在は再構成時間の短縮が課題となっています。
現在はFDG検査が主ですが,離島からの紹介患者も多く,紹介率は約4割に達しています。今後はPSMA-PETなどの検査への対応も検討しています。
■ FUSION Plus導入の経緯
─FUSION Plusを採用された決定的なポイントは何でしょうか?
新病院の稼働にあたり,PET/CT装置を導入することになりましたが装置自体が高度な画像再構成機能を持っていなかったため,外部のワークステーションが必要となりました。採用の決め手となったのは「圧倒的な操作の簡便さ」と「処理の速さ」
です。
他施設での評判も高く,実機のデモンストレーションでも画像の再構成やフュージョン(画像融合)処理が非常にスピーディーであることが確認できました。また,プロトコルを細かくカスタマイズして事前登録できるため,誰が操作しても一定のクオリティで素早く画像を作成できる点が導入の決め手となりました。
PET検査装置
■ PET検査運用のワークフローと導入後の変化
─導入後,作業効率は向上しましたか?
画像作成のスピードは劇的に向上しました。以前使用していた他社製のワークステーションでは,フュージョンを行う前にCTデータとPETデータをそれぞれ個別に読み込む作業が必要で,非常に時間がかかっていました。FUSION Plusでは,データを選択するだけでフュージョン画像が立ち上がるため,作業効率が格段に良くなっています。
現在は撮影が終わり患者を退室させた後,次の患者を検査室に案内するまでのわずかな時間で画像作成から転送まで終えられるため,1日12件という過密なスケジュールでも問題なく対応できるようになりました。
─SPECTの活用方法について教えてください。
SPECTにおいてもFUSION Plusは幅広く活用されています。心臓や頭部を除くほぼ全てのスペクト検査(ガリウムシンチ,副腎髄質シンチ,肺血流シンチ,肝受容体シンチなど)で,他モダリティで撮影されたCT画像とのフュージョン画像を作成しています。
特に肺血流シンチなど,CTを併用することで診断能が向上する検査においてFUSION Plusは欠かせない存在です。位置合わせに関しても,非常に精度の高い画像が作成できています。
■ 業務の負担軽減と標準化に役立つ機能
─具体的にどの機能が業務の標準化に貢献していますか?
最も貢献しているのは,Axial,Coronal,Sagittalの3断面のフュージョン画像を一括で作成できる「エクスポートコンソール機能」です。以前のように断面ごとに個別に作成・保存する手間がなくなり,操作ミスも激減しました。
また,心筋の軸合わせなどの作業もオート機能で高い精度で行えるため,画像再構成の標準化に役立っています。例えば,サルコイドーシスの心筋評価において,通常の心筋シンチと同じ切り出しを誰でも再現できる点は非常に助かっています。
操作が簡便になったことで,「画像を確認する時間」を十分に確保できるようになりました。画像作成が簡単になっても,技師は必ずスクロールして患者の動きや位置ずれがないかをチェックしていますが,処理自体が早いため,この確認作業に集中することが可能になり,結果として検査の質が担保されています。
■ 製品へのご要望
─今後の改善を期待する点やご要望があればお聞かせください。
現場の運用として,画像転送のステータス管理をよりスムーズにしたいと考えています。現状,当院のネットワーク環境の影響もあり,PACSへの転送完了までにタイムラグが発生することがありますが,転送が確実に行われたかどうかの表示がより分かりやすくなると,スタッフの不安も解消されると思います。
今後も現場の声を反映した,より使いやすい製品開発を期待しています。
※右記URLでお客様の導入事例をご紹介しています。 https://www.j-mac.co.jp/case/
琉球大学病院
●問い合わせ先
株式会社ジェイマックシステム 営業部
〒060-0034 札幌市中央区北4条東1丁目2-3 札幌フコク生命ビル10F
TEL 011-221-6262
E-mail sales@j-mac.co.jp
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