クラウドPACSソリューション「XTREK F.E.S.T.A」/ ユーザー事例 医療法人財団 岩井医療財団 稲波脊椎・関節病院/岩井整形外科内科病院(ジェイマックシステム)
「低侵襲治療」と「医療データの公開」を実践し,国内トップの手術実績を誇る腰・膝専門病院の画像管理とは?

2016-2-1

ジェイマックシステム

PACS関連


岩井医療財団について

医療法人財団 岩井医療財団は,1960年(昭和35年),前身の岩井病院として開設され,その後岩井総合病院となり,1990年(平成2年)に現在の東京都江戸川区南小岩に岩井整形外科内科病院として開院。1994年(平成6年)に現法人名の「医療法人財団 岩井医療財団」に改称。1998年(平成10年)には隣接する場所に「介護老人保健施設 いわい敬愛園」を開園し,2006年(平成18年)には人間ドックや脳ドック,がん検診を専門とする「MIC:メディチェック画像診断センター」を開設。2015年7月,新たに腰と膝の疾患を専門とする「稲波脊椎・関節病院」を新幹線が停車する品川駅や羽田空港から便の良い品川区内に開院した。
同財団の岩井整形外科内科病院では,1990年の開院時にジェイマックシステムの画像サーバー「FAINWORKS」と画像ビューア「VOX-BASE」を導入,機器更新やバージョンアップを重ね,現在も稼働中である。また,新病院の稲波脊椎・関節病院では,岩井整形外科内科病院との遠隔画像診断連携および地域医療連携を踏まえ,クラウドPACS「XTREK F.E.S.T.A」を導入した。

稲波脊椎・関節病院の外観

稲波脊椎・関節病院の外観

稲波脊椎・関節病院のエントランス

稲波脊椎・関節病院のエントランス

   
稲波脊椎・関節病院の手術室

稲波脊椎・関節病院の手術室

 

 

岩井医療財団理事長/稲波脊椎・関節病院院長
稲波弘彦氏に聞く

─稲波脊椎・関節病院の特色についてお聞かせください。

稲波弘彦 理事長

稲波弘彦 理事長

当財団の岩井整形外科内科病院(以下 岩井整形)では,年間1500件ほどの手術を行っています。この新病院では,脊椎(頸椎,胸椎,腰椎)の治療とともに,スポーツ関節センターも併設しました。前十字靭帯損傷の再建術を日本で一番行っている(3000件超)内山英司医師がセンター長として就任し,トップアスリートへの治療にも取り組んでいます。内山医師はアキレス腱断裂に対して,従来の2/3から半分ほどの時間で職場復帰やスポーツ復帰が可能な治療法を開発しており,脊椎・腰椎などの治療と膝・アキレス腱治療の2つが当院の特色です。また,新たに,肩関節の内視鏡手術の第一人者である米田稔医師も赴任したので,肩関節疾患に関しても日本で有数の良い治療が提供できると思います。

─岩井医療財団の理念についてお聞かせください。

一言で言えば「自分が受けたい医療を提供する」ことです。特に手術は密室で行うので,手術時の映像を無修正で患者さんに提供し,安心していただくことにも取り組んでいます。自分自身が手術を受ける身になった場合,できるだけ傷は小さく,痛みも少なく,悪い部分だけを治療する手術(低侵襲手術)をしてもらいたいと思いますし,患者さんも同じように考えると思います。そのためには,精密な診断と経験の蓄積が重要です。今までを振り返り,何が良く何が悪かったのかを調べ続け,研鑽を積むことが重要だと思っています。

─新しく稲波脊椎・関節病院を開院された目的についてお聞かせください。

一つは岩井整形のキャパシティが限界になったことです。常に病室も手術室もいっぱいの状態で拡大が必要でした。もう一つは,東京以外から来院する患者さんが半数を占めるということです。東京都東部の小岩にある岩井整形は,東京から東側の患者さんには良いのですが,西側の患者さんにとっては交通の便が良くありません。品川に開院したのは,羽田空港が近いこと,品川には新幹線も停車しますので,日本全国から患者さんが来院しやすいということで選びました。

─開院するに当たり留意した点,病院設計や機器導入などについてお聞かせください。

医師は医師だけしかできないこと,特に診断,手術,治療,患者さんへの説明などに集中できるようにしています。例えば診断書作成や患者さんへの簡単な説明はコメディカルスタッフが行い,医師がチェックして完成させます。それを支える設備として診察室を多く設け,コメディカルが予診をとる体制をとっています。手術室には複数の画像をディスプレイできるモニターを設置し,多くの画像データを参照しながら,的確な手術を行える設備を整えました。また,低侵襲手術は,従来と同じ手術を小さい傷で行うわけですが,どこに真の病変があるかという精密な診断が必要です。脊椎疾患の手術は治療する部位のマージンを広くとってしまう傾向があります。その患者さんの症状,痛みや麻痺,しびれの症状を出しているところを的確に診断するためには,従来のMRIやCT,トモシンセシスなどの画像だけでは不十分です。これらにMRIトラクトグラフィーや,CTとMRIのフュージョン画像も重要になってきます。

─岩井医療財団の今後の取り組みについてお聞かせください。

医療というのは,一つの疾患でも人間は個体差が大きいため,過去のデータを分析し,個々の診療に対応することが重要です。例えば自動車であれば,ある一つの車種は同じ構造をしているので,一つの設計図があれば故障の箇所がわかります。しかし,人間は人数分の別の設計図によってつくられているようなもので,同じ疾患でも小さなメカニズムが違っていたり,手術や投薬などの治療に対しての反応が個々で違ってきます。たくさんのデータがあり,検査画像,主訴,痛みの具合や場所,手術映像,術後の評価などが共有されることで,患者さんの治療に対して予測がつきやすくなります。つまり,患者さんの治療データは集まるほど価値の高いものになります。医療データというのは昔は「医師のもの」と言われていました。その後は「患者さんのもの」と言われていますが,医療という特殊性を考えると今後は「公共財」であると言えますし,「個人の利益やある小さい集団の利益だけを考えているものは残れない」つまり残る価値がないと考えています。当院はできるかぎり,医療データや手術内容を公開していきたいと考えています。

岩井医療財団 事務局総務課長
システム担当/広報室 古川幸治氏に聞く

─今回新病院ではクラウドPACS「XTREK F.E.S.T.A」を導入しましたが,導入経緯についてお聞かせください。

古川幸治 氏

古川幸治 氏

以前より岩井整形では,ジェイマックシステムのPACSを使っていますが,その安定性や反応速度は信頼に足るものでした。今回新病院を開院するに当たり,数社の製品を検討しました。現在の潮流として,災害対策やBCPを考慮し外部保管・クラウドが主流になってきていること,加えてコストメリット,信頼性など総合的に検討をした結果,ジェイマックシステムのクラウドPACSを導入することになりました。
使い勝手としては,岩井整形で使用しているシステムと同じ操作で使えることを評価しました。当院の場合,小岩と品川の両院を行き来する常勤・非常勤の医師がいます。医師からはそれぞれの病院で同じ画像が見たいという要望があり,画像転送でそれぞれの病院に取り込む運用を行っています。

─電子カルテや他社システムとの連携についてはいかがでしょうか?

電子カルテとのPACS連携については,岩井整形で採用している電子カルテと同じメーカーのシステムを採用し,事前確認もしたので心配ありませんでした。ただし,岩井整形はオンプレミスPACS,新病院はハイブリッドクラウド(小規模サーバー+外部保管)という違いがあり,今後画像データが増えてきた時には,過去データをデータセンターからプリフェッチで転送する必要があります。この仕組みを電子カルテとどのように連携するかついては,特に留意して設計・開発をお願いしました。

─今後の計画についてお聞かせください。

直近での計画として,岩井整形のPACS更新があります。現在の運用体系は,サーバーが2台構成で,1台は患者さんへの画像開示用として使用しています。開示の方法は,電子カルテの病診連携機能を利用しています。新病院ではクラウドPACSを導入したこと,また両院で同一の患者IDで運用していること,これらを考慮した上でどのように効率良く画像連携を行えるか,クラウド導入によるメリットをベースに,システム設計・構築を進めていきたいと考えています。

稲波脊椎・関節病院 放射線科技師長
田中 進氏に聞く

─放射線部門の概要についてお聞かせください。

田中 進 氏

田中 進 氏

放射線部門は,診療放射線技師5名,受付事務員1名の体制です。放射線科専門医は常勤しておらず,岩井整形の医師が読影を行っています。検査機器は,一般撮影(トモシンセシス対応),透視撮影,CT,MRI,血管造影,超音波といった最新の装置を導入しています。検査数は開院して間もないこともあり,1か月でMRIが約300検査,CTが約200検査ですが,今後患者さんの増加に伴い増えると予想しています。

─放射線部門の特徴についてお聞かせください。

ほかの病院と違うこととして,「すべての診療放射線技師がすべての検査業務を行う」ことが挙げられます。一般撮影+透視撮影,CT,MRIという区切りで,すべての診療放射線技師がどの検査を行っても,同レベルの撮影および業務ができるような体制づくりをめざしています。検査ごとのスペシャリストを養成し,その検査に関する業務を一任するという病院もありますが,トラブルやリスク対応を考えると問題があります。全員がすべての検査に対し高いレベルの技術を求められるため,ハードルは高いのですが,そこをめざして取り組んでいます。

─整形外科領域に求められるPACSについてお聞かせください。

当院はもちろん,岩井整形でも7年前から,フィルムレスでの運用を行っています。最新の検査機器を導入することで,画像数はどうしても増大していきます。それらのデータの中で重要な画像を素早くかつ効率良く見ることが必要です。ジェイマックシステムのPACSはそれらの要件をクリアしていますし,先生からの評価も良いと思います。

─弊社への要望などがありましたらお聞かせください。

導入して間もないため使いこなせていないこともありますが,こんな機能があると便利では? こういうことはできないか? といった提案に対し応えてもらえることで,私たちの技術も製品としてのレベルも上がっていくと思いますので期待しています。

岩井整形外科内科病院 放射線科技師長
石橋孝志氏に聞く

─貴院ではかなり以前から弊社PACSを使用いただいていますが,製品や弊社への印象などについてお聞かせください。

石橋孝志 氏

石橋孝志 氏

当院とジェイマックシステムとの最初のお付き合いは約20年前まで遡り,当時在籍されていた社員の方と秋葉原へコンピュータを買いにいったことが思い出されます。ジェイマックシステムがPACSの先駆者としてスタートしたころから,当院と長いお付き合いが続いています。初期の画像ビューアにおいて,最初にサムネイル画像を表示させたのもジェイマックシステムだと思いますし,製品へのアイデアやエッセンスに先進性がありました。現在,PACSは普及期に入り,どこの会社も同等の機能を搭載し横並びの状態だと思いますが,医師・診療放射線技師の双方が使うシステムとして,日々改良を続けていく姿勢が非常に重要です。ジェイマックシステムという会社にはそういった遺伝子が脈々と受け継がれていると感じます。

─貴院の特色についてお聞かせください。

最近,下町の小さな工場がロケットの部品を作っていくTVドラマが話題になっていました。当院も同様に,開院した当時から,幅広い整形外科領域の中で,特化した病院をつくりたいという夢を稲波理事長が持っていました。岩井整形が設立25周年を迎えた2015年,「稲波脊椎・関節病院」として実現に至りました。開院した当初から,導入する機器については特にこだわりを持っており,例えばMRIも当時ファーストスピンエコーが最初に搭載された機種を導入しました。関東一円の病院から患者さんの紹介を受け,良い画像を撮影するために長方形ピクセルをスクエアピクセルにする工夫など,「どうしたら良くなるか」ということを突き詰めていく精神が根底にあります。新病院の方でもその精神を受け継ぎ,お互い切磋琢磨していければと思います。

─弊社への期待や要望などがありましたらお聞かせください。

放射線部門に限らず,病院の改善や変革につながるような製品があればぜひ提案してほしいですし,アイデアの相談があればうれしいことです。当院は常に何が最善かを考えながら走り続けていますから,色々なアイデアやヒントを提供できると思います。

*さらに詳しいインタビューはジェイマックシステムのホームページで!
URL http://www.j-mac.co.jp/case/index.html

 

●お問い合わせ先
株式会社ジェイマックシステム
〒060-0034 札幌市中央区北4条東1丁目2-3 札幌フコク生命ビル10F
TEL 011-221-6262
E-mail sales@j-mac.co.jp
URL http://www.j-mac.co.jp

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