GEヘルスケア・ジャパン ,「低線量」「高画質」「高速スキャン」を融合した吸収補正用CT搭載SPECT装置を発売
~低被ばく・短時間撮影など患者負担を軽減しながら画質を高め,SPECT検査の診断能を向上~

2013-1-28

核医学(PET,PET/CT,SPECT,SPECT/CT)

GEヘルスケア・ジャパン


新開発の専用CTを搭載し「低線量」「高画質」「高速スキャン」を融合したOptima NM/CT 640

新開発の専用CTを搭載し
「低線量」「高画質」「高速スキャン」を
融合したOptima NM/CT 640

医療課題の解決に取り組むヘルスケアカンパニー,GEヘルスケア・ジャパン(株)1月28日(月),SPECT装置(単光子放射断層撮影装置)と吸収補正*1用CT*2(コンピューター断層撮影装置)を一体化したSPECT/CT装置*3「Optima NM/CT 640(オプティマ・エヌエムシーティー・640)」を,先進の診療を手掛ける大学病院や地域基幹病院,総合病院を主対象に発売する。

Optima NM/CT 640は,同社の吸収補正用CT搭載SPECT装置の現行装置「Infinia Hawkeye4」シリーズの上位機種。最大の特長は,「低線量」「高画質」「高速スキャン」を高次元で融合させた吸収補正用CTを新たに開発し,低被ばく・短時間撮影など患者負担を軽減しながら画質を高め,SPECT検査の診断能を向上させたことである。
従来の吸収補正用CTは診断用CTと比較して画質より照射する線量を重視し,できる限り被ばくを抑えた設計にするのが主流で,同社の「Infinia Hawkeye4」シリーズも管電流は2.5mAと低線量を実現している。しかしながら,同シリーズのCT装置に搭載されたX線検出器は,SPECT装置の検出器と同じガントリ内に格納され,14秒で1回転する設計のため,低被ばくを実現しつつも,呼吸に伴うアーチファクト(偽像)が発生したり,検査が長時間化したりするといった課題があった。
Optima NM/CT 640は,最大管電流を30mAに抑えて現行装置と同等の最大2mSvの低被ばくを維持しつつ,低線量に最適化された検出器と画像再構成アルゴリズムを新たに開発することで,低線量でもノイズの少ないCT画像を実現,トレードオフの関係にある被ばくと画質を両立させた。加えて,1秒/1回転のヘリカルスキャンが可能な新設計のガントリを搭載,SPECT検査で最も多い骨検査におけるCT撮影時間をこれまでの5分から1分に8割短縮する。
臨床的には,がんの骨転移や軟部腫瘍,心疾患などのより詳しい診断,ならびにこれまで呼吸による影響を受けやすかった胸腹部の診断に貢献することを目指している(下図参照)。

Optima NM/CT 640の撮影画像(実効線量:1.13mSv)

Optima NM/CT 640の撮影画像(実効線量:1.13mSv)

Courtesy of Dr. Ph. Declerck, Clinic Saint Jean, Belgium
重ね合わせ画像は核医学データ処理装置「GENIE-Xeleris」(薬事承認番号:20700BZY00161000)にて実施

 

●その他のOptima NM/CT 640の主要特長

新開発の検出器とデータ変換システムによるノイズの低減で高画質を実現
SPECT装置には,Elite NXT(エリート・エヌエックスティー)検出器を搭載,内部の光電子増倍管*4や電気回路を一新することで電気ノイズを削減し,画質の向上と高い安定性を実現している。

SPECT装置搭載の新ソフトウェアと検査全体のワークフローの改善で検査時間を半減
SPECT装置とCT装置による一連の検査の中で最も時間を要するのがSPECT装置の撮影ですが,画像処理用ソフトウェア「Evolution(エボリューション)*5」を搭載することで,従来と同等の画質を維持したまま,代表的検査時間を15分から7分半に半減した(同社比)。また,SPECT検査とCT検査を一元管理し,それぞれの検査への移行や患者の位置合わせなどを一段とスムーズにすることで検査全般の効率を向上,開始から終了までの総検査時間も半減する。

1台のコンソールでSPECT,CT双方の検査を制御して検査効率をアップ
診断用CT搭載型のSPECT/CT装置では,SPECT検査とCT検査用にそれぞれ撮影条件などの設定が必要だが,Optima NM/CT640ではSPECT用コンソール画面上で,SPECT検査・CT検査両方の条件設定や操作が可能なため,検査効率のアップに貢献する。

●市場動向・販売戦略

国内のSPECT装置の市場規模は約60億円。近年SPECT/CT装置の市場が拡大しており,現在はSPECT装置単体とSPECT/CT装置がそれぞれ5割ずつを占めている。SPECT/CT装置市場では吸収補正用CT搭載装置と診断用CT搭載装置がほぼ同じ割合で並んでいる(同社調査)。
同社は,2002年に国内初のSPECT/CT装置「Millennium VG(ミレニアム・ブイジー)」を発売して以来,2006年に吸収補正用CTを搭載したSPECT/CT装置「Infinia Hawkeye4」シリーズ,2011年に診断用CTを搭載したSPECT/CT装置「Discovery NM/CT 670(ディスカバリー・エヌエムシーティー670)」シリーズを発売するなど,多彩なラインアップの市場投入で医療機関のニーズにきめ細かく応え,SPECT/CT装置市場で現在約50%のトップシェアを有している(同社調査)。
同社は今回発売するOptima NM/CT 640を,吸収補正用CT搭載のSPECT/CT装置の上位機種と位置づけ,大学病院や地域基幹病院,総合病院など現在SPECT装置やSPECT/CT装置を保有している施設の買い替え,ならびに新たに核医学検査を開始する医療機関の新規導入を主対象に積極的に販売し,市場リーダーの地位をさらに強固なものにすることを目指す。

*1    体内に投与した放射性医薬品から出る微弱な放射線は,患者の身体を通過することでSPECT装置に到達するまでに吸収され減弱される。この減弱を補正し,より正確な医薬品の分布を画像化することを吸収補正という
*2    SPECT/CT装置は,放射性医薬品を体内に投与し代謝や血流など生体内の生理学的・生化学的な機能を描出するSPECT装置と,体内の構造物の形状や病変の位置などの形態情報の描出に優れたCTを組み合わせた装置。血流量や代謝情報をより詳しく得られるため,がんの骨転移,心筋梗塞や狭心症などの心疾患,脳梗塞や脳出血などの脳血管障害やアルツハイマー病などの診断に主に使用されている
*3    SPECT/CT装置には,診断用CTを組み合わせた装置と吸収補正用CTを組み合わせた装置の2種類がある。前者は診断用CT装置の高精細な形態画像とSPECT装置の機能画像を重ね合わせて,病変部位の位置特定と機能診断を一度に手がけることを目的とし,後者はCT画像をもとにSPECT画像に吸収補正を施すことでSPECT画像の画質を高め,診断能を向上させることを主たる目的としている。なお,CT画像は診断には使用しない
*4    光電子増倍管(Photomultiplier Tube:PMT)は,光電効果を利用して光エネルギーを電気エネルギーに変換する光電管を基本に,電流増幅(=電子増倍)機能を付加した高感度光検出器
*5    Evolution(コリメータ・検出器応答関数補正ソフト):コリメータと検出器に起因する画像の劣化を高度な画像処理技術で補正することで,撮影時間の短縮または画質の改善を行うアプリケーション。画質を維持したまま撮影時間を短縮するケースと,撮影時間を維持したまま画質を向上するケースの2つから選べるが,被ばくの低減につながる前者を選択する場合が多い

 

●価格
3億円(税抜)
●問い合わせ先
GEヘルスケア・ジャパン(株)
コミュニケーション本部
ブランチャード美津子/松井亜起
TEL 0120-202-021 FAX 042-585-5360
Mail: mitsuko.blanchard@ge.com / aki.matsui@ge.com
www.gehealthcare.co.jp

核医学(PET,PET/CT,SPECT,SPECT/CT)

GEヘルスケア・ジャパン


TOP