オリンパス,4K 3Dビデオ技術搭載の手術用顕微鏡システム「ORBEYE」を発売
高精細デジタル画像かつ立体的な視野で,緻密な手術をサポート,ソニー・オリンパスメディカルソリューションズが技術開発を担当

2017-9-19

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手術用顕微鏡ORBEYE

手術用顕微鏡ORBEYE

オリンパス(株)は,4K 3Dビデオ技術を搭載した手術用顕微鏡システム ORBEYE(オーブアイ)を2017年10月上旬から日本と米国で発売※1する。本製品は,同社とソニーイメージングプロダクツ&ソリューションズ(株)との医療事業に関する合弁会社であるソニー・オリンパスメディカルソリューションズ(株)が技術開発を担当した。

手術用顕微鏡は,細かな神経や血管などを処置する際に,手術しやすいよう患部を拡大して立体的に見るための製品。近年,高齢化社会の進展に伴い,悪性腫瘍など難易度の高い症例が増えているため,光学観察方式を中心に手術用顕微鏡の活躍の場は広がってきた。

今回発売するORBEYEは4K 3Dの高精細デジタル画像を実現したことで,組織や血管の微細な構造を高精細かつ立体的に観察でき,緻密な手術をサポートする。本機種では55型の大型モニターを見ながら手術が行えるため,接眼レンズを長時間覗く必要がなく,術者の疲労軽減に貢献することが期待できる。また,デジタル化により顕微鏡部が従来機種※2に比べ体積約95%減※3を実現したことで,広い手術空間の確保やセットアップ時間の短縮をサポートする。さらに本体も従来機種※2に比べ重量約50%減※4の軽量化を図り,手術室間での移動の容易化に貢献できる。本製品は,ソニー・オリンパスメディカルソリューションズが技術開発を担当し,オリンパスメディカルシステムズ(株)が製品設計を行った。今後,オリンパスで販売していく。

※1 他地域は順次発売予定
※2 OME-9000
※3 OME-9000:約19,000cm3,ORBEYE:約820cm3
※4 OME-9000:450kg,ORBEYE:216kg

●開発の背景

オリンパスは,世界シェアトップの消化器内視鏡をはじめ,内視鏡外科手術に対応した製品や手術用顕微鏡など,医療現場のさまざまなニーズに応える製品を販売してきた。2013年にはソニーと医療事業に関する合弁会社であるソニー・オリンパスメディカルソリューションズを設立し,ソニーの最先端のエレクトロニクス技術とオリンパスの医療機器製造・開発のノウハウを生かして,医療の発展に貢献する製品の研究および開発に取り組んできた。2015年には,設立後初の製品として4K技術が搭載された外科手術用内視鏡システムを発表し,「高精細・広色域※5・拡大視の画像による内視鏡外科手術」という新たな価値を顧客に提供している。
今回,合弁会社の第2弾の製品として,ソニーがもつ4Kおよび3Dの映像技術・小型化技術とオリンパスがもつ外科領域のノウハウを融合し,外科手術に最適な手術用顕微鏡システム ORBEYEを開発。これまでの手術用顕微鏡は接眼レンズを長時間覗く必要があり,かつ時に術者に負担がかかることもあり,術者の負担軽減が長年の課題であった。また,術者が接眼レンズ内で観察する高精細な立体映像(3D)を,モニター上で共有することは困難な状況であった。ORBEYEはこれらの課題を解決するだけでなく,執刀する医師や手術スタッフの効率的な手術,より快適な手術環境の実現に貢献し,マイクロサージャリー(顕微鏡手術)の新たなスタンダードを提供する。

※5 本製品は4K 映像の次世代放送規格である「ITU-R BT.2020」を採用

●主な特長

1. 4K 3Dの高精細デジタル画像により,緻密な手術をサポート
ソニーが開発した4KのExmor R® CMOSイメージセンサーを2個搭載し,高感度でノイズが少ない映像を実現する。フルハイビジョンに比べて4倍の画素数を実現したことに加え,広色域※5に対応した画像処理回路を搭載し,高精細なデジタル画像による手術が可能。また,膨大な画像データ処理が必要な4K 3Dシステムにおいて,画像の遅延を可能な限り小さく抑えているため,スムーズに見たい箇所を観察・処置することが可能である。さらに,赤外光観察※6,青色光観察※6,NBI観察※6にも対応するなど,より緻密な手術をサポートすることが可能。

※6 米国においては,FDA510(k)を順次申請予定

2. 4K 3Dの大型55型モニターによる観察を実現し,術者の疲労軽減とチームサージャリーに貢献
本機種では接眼レンズ部分を除去し,モニターによる観察を採用した。レンズを長時間覗き込む必要がなく,楽な姿勢で手術を行うことが可能なため,術者の疲労軽減に寄与する。また,55型の大型モニターを採用したことで,チーム全員で同じ映像を共有できるため,複数の術者により執刀する手術スタイルの実現や,他手術スタッフとの情報共有による手術の効率化をサポートできる。

3. 顕微鏡部の大幅な小型化(従来機体積比95%減)を実現し,広い手術空間の確保やセットアップ時間の短縮が可能
デジタル化により顕微鏡部の大幅な小型化(従来機体積比95%減※3)を実現し,術者は広い手術空間を確保することが可能になった。加えて顕微鏡部の小型化は,煩わしかったアーム部のバランス調整を不要にし,顕微鏡部を清潔にするために使用される滅菌ドレープの小型化,装着性の向上にも貢献し,セットアップ時間の短縮も期待できる。

●ORBEYEの由来

ORBEYEは「ORB(軌跡,地球,頭部)」と「EYE(観察する眼)」を合わせた造語。既存の顕微鏡では不可能な角度,方向からのアプローチできることをイメージし,命名した。また,本製品で世界(地球)を席巻したいという想いも込めている。

ORBEYEを用いた手術風景

ORBEYEを用いた手術風景

 

●問い合わせ先
オリンパス(株)内視鏡お客様相談センター
TEL 0120-41-7149
http://www.olympus.co.jp

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