オリンパス,AIを搭載した内視鏡画像診断支援ソフトウェア「EndoBRAIN®」を発売
〜内視鏡分野のAI技術において国内初の薬事承認を取得〜

2019-2-25

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オリンパス(株)は,大腸の超拡大内視鏡画像を人工知能(AI)で解析し,医師の診断を補助する内視鏡画像診断支援ソフトウェア「EndoBRAIN®(エンドブレイン)」を2019年3月8日(金)から国内で発売する。本製品は内視鏡分野において国内で初めて薬事承認を取得したAI製品。
本ソフトウェアは,昭和大学横浜市北部病院,名古屋大学大学院,サイバネットシステム(株)により,AMED※1支援のもと研究開発された。臨床性能試験を経て,サイバネットシステムが2018年12月6日に医薬品医療機器等法の製造販売承認を取得し,オリンパスはサイバネットシステムから国内における独占販売権を取得した。
オリンパス製の超拡大内視鏡Endocyto※2で撮影された大腸の超拡大内視鏡画像をAIが解析し,検査中にリアルタイムで「腫瘍性ポリープ」※3または「非腫瘍性ポリープ」※4の可能性を数値として出力し,高い診断精度※5により,医師の診断をサポートする。

内視鏡画像診断支援ソフトウェア「EndoBRAIN®」診断画像イメージ

内視鏡画像診断支援ソフトウェア「EndoBRAIN®」診断画像イメージ

 

※1 国立研究開発法人日本医療研究開発機構
※2 最大520倍の光学拡大機能により,リアルタイムに細胞レベルでの生態観察が可能な内視鏡
※3 早期がんや前がん病変であり,切除する必要のあるポリープ
※4 腫瘍ではなく,切除する必要のないポリープ
※5 国内多施設後ろ向き性能評価試験(EndoBRAIN STUDY)による結果(感度96.9%,正診率98.0%)

●発売の概要

販売名:内視鏡画像診断支援ソフトウェア「EndoBRAIN」
発売予定日:2019年3月8日

●開発の背景

大腸がんは,国内がん死亡数第2位・罹患数第1位と,近年増加傾向にある。大腸内視鏡を用いて早期がんや前がん病変である「腫瘍性ポリープ」を切除することで,大腸がんの死亡率減少に寄与することが海外の研究で報告されている。ポリープには,腫瘍性ポリープの他に,切除する必要のない「非腫瘍性ポリープ」も存在するため,医師は検査中に両者を的確に判別する必要がある。
同社は2018年に,生体内の細胞までリアルタイムに観察できる超拡大内視鏡「Endocyto」を発売。今回発売するEndoBRAINは,Endocytoで撮影した大腸の超拡大内視鏡画像を検査中にリアルタイムに解析することで,腫瘍・非腫瘍の判別における医師の診断を補助する。

●主な特長

1. 病変の腫瘍・非腫瘍の判別を自動で行い,リアルタイムでの診断支援を実現
超拡大内視鏡Endocytoで撮影された大腸内視鏡画像を人工知能(AI)が解析し,診断結果(腫瘍または非腫瘍の可能性)を数値で表示する。約60,000枚の内視鏡画像を学習させたことで,国内多施設後ろ向き性能評価試験では感度※196.9%,正診率※298.0%という専門医に匹敵する診断精度が得られた。診断結果はリアルタイムに表示されるため,検査中における医師の診断をサポートする。

病変の腫瘍・非腫瘍の判別を自動で行い,リアルタイムでの診断支援を実現

 

※1 疾患のある患者のうち,検査で正しく陽性と診断された人の割合。
※2 疾患のある患者・疾患のない患者のうち,検査で正しくそれぞれ陽性・陰性と診断された人の割合。

2. 2種類の観察モードに対応
内視鏡検査の際,医師はNBI観察※1や染色観察※2など,様々な方法を用いる。EndoBRAINは,NBI観察モード・染色観察モードの2種類を搭載しているため,検査中のさまざまな場面においてAIによる支援が可能になった。NBI観察で得られる血管像や,染色観察で得られる細胞核の画像をAIが解析し,腫瘍・非腫瘍の可能性を数値で表示することで,より確信度の高い診断をサポートする。

※1 狭帯域光観察(Narrow Band Imaging=NBI)。血液中のヘモグロビンに吸収されやすい2つの狭帯域の光を照射することで,粘膜表面の微細な血管やその模様が強調表示される観察方法。
※2 色素を粘膜面に散布して染色することで,粘膜表面の凹凸や色調の変化などが強調される観察方法。

 

●問い合わせ先
オリンパス(株)
https://www.olympus.co.jp/

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