東芝,6年先までの生活習慣病リスクを予測するAIのサービス提供を開始
withコロナ時代の生活習慣改善への動機づけに

2020-7-13

AI

東芝


(株)東芝と東芝デジタルソリューションズ(株)は,健康診断結果から生活習慣病発症のリスクを6年先まで予測する疾病リスク予測AI注1サービスの提供を7月13日から開始した。
疾病リスク予測AIは,SOMPOホールディングス(株)と共同開発注2したもの。本AIについては,リゾートトラスト(株)のグループ会社が運営支援する医療法人社団ミッドタウンクリニックと,人間ドック受診後のレポートに本AIを用いた疾病リスク予測結果を掲載するといった取り組みをしており,そのような実績をふまえて,今般,本AIをサービス化するに至った。
疾病リスク予測AIサービスは,SOMPOひまわり生命保険(株)が7月13日からサービスを開始する「Linkx 健康トライ(リンククロス 健康トライ)」注3の機能の1つとして採用された。今後,東芝グループは,ヘルスケアサービス企業をはじめ,多くの企業と連携し,本サービスの活用を進めていく。

1.背景

生活習慣病は,医療費の増大や企業における従業員の生産性低下などにつながることから,近年,個々人が自身の生活習慣の改善や健康増進を図り生活習慣病を予防することを目的に,発症リスクの把握に対するニーズが高まっている。
さらに,新型コロナウイルス感染症の重症化リスク因子に糖尿病,高血圧,肥満,慢性腎臓病などが挙げられており注4,生活習慣病の予防や改善に対する重要性が増してきている。

2.疾病リスク予測AIサービスについて

そのような中で,東芝グループは,産業分野で培ってきたAI・ビッグデータ解析技術や,国内外の大学などと共同研究してきたヘルスケアデータマイニング技術注5を応用して疾病リスク予測AIを開発した。本AIは,研究協力機関などの匿名化した大規模な健康診断データを用いた学習と,独自手法による最適化により,6年先までの糖尿病発症リスク予測で90%以上注6の精度を達成している。医療法人社団ミッドタウンクリニックでは,人間ドック受診後の面談時に,本AIを用いた予測結果レポートを提示することで,生活改善指導に活用している。
今回提供する疾病リスク予測AIサービスでは,1年分の健康診断データから,糖尿病・高血圧症・肥満症・脂質異常症・肝機能障害・腎機能障害の6つの生活習慣病リスクについて,6年先までの予測結果を提供する。
SOMPOひまわり生命保険(株)では,本サービスを活用して,契約者が,自身の予測結果をスマートフォンのアプリから参照し,日々の健康改善活動をサポートするサービスを開始している。
また,これらの他にも,企業,健保,自治体など団体の予測結果を分析し,健康経営や地域住民の健康増進の推進に活用する検討も進めている。これにより利用者は,将来にわたり高い精度でのリスクの可視化が可能となり,利用者自身の健康意識の改革,生活習慣の改善につなげることで,健康増進に役立てることができる。

健康トライ 生活習慣病リスク予測 -SOMPOひまわり生命保険株式会社「Linkx 健康トライ(リンククロス 健康トライ)」より-

健康トライ 生活習慣病リスク予測
-SOMPOひまわり生命保険株式会社「Linkx 健康トライ(リンククロス 健康トライ)」より-

 

3.今後の展開

今後,東芝グループは,疾病リスク予測AIに加え,糖尿病性腎症重症化予防注7,心疾患注8などへのAI活用を進め,食生活や運動習慣改善などの行動変容を促すためのソリューション開発を進めていく。
また,業界の垣根を超えた新たなパートナーとの連携やヘルスケアデータを活用した新規事業創出にも取り組んでいく。

注1:「東芝AI技術カタログ 疾病リスク予測」
https://www.toshiba.co.jp/tech/ai/catalog004.htm
注2:2018年10月19日発表
「糖尿病などの生活習慣病リスクを予測するAIを共同開発 ー100万人の健診データから解析ー」
https://www.toshiba.co.jp/about/press/2018_10/pr_j1901.htm
注3:「Linkx 健康トライ(リンククロス 健康トライ)」
https://www.himawari-life.co.jp/
注4:「新型コロナウィルス感染症 診療の手引き 2020 COVID-19 第2.1版」(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/content/000641267.pdf
注5:さまざまな形式のデータを分析し,パターンや規則性を発見する技術を,病気の治療や予防といった分野へ展開するもの。
注6:田口淳一,山口泰平,道庭賢一,他,「健康診断データのAI解析による糖尿病発症予測アルゴリズム開発」,
2019年7月26日,第60回日本人間ドック学会学術大会にて発表
注7:2019年08月19日発表
「AIを活用した糖尿病性腎症重症化予防の共同研究を開始 日本人に最適な予防法を開発しQOL向上に貢献」
https://www.toshiba.co.jp/about/press/2019_08/pr_j1901.htm
注8:2019年11月20日発表
「ジョンズ・ホプキンス大学と共同で心臓病の発病リスク予測AIの開発を開始」
https://www.toshiba.co.jp/rdc/detail/1911_04.htm

 

●問い合わせ先
東芝デジタルソリューションズ(株)
https://www.toshiba-sol.co.jp/

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